これは当時発行された、「緊急輸送車両確認証明書」だ。

正真正銘の本物。

震災直後に復興物資の輸送に携わったドライバーに取って、勲章の様なものです。

しかしながら、この証明書には最大の問題が有った…。

見ての通り、マル緊マークが一色でコピーされただけのモノ。

緊急時の止むを得ない措置を逆手に取る輩が、非常に大勢出てきたのだ。

つまり「コピーを取って緊急車に成りすます」輩が。

私はハードケースに、マル緊マークと証明書を入れて提示していたが、

マル緊マークだけでも用を足したのだ。

そして道に溢れる緊急車の群れ…。

1ヶ月くらい経った頃、この証明書は無効になり新しい証明書が作られた。

だが、緊急車かどうかの判断は「役所」の判断な訳で…。

私の会社には、とうとう支給されなかった。

食料品・燃料・建材は「緊急物資とは見なされない」らしい。

反面、「公用車」には確実に配られていた。