震災が生んだ、空前の銘酒

空 (くぞう) 蔵

 

恐らく、年齢制限の有るドリンクは今回が最後であろう。

平成7年、兵庫県を襲った「阪神・淡路大震災」。その震災が生んだ数少ない恩恵である。

矢は当時、復興物資の運搬を仕事にしていた為、震災関連の物には思い入れが有る。

その為、今回このコーナーに特別に持って来たのだ。

 

その名前は当時全壊した酒蔵の中で蔵元が呟いた「…空しか見えない…」との

一言から取られたと言う。

蔵が全壊し、水も濁り「最早、灘で酒造りは出来ない」とどの蔵元にも絶望しか無かったと言う。

だが数ヶ月後、奇跡は起きる。あれだけ濁っていた仕込水が、清流(?)を取り戻したのだ。

水は澄み、以前と同じ味わいを取り戻していた。

絶望しか無いと思っていた蔵元は、「水が戻ったんだ、やってやろうじゃ無いか!!」

と、ゼロからの出発を決意した。

「以前の様な造り方が出来ないのなら、以前より良い物を造れば良い」との考えから、

造る量を控え、直接販売店に卸す方針を取ったのである。

販売店は、全国で30数件(当時)。

販売量も僅かな幻の銘酒(と私は呼んでいる)「空蔵」誕生の瞬間であった!!

その味わいは、お世辞にも個性が有る訳では無い。平凡と言える物だ。

だが、香り高く飲み易い。流石は、純米吟醸だ。

醸造アルコール入りが好きでは無い矢にとって、非常に心強い酒である。

しかし、飲み過ぎてしまう嫌いは有るのだが…。

米の種類により三種類あるのだが、私は山田錦が好みだ。

 製造元は「株式会社 浜福鶴銘醸」。

 

ん〜…なんか変な感じになってしまった。

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