月刊短波2015年10月号(第3版)
編集 赤林隆仁 時間 JST
◎首都AM民放局FM補完試験放送開始 第2版新規 第3版追加
東京の民間AM放送3局が10月5日よりFM補完試験放送を開始する。送信所は東京スカイツリー、送信出力は7kWである。《》内は愛称。本放送の開始は12月の予定。
TBSラジオ(954kHz) 90.5MHz
文化放送(1134kHz) 91.6MHz 《二刀流ラジオ》
ニッポン放送(1242kHz) 93.0MHz 《HappyFM93》
これに先立つ10月1日には名古屋2社も本放送を開始した。今までに本放送・試験放送を開始したのは次の各社。
2014/12/1 北日本放送(738kHz) 90.2MHz 1kW
南海放送(1116kHz) 91.7MHz 1kW
2015/1/1 南日本放送(1107kHz) 92.8MHz 1kW
2015/3/2 秋田放送(936kHz) 90.1MHz 1kW
2015/7/8 中国放送(1350kHz) 94.6MHz 1kW (試験放送)
2015/7/21 山口放送(765kHz) 92.3MHz 1kW
2015/8/17 茨城放送(1197kHz) 94.6MHz 1kW
2015/9/28 新潟放送(1116kHz) 92.7MHz 1kW (試験放送、11月本放送予定)
2015/10/1 長崎放送(1233kHz) 91.8MHz 1kW
東海ラジオ(1332kHz) 92.9MHz 7kW
中部日本放送(1053kHz) 93.7MHz 7kW
(赤林)
◎「InterFM897」正式開局 第2版新規
東京の外国人向放送局InterFM(76.1MHz)は、近接周波数を使用しているコミュニティーFM局との混信を避けるためと、来日外国人が持参し
た国際標準ラジオ(88-108MHz用)で受信できるようにとの配慮から周波数を89.7MHzに変更することになり、今年6月30日より試験放送を実
施していたが、10月1日に本放送を開始した。それに伴い局名も「InterFM897」に変更した。ロゴも新しいものに変更される。送信所は東京タワー、出力は10kWで76.1MHzと同じ。当面76.1MHzと併行放送を行うが11月1日からは89.7MHzに切り換える予定である。(赤林)
◎中国時報局BPMのサブキャリアの分析
ドイツのTobias氏は中国の時報局BPMが5MHzの信号にサブキャリアを付加していることを発見しその内容を分析した。サブキャリアの内容は米国
WWV/WWVHと同様であったが、形式は異なっている。WWV/WWVHは100Hzのサブキャリアを使用しているが、BPMは120Hzであり、また
データ形式も異なる。サブキャリアは時報音が出ている時のみ一緒に出ている。データ内容は年・月・日・時・分であり、毎正分の1~7秒が
分、10~16秒が時、20~26秒が日、30~33秒が月、40~48秒が年を表す。各秒に出るダッシュ信号は1、ドット信号は0を表し、その組み合わ
せにより2進法で年・月・日・時・分を表示している。50秒以降のセグメント内容は不明だがUTCとの差を表示しているのではないかと推測される。10、
15MHzの信号にはサブキャリアは載っていない、2.5MHzは判然としない。(DXLD 1534)
◎「変だよ」今年のAWR・DXコンテスト!
Adventist World Radio(AWR)のAdrian Peterson氏によると、は毎年Wavescan
DXコンテストを開催しているが、2015年は「世界で最も変な」(unusual)DXコンテストを実施する。求められる内容は次の通りである。
①「世界で最も変なDXコンテスト」を行うとすればどんな内容になるかを簡潔に提案する。但し対象はBCLのみとし、提出物としてQSLを使用すること。
②もしそんなコンテストが実施されたら自分はどのように応募するかを簡潔に記述する。
③昨年のDXコンテスト以降に取得したQSLカードの中で最も良かったものを1枚選び、そのコピー(カラーが望ましい)を添付して説明を記述する。
④国際放送・国内向放送を問わずAWRの番組を受信した受信報告を3通作成する。(録音添付は不可)
⑤もし可能ならばIndianapolis Heritage Collectionに寄贈しても良いカード類(QSLカード、受信報告用カード、絵葉書等)3枚を選択して添付または記述する。BCL関連のものに限る。(但しコンテスト参加の必須条件ではない)
応募締め切りは10月いっぱい。返信手数料として数ドル(IRCは不可)と自分向けの宛先ラベルを同封の上、World's Most Unusual
DX Contest, Adventist World Radio, Box 29235 Indianapolis, Indiana
46229, U.S.A.に送付する。コンテスト結果の発表は2016年初めとなる。賞品は次の通り。
①全応募者に米国局の歴史的QSLカードの原寸コピー2枚贈呈。
②①~④をすべて満たした応募者にはThomas Kincade氏作成の番号入り特別QSLカードを発行。
③上記③の応募者全員にAWRの受信報告に対する特別QSLカードを発行。
④AWRのクリスマスカード、AWRの雑誌、AWRグッズ等も贈呈。
⑤オーストラリア・ニュージーランドからの応募者1名には抽選でBruce Carty著「Australian Radio History」(100ページの豪華大型本)を贈呈。
⑥入選者には2016年版WRTHを贈呈。
⑦最優秀者にはJerome Berg氏著の短波の歴史シリーズの本を贈呈。
(DXLD 1534)
◎Ampegon社アルジェリアより新短波送信機受注
スペインのMiguel Romero氏によると、スイスAmpegon社はアルジェリアのTelediffusion d'Algerie
(TDA)よりBechar、Ouargla両送信所向け新型短波送信機及びアンテナの開発・製造・設置を受注した。同社は既にTipaza送信所に
1500kW長波送信機を設置・稼働しており、最近ではBechar送信所(576kHz)とOulet
Fayed送信所(891kHz)の中波送信機の更新も受注している。Bechar、Ouargla両送信所には300kW短波送信機とアンテナシステム
が各一式づつ導入される。アンテナシステムはドイツSchifferstadt工場で、送信機はスイスTurgiで製造される。納入は2016年末の予定
で、現在フランスIssoudun送信所を時間借用しているTDAはアルジェリアから直接高出力の短波送信を行えるようになる。(WWDXC TP
1220)
Euro-African Medium Wave Guide(EMWG)によれば関連する送信所は以下の通りである。
576 kHz: Radio Saoura, Béchar (400kW) - 17:00-01:00; 他に第一放送も中継、指向性アンテナ
837 kHz: 第三放送, Béchar (5kW) - 14:00-10:00 仏語
891 kHz: 第一放送, Oulet Fayet (300/100kW) - 24h アラビア語 最大出力600 kW
1422 kHz: Radio Coran/Radio Mitidja/Radio UFC/Radio Culture/第三放送, Ouled
Fayet (50kW) - 24h 仏語・アラビア語(Radio Coran 13:00-17:00、Radio Culture
01:00-05:00)
(DXLD 1535)
◎アルジェリア インターネット放送も充実に
ドイツのHansjörg Biener氏によるtぽRadio
Algérieはインターネット放送の充実を行い、http://www.radioalgerie.dz/player/fr(フランス語)または
http://www.radioalgerie.dz/player/ar
(アラビア語)から本局・国際放送(http://www.radioalgerie.dz/rai/でも聞こえる)の他50以上の地方局が直接聞こえる
ようになった。聞き方はhttp://www.radioalgerie.dz/player/fr/live/
[ ]:の[ ]内に以下のパラメーターを挿入する。
cha%C3%AEne-1 (アラビア語第一放送)
chaine-2 (タマジート語第二放送)
chaine-3 (フランス語第三放送)
radio-alg%C3%A9rie-internationale (国際放送)
radio-coran (コーラン放送)
radio-culture (文化放送)
jil-fm (若者向けFM放送)
radio-el-bahdja
ローカル局を聞くにはhttp://www.radioalgerie.dz/player/fr/live/ [ ]の[ ]内に以下の数(2桁)を挿入する。
01-Adrar, 02-Chlef, 03-Laghouat, 04-Oum Bouaghi, 05-Batna, 06-Bejaia,
07-Biskra, 08-Bechar, 09-Blida, 10-Bouira, 11-Tamenrasset, 12-Tebessa,
13-Tlemcen, 14-Tiaret, 15-Tizi-Ouzou, 16-Alger, 17-Djelfa, 18-Jijel,
19-Setif, 20-Saida, 21-Skikda, 22-Sidi-Bel-Abbes, 23-Annaba, 24-Guelma,
25-Constantine, 26-Medea, 27-Mostaganem, 28-M’Sila, 29-Mascara,
30-Ouargla, 31-Oran, 32-El-Bayadh, 33-Illizi, 34-Bordj-Bou-Arreridj,
35-Boumerdes, 36-El-Tarf, 37-Tindouf, 38-Tissemsilt, 39-El-Oued,
40-Khenchla, 41-Souk-Ahras, 42-Tipaza, 43-Mila, 44-Ain Defla, 45-Naama,
46-Ain-Timouchent, 47-Ghardaia, 48-Relizane。
これに伴いWRTH2015に記載されているローカル局独自のURLは機能しないものが多くなっている。(DXLD 1536)
上部に8つのネットワーク、下部に48のローカル局が掲載され選択できる
◎Radio Pakistan-Quettaがスポーツ施設建設のために閉局 ~放送局には相談なし
スペインのMiguel Romero氏によると、パキスタンのBalochistan地方政府はQuetta市のSariab通りにあるRadio
Pakistanの送信施設を廃止して、64エーカーの跡地を複合スポーツ施設用に売却する決定を行った。Radio
Pakistan-Quettaは1956年に建設され、1959年には中波・短波で同地方全体をカバーする放送を開始した。また今年のラマダン直前には
93.5kWのFM送信機を導入してFM放送も開始していた。この決定はRadio
Pakistan本体に相談なく行われ、実施されれば同地域ではローカル番組が聞こえなくなってしまう。Radio
Pakistanは政府に対して放送局を廃止するのであれば移転先やその設備を確保する要求をしたいとしている。(WWDXC TP 1220)
◎Nils Schiffhauer氏「短波散歩」を発表
オーストリアのChristoph Ratzer氏によると、ドイツのアマチュア無線家Nils
Schiffhauer氏が、BCL及びアマチュア向に短波受信についての含蓄を語った「短波散歩」(Streifzug
Kurzwelle)を発表した。ドイツ語が分かれば大変重宝する内容で、図も多数入れられている。Ratzer氏のHP
http://ratzer.atよりpdf形式で無料ダウンロードが可能である。(WWDXC TP 1220)
◎アラスカHAARPが再出発
ドイツのNed Rozell氏によると、アラスカのHAARP(High Frequency Active Auroral Research
Program)は管理が米空軍からアラスカ大学に移ることになった。去る8月中旬にGakonaにあるアンテナ及び送信施設の移管式が行われた。3億ド
ルを投じて建設された巨大な送信施設からオーロラに向けて強い高周波を短波で放射し、それらが到達した共産主義国の人々の脳を改造して資本主義化する目的
の軍事プロ
ジェクトであったが、成功しなかったと言われ、売却先を探していた。アラスカ大学ではオーロラを含む地球観測に利用するという。(WWDXC TP
1221)
米国のDavid
Alpert氏によると、HAARPの送信設備は4基のディーゼルエンジン発電装置、1基の蒸気発電装置から電力供給されており、オーロラに対して電波を
集中的に放射できるようになっている。アラスカ大学によればHAARPの設備は地球高層圏の研究には理想的で、同様の設備はロシアとノルウェイにしかな
い。HAARPでは2014年春以来送信は行われていないが、送信スポンサーを募って1日10時間の送信を再開したい意向である。(DXLD 1536)
◎ADXBがRadio TiranaのQSL代行発行
ADXBのHarald Suess氏によれば、既報の通り、Austrian DX Board(ADXB)は9-11月いっぱいのRadio
TiranaのQSLカードを代行発行する。この期間の受信報告をAustrian DX Board, Postfach 1000, A-1081
Wien,
AustriaにIRC2枚ないしはUS$5を同封の上送付すれば特別QSLカードが発行される。B15スケジュールは以下の通り。何れもShijak送
信所、100kW、146度。なおこの期間中でも局に直接受信報告を送れば通常通りのQSLカードが発行されることになっている。
7465 09:00-10:00 アルバニア語
7390 17:00-19:00 アルバニア語
7425 11:30-12:00 英語
7465 03:30-04:00 仏語
7465 04:00-04:30 イタリア語
7465 05:31-06:00 ドイツ語
7465 06:00-06:30 英語
(WWDXC TP 1221)
◎Lopik送信所のアンテナ完全撤去
英国のMike Terry氏によると、オランダのLopik送信所に残存してた675kHz送信用の鉄塔がついに撤去された。この鉄塔からの信号は昼でも英国南部に届いていた。(WWDXC TP 1221)
◎NRC AM RADIO LOG第36版発行
第36版の「NRC AM RADIO
LOG」が発行された。米国・カナダの中波局についてすべての情報(出力、放送時間、フォーマット、スローガン、系列、宛先等)を記載しており、他に例の
ないものである。情報の更新も週単位でe-DXN.comで行われている。価格は送料共でUS$41.75。National Radio Club,
P.O. Box 473251, Aurora, CO 80047 – 3251,
USAに送金・注文する。Paypalによる送金も可能。詳しくはhttp://www.nrcdxas.orgを参照のこと。(DXLD 1535)
◎コロンビア2局弾圧で一時休止? 3版追加
コロンビアの短波局Alcavan Radio(5910kHz)とLa Voz de
Conciencia(6010kHz)は5月23日以降放送していない模様である。米国のGlenn
Hauser氏が両局のQSLマネージャーを勤めるRafael
Rodríguez氏に理由を尋ねたところ、以下の様な回答であった。同局の経営者Martin
Stendal氏が今年初め反政府左翼ゲリラFARC(コロンビア革命軍)の元メンバーをかくまった罪で逮捕拘束された。氏は宗教上の理由で助けただけと
しているが、検察当局は短波放送を通じてFARC側に秘密情報を送っていたに違いないとして放送を禁止した。但しこの件については何の証拠もなく氏は5月
末に不起訴となっている。このような政府の妨害と電力事情、機器の更新時期等が重なって2局は休止したままである。(DXLD 1535)
米国のGlenn Hauser氏によると、5910kHzの放送が5ヵ月振りに復活していることが10月2日確認された。また6010kHzの放送は9月中旬に復活した。(WWDXC TP 1223)
◎フィジーの放送強化に日本が協力
Fiji Broadcasting
Corporationの放送強化に日本は1450万ドルの資金援助をすることになった。具体的には島嶼部の受信状態改善のために中波送信機を増設する。
なおニュージーランドのDavid
Ricquish氏によれば同局の中波送信機は調子が悪いらしく558kHzはしばしば中断し、990kHzは使用されていない。558kHzが出ていな
い時は臨時にFMの98.2MHzが出ている。(DXLD 1535)
◎Scandinavian Weekend Radio無免許状態
フィンランドのTapani Häkkinen氏によると、同国では電波法規が改正となり、Scandinavian Weekend
Radioは9月4-5日の放送予定日の放送免許を得ることができなかった。今後10月2-3日、11月6-7日、12月4-5日の電波を出すことを予定
している。受信報告は2米ドルまたはIRC2枚を同封の上、SWR, P. O. Box 99, FI-34801 Virrat,
Finlandへ、eQSL希望の場合はinfo @ swradio.netへ。(DXLD 1535)
◎VOA「Jazz Hour」のConover氏が切手に
米国のBob Wilkner氏がWall Street
Journalの報道として伝えるところのよると、冷戦時代の1955年から1990年代半ばにVOAの「Jazz
Hour」のDJを担当したWillis
Conover氏がジャズを当時の共産圏に紹介した功績で切手になった。当時の共産圏は禁止されていた西側の音楽に飢えていたため同氏の番組は大変好評
で、冷戦終結時に米国では知られていないが米国以外の世界中誰もが知っている米国人となった。東側だけで彼のファンは3000万人いたと言われている。冷戦が終結してから氏は旧東側に旅行する機会を得たが、空港では大歓迎を受けた。(DXLD 1535) Willis
Conover氏(1920-1996)は日本でも「Jazz Hourのおじさん」として当時のBCLの間で知られていました。
冷戦時代VOAでJazz Hour放送中のConover氏
◎有名短波局の録音をアーカイブ化
米国のAndy
Robin氏によると、同氏は短波局の録音をアーカイブ化した「SoundCloud」のページhttps://soundcloud.com
/andy-robins-436370472を開設している。1970-80年代の懐かしい秘密局、海賊局の録音も多数収集されている。(DXLD
1535)
◎Brisbane HFCC会議での話題
9月にオーストラリアBrisbaneで開催されたHFCC会議のプレゼンテーションで話題となったのは以下の諸点である。
オーストラリア: ABCはShepparton送信所の100kW送信機やBrandon送信所を使用しないことになっているが、NBCの特別送信の例で分かるようにすべての設備は運用可能状態で残っており、ABCの発表とは異なる。
台湾: 枋寮送信所のアンテナはすべてAmpegon社製のものとなり、送信所の建物も新築された。この設備からの運用開始は2016年になると推測さ
れる。今後淡水送信所及び枋寮送信所からDRM送信が行われるかが注目される。台南送信所は休止状態になるものと思われる。
南アフリカ: Sentech社によると、Meyerton送信所にあったTelefunken、BBC Switzerland、ABB]社製設備はAmepgon社製に入れ替えられつつある。Telefunken社製設備は南半分に残存しているのみ。
スペイン: Noblejas送信所のPhilipps社製350kW送信機はContinental社製300kW送信機4基に入替。
イタリア: Tavolara島にある沿岸警備隊のVLF送信設備が真空管式からソリッドステート式に入れ替わる。
米国: アラスカHAARPにはContinental社製の新送信機が導入される。米海軍は潜水艦通信用500kW超長波(VLF)送信機5基を更新。
サウジアラビア: 2011年に実施予定であったJeddah送信所の更新がContinental社により開始される模様である。またこれとは別にAmpegon社はRiyadh送信所に4基の短波送信機を新設し2015年中には運用開始可能になる見込みである。
(WWDXC TP 1222)
Brisbane B15 HFCC会議の会場となったシャングリラホテル
◎中国 金華送信所のメンテナンス
中国は浙江省金華送信所のメンテナンスのため同送信所から行われている中国国際放送の送信を9月6日~10月16日に停止する。(DX REMIX
NEWS 9/6) 日本語放送は19:00-19:57 7325、21:00-21:57 7325、22:00-22:57
7215、23:00-23:57 7410、07:00-07:57 13640、08:00-08:57
13640が休止になります。何れも500kW、59度。
◎Thomson社モロッコの高出力中波送信機受注
ドイツのHansjoerg Biener氏によると、Thomson社は9月11日モロッコの国営SNRT(Societe Nationale
de Radiodiffusion et
deTelevision)より中波送信機の更新を受注した。同社は長年SNRTの中波・長波送信機を受注してきた。今回受注したのはAit
Melloulに設置するDRM対応400kW中波送信機S7HPneo2基で、2基を組み合わせて800kWにすることも出来るし、1基を予備用にすることも出来る。旧送信機と比べて15%の省エネにもなっている。 ポルトガルのCarlos
Goncalves氏によると、Ait Melloulの936kHzは過去数ヶ月受信できていない。(WWDXC TP 1222)
英国のMike Terry氏によると、今回Thomson社は送信機の納入、設置、フィダー線の架設、アンテナ調整、従業員の訓練まですべてを一括して請け負っている。(DXLD 1537)
◎Thazin Radioにwebページ
NDXCの長谷川清一氏によると、ミャンマーのThazin Radioがwebページhttp://www.thazinfm.com/を開設している。但しビルマ語である。スケジュールは以下の通り。
08:30-10:30 6165 08:00 カチン語 09:30 ポォカレン語
10:30-12:30 9590 10:30 スワカレン語 11:30 モン語
13:30-17:30 9590 13:30 チン語 14:30 カチン語 15:30 ワ語 16:30 パオ語
18:30-22:30 9590 18:30 ラフ語 19:30 コカン語 20:30 カヤ語 21:30 シャン語
(WWDXC TP 1222)
Thazin RadioのURL 英語とビルマ語がチャンポンだ!
◎ウクライナ予算不足で国内放送大規模停波 ~9/24には回復 3版追加
ドイツのKai Ludwig氏によると、ウクライナでは国営Ukrainean Radioの国内向放送の周波数が9月9日以降大規模に縮小されている。その主な内容は次の通り。
・第一放送のFM中継は原則として地域基幹局のみになる。
・第二放送、第三放送は首都Kievのみで送信する。
・第一放送549kHzh現地時間14〜18時に休止。
理由は放送予算が12万7千ユーロ削減されたためとしている。
(WWDXC TP 1222)
米国のSergey Sosedkin氏によると、ウクライナ国家TVラジオ放送員会のYurin
Artemenko会長は9月24日、Ukrainian
Radioが従来の状態に戻ったと発表した。ウクライナ内閣府が国営ラジオ放送会社に12万8千ドルの緊急予算を認めたため。(WWDXC TP 1223)
◎バミューダのAM局消滅
米国のChris Dunne氏によると、バミューダに存続していた最後のAM局2局(Bible Broadcasting Network
1280kHz、AM Gold 1450kHz)が9月1日で放送を終了し、同地域ではAM局が消滅した。(DXLD 1536)
◎ドイツAFN局あと2局のみ
ドイツのKai
Ludwig氏によると、同国のAFN局の内1485kHzで放送していたGarmisch-Partenkirchen局が閉局した。これで
1485kHzを使用するAFN局はすべて消滅し、ドイツ国内にはVilseck 1107 kHz、Mönchengladbach 1143
kHzが残るのみとなった。(DXLD 1536)
◎Hamburger Lokalradio短波放送のみに
ドイツのThomas Völkner氏によると、Hamburger Lokalradioは現在短波のみで出ている。スケジュールは以下の通り。Goehren送信所、出力1kW。
土曜日 15:00-17:00 7265
17:00-20:00 6190
20:00-24:00 7265
日曜日 20:00-24:00 9485
(DXLD 1536)
◎インドの中波局DRMは10kHz高い周波数で出る
インドのJose
Jacob氏によると、AIR-Kolkataの中波200kW送信機(Bishnapur送信所)がDRM化され、現在は657kHzでAM波のみを出
しているが、667kHzでDRM波を出すことも可能である。インドでは中波送信機をDRM化した際に、従来のAM周波数の10kHz上にDRM波を出す
ことになっている。唯一の例外はDelhi局の1368kHz(DRM波)で、これはAM波を廃止してしまったことによる。(DXLD 1536)
◎Madagascar World Voice放送開始は今年末か来年春
英国のRichard Blair氏によると、MadagascarのMahajangaに建設中の米国World Christian
Broadcasting(KLNSの母体)の宗教局Madagascar World
Voiceは、数年以上遅延していた短波放送の開始が2016年春になると予定している。既に米国Houstonから3基のContinental社製
100kW短波送信機が同地に向かっているとのことである。4本のマストに支えられた3基のアンテナ(25/265/325度用)は既に2012年までに
南緯15度43分38秒、東経46度26分45
秒の地点に設置されている。放送開始時にはアジア向には英語、中国語の放送が予定されている。(WWDXC TP 1220)
ロシアのDmitry Kutuzov氏が、KNLSのKonstantin
Chernushenko氏に聞いた話では、マダガスカルに建設中のMadagascar World Voiceの正式放送開始は2016年春になる見込みである。送信機は既に設置されているが、現在調整が続けられている。QSLカードの
準備はまだ行われていない。局のロゴは決まっているそうで、近々発表される。ドイツのWolfgang
Bueschel氏によると、同局はHFCCにB15シーズンの周波数を登録している。Houstonから船積みされた送信機は100kW3基である。
Mahajanga送信所(南緯15度43分38秒40、東経46度26分45秒22)ではアンテナ(25/265/325度の3基)の鉄塔やケーブルの
建設は2012年に完了しているため、送信機が到着すれば年末にも試験電波が発射されると思われる。(DXLD 1536)
米国のGlenn
Hauser氏によると、同局がNASB会議で報告したところでは、開局に否定的であったマダガスカルの大統領が訪米した際に社長のCharles氏が
Washingtonで40分間面会して説得し送信機の設置にこぎ着けた。米国で船積みされた送信機は今年4月にマダガスカルの港に到着し、5月1日には
現地に設置された。従って今年末には電波が出る予定である。放送局の建設には1200万ドルが費やされた。(DXLD 1537)
◎予算不足でトイレの紙もなくなったRFE/RL本部ビル
英国のMike Terry氏がBBG
Watchの報道として伝えたところによると、チェコのPragueにあるRFE/RL本部では9月初めに清掃会社が料金不払いを理由に引き上げてしま
い、トイレの紙がなくなってしまった。局員は各自自分の紙を持参して用を足さざるを得なくなり汚物入れに紙があふれる状態となった。その後料金が支払われた模様で、次週からは清掃員が復帰した。(DXLD 1536)
◎AIR-Bengaluruが新HP開設
ドイツのHansjoerg Biener氏によると、AIR-Bengaluru(中波675kHz及びFM)が新HP
http://www.airbengaluru.comを開設した。このHPからはAM・FM放送の番組表(PROGRAMME-SCHEDULE-
PC.pdf)をダウンロードすることもできる。またストリーミング放送も聞くことができる。同局のFM放送は2004年に開始され、現地時間
06:00-09:30と18:00-23:00は独自番組を、その他の時間はFM Rainbowの番組を流している。(DXLD 1537)
◎中国がPCJ Radio Internationalとの提携解消
PCJ Radio InternationalのKieth
Perron社長によると、中国の上海文化廣播映視集団(SMG)は8月24日を持ってPCJ Radio
Internationalとの提携を打ち切った。提携中は北京、大連、広州等18の中国放送局よりPCJ Radio
Internationalの中国語番組を放送していた。後日中国の国家廣播電映電視総局(SARFT)がSMGに圧力を掛けて止めさせたことが判明した。その理由はPCJ Radio Internationalが8月12日の「Focus Asia
Pacific」の番組中で北京駐在のオーストラリアABCの記者による中国共産党中央委員会の腐敗について報道したためである。この措置で中国国内の放送局ではPCJ Radio
Internationalの番組を聴くことが出来なくなるが、他の方法を駆使して中国のリスナーに番組を届けるべく努力中である。(DXLD 1537)
◎BBC北朝鮮向短波放送を計画
BBCは北朝鮮向放送を計画していることを明らかにした。これは9月7日に発表された将来計画の中で示されたものである。本来BBC World
Serviceは「民主主義がない地域」に「公正なニュース」を届けるのが目的であるため、北朝鮮が典型的であるとしている。BBCはニュース中心の番組
を毎日北朝鮮向に短波で届ける予定としているが、BBC解体論議もある中で実現には長い年月がかかりそうである。(North Korea Tech
9/8)
◎Radio Free Asia開局19周年記念QSL発行
Radio Free
Asiaは開局19周年記念QSLカードを発行する。同局の最初の放送は1996年9月30日06:00に開始された中国語放送であった。これは同局としては59番目のQSLデザインとなる。発行対象時期は8月1日~12月31日である。(RFA)
◎RRI-Makassar短波復活
長い間休波していたRRI-Makassarが4750kHzで復活した。日本の島根県のDXerが9月17日の20:06に発見した。これに続いて米国のRon
Howard氏も同日の20:59に受信した。その後放送は継続されている模様である。同局のURLはhttp://www.rri.co.id
/makassar/home.html。(DXLD 1538)
出典の略称
DXLD: DX Listening Digest
DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
DSWCI DXW: Danish Shortwave Club International DX Window
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
ABU: Asia-Pacific Broadcasting Union
WRTH: World Radio TV Handbook
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