月刊短波2020年1月号(第4版)
編集 赤林隆仁 時間 JST
◎Radio Onda ASBL 5940kHzを登録 4版追加
ブラジルのRadio Onda
ASBLは6060kHzをHFCCに登録していたが放送は出ていなかった。同局は12月6日、HFCCに周波数変更を届け出た.新しい届け出スケジュールは以下の通り。但しこの放送も現実には出ていない。
09:00-02:00 5940kHz(オランダMargraten送信所、1kW、無指向性)欧州西部向ポルトガル語。(SRSB 12/7)
同局のHP https://ondaasbl.wixsite.com/english/shortwave
によると1月初めより5940kHzで放送を開始したとのことです。
◎HCJB 6050kHzはFM中継のみに ~インターネット回線途絶
QuitoのHCJBからのメールによると、現地時間の12月7日にPichincha送信所へのインターネット回線が途絶した。6050kHzの送信用のコンテンツはすべてインターネット回線経由となっていた。現在同送信所で受信できるのはStudio
Transmitter Linkによって送られているFM放送「Radio HCJB」のみであるため、14:30から開始する6050kHzの番組は現在Radio
HCJBの番組(スペイン語)となっている。(WWDXC TP 1408)
◎Global Radio Guide 2019-2020冬版発行
Gayle Van Horn氏が毎年2回発行している「Global Radio Guide」の2019-2020冬版が発行された。今回の特集は「The
Battle of the Airwaves in Cuba」、B19の英語放送スケジュールを中心にDRMやradiogramもカバーしている。Teak
Publishing社刊で、AmazonのKindle版として提供される。価格は$8.80。(WWDXC TP 1408)
◎Radio Free Asia「子年」QSL発行
Radio Free Asia(RFA)は子年(Year of
Rat)のQSLカードを発行する。旧暦では新しい子年は2020年1月25日~2021年2月11日である。ネズミは十二支の最初の動物で、子年生まれの人は野心的で注意深く勤勉で社交的であると言われている。また本能に従って集中的に動くのでビジネスに向いているともされる。子年QSLカードはRFA
として72回目のQSLカードである。発行は2020年1月~4月の受信報告に対して行われる。受信報告はhttp://techweb.rfa.org上から送るかE-mailでqsl
@ rfa.org、郵送ではReception Reports, Radio Free Asia, 2025 M. Street NW,
Suite 300,
Washington DC 20036, USAへ。(RFA Andrew "A.J"
Janitschek氏)英語では子年のネズミはratのようです。ratは野ネズミのような大きなネズミ、mouseはハツカネズミのような小さなネズミを示すとのことです。
Year of RatのQSL
◎Klingenfuss2020年版出版物出揃う
ドイツのKlingenfuss
Publicationsより12月6日以下の2020年版出版物が発行された。短波放送局及びユーティリティー局は2019年11月15日現在の情報が記載されている。
2020 Super Frequency List on
CD: 世界の短波放送局4,478波(DRM62波を含む)、ユーティリティー局9,067波、ユーティリティー局の旧使用波28,333波を収録したデーターベースCD、付録として930語の略語辞書、920のデジタルスクリーン画面ショット、英語・ドイツ語のWindows検索ソフトが付属。価格送料共€30。
2020 Shortwave Frequency
Guide: 世界の短波放送局4,478波について、周波数別リスト、国別局別リスト、DRM放送スケジュール表、加えてユーティリティー局9,067波の周波数リストと略語表を掲載。A4版350ページ。価格送料共€40。
2020 Frequency Database for the PERSEUS Software-Defined
Receiver: Perseus受信機用のユーザー定義リスト。放送局・ユーティリティー局13,545波(短波放送局4,478波+ユーティリティー局9,072波)分を掲載。CDにて提供。ユーティリティー局のコールサインも表示される。価格送料共€50。
1997-2020 Digital Data Decoder Screenshots on USB
Stick: 1967年~2019年に収集された18,200のデジタル画面スクリーンショット(fax画面を含む)を収録したUSBメモリ。価格送料共€210。価格€210。
Supplement January 2020 to the 2019/2020 Guide to Utility Radio
Stations: 2019年末に発行された「2019/2020 Guide to Utility Radio
Stations」(価格送料共€50)の追補版で、新たにユーティリティー局700波以上の追加情報を掲載。A4版23ページ。pdf形式。下記のHPから無料でダウンロードが可能。
組み合わせて購入すると割引が行われる。価格の詳細やサンプルはhttp://www.klingenfuss.orgを参照のこと。注文は同webサイトから注文用紙をダウンロードしKlingenfuss Publications,
Klingenfuss Radio Monitoring,
Hagenloher Str. 14,
72070 Tuebingen,
Germanyに送付するか+49 7071 600849へFAXで送付する。クレジットカード使用可。問合せはinfo @
klingenfuss.orgへ。(Klingenfuss Publications)
◎DXLD yahoogroupが「WOR IO GROUP」に移転 ~DXLDの発行は中止も?
米国のGlenn Hauser氏によると、同氏が主催するDXLD
yahoogroupはYahooの政策変更のため1月には削除されるため、過去の書き込みも含めてすべてhttps://groups.io/g/WORに移転する。なおこのサイトでは既に「DXLD」というグループ名が使用されているため名称は「WOR IO
GROUP」となる。今後はこのグループに書き込みが可能となる。利用するにはID、パスワードを新たに設定する必要がある。なお情報量の増大で「DX
Listening Digest」の発行や(Glenn Hauser氏への)E-mailでの情報受付を今後行わないことを検討している。(DXLD 1944) DX Listening Digestは10月末の1944で発行が止まっています。
◎Radio Cook Islandsの630kHz復活続報
ニュージーランドのDan Goldfarb氏が得たクック諸島のハムからの情報では、2019年10月18日より復活したRadio Cook
Islandsの630kHzの送信機は、予備用に準備してあったNautel社製1kW送信機で、送信アンテナはMarconi社製T型アンテナが使用
されている。なお送信機はフルパワーでは運用されていない(500W位と思われる)模様である。送信機とアンテナのフィーダーは25mのマストで中継されている。(DXLD 1944)
◎OCB Radio Martíは一部TV Martíと同時放送に
米国のGlenn Hauser氏によると、OCB Radio MartiはTV
Martíの音声部分の中継を一部の放送で実施している。B19スケジュールでは火-土曜の08:00-13:00に6125kHz(Greenville
送信所、250kW、174度)で行われる。(DXLD 1944)
◎Radio Luxembourgの歴史
Richard Gedve氏によると、RTL GroupはRadio Luxembourgの歴史を記述した「Always Close to
the
Audience」(124ページ)を無料で公開している。http://www.rtlgroup.com
/alwaysclosetotheaudience/history.htmlからpdf形式でダウンロードできる。(DXLD 1944)
◎2019 IRCA CONVENTION報告
IRCA DX Monitor 11/2号上でのBruce Portzer氏の報告によると、2019 IRCA
CONVENTIONは2019年9月6日・7日に米国ワシントン州TukwilaのMarriott
Courtyardにて開催された。参加者は27名で、遠くはペンシルバニア、フロリダ、メリーランドから、日本からはTDXC(戸塚DXers
Circle)の中川弘夫氏、宮内聰氏が参加した。非公式会合は9月5日の午後から始まり、航空博物館(Museum of
Flight)を訪れたり、ロビーでDXingの話題に興じたりした。6日から始まった公式会合ではまずKTTH局のJason
Antebi氏の案内でKIRO局、KTTH局、KNHC局を訪問し技術者や経営者と歓談した。KNHC局(FM)はNathan
Hale高校にあるSeattle School
Districtが運営する学校コミュニティー局である。その後ホテルに戻り、夕食後技術討論第1ラウンドを行った。まず放送技術顧問として有名な
Ben
Dawson氏により、同氏が建設に関わったタイ(1575kHz)、アフガニスタン、アルメニア、キプロスの送信所におけるアンテナシステムの講演があり、その後Nick Hall-Patch氏による「極地をまたぐDXingの年変化」、中川・宮内両氏による「日本におけるDXing」、Tom
Rothlisberger氏による「Rockworks' Greatest
hits」の発表が行われた。翌日7日午前には技術討論第2ラウンドに入り、Gary
DeBock氏による「革新的なフェライトバーアンテナ」、Bill Whitacre氏・Nick
Hall-Patch氏による複数アンテナの位相合わせに関する講演が行われた。同日午後にはNick Hall-Patch、Guy
Atkins、Gary DeBock氏によるアンテナ、アンテナの位相合わせの実演が行われた。夕刻にはClaim
Jumperレストランで晩餐会が開催された。また相互オークションでラジオ受信機、ラジオに関する本、コーヒーカップ、試験機器などが交換された。
8日朝には大部分のメンバーが帰路についたが、残った一部メンバーはGraylandに向い3日間にわたるDXingの実践を行った。その結果アジアやオ
セアニアの中波局に関して成果をあげた。(DXLD 1944) 2020年にはカリフォルニア州Anaheimでの開催が決まっています。
Gary DeBock氏らによるInnovative Ferrite Antennaの講演風景(https://www.youtube.com/watch?v=MJYhFLa9pk8より)
◎旧ソ連リモコン型ラジオの記事
ロシアのAndrey
Molokov氏によると、旧ソ連で1957年に開催された「世界若者の祭典」を記念して、同国で初めて製作された真空管式のリモコンラジオ受信機 「ФЕСТИВАЛЬ」に関する記事が https://zen.yandex.ru
/medi/id/5c43064986e43c00ad249399/radiopriemniki-sssr-revoliucionnyi-festival-s-pultom-du-5cc6f730a8ac8300b34912ffに掲載されている。(DXLD 1944)
同受信機の広告(上記URLより)
◎Pacific Asian Log最新号発行
◎オーストラリアABCがRadio Australiaに関する記事を掲載
Radio Australiaに関する記事「Australia Calling: A look at 80 years of Radio Australia and ABC international broadcasting」(ラジオ・オーストラリアの80年)がオーストラリアABCのwebサイトにニュースとして2019年12月16日に掲載された。https://www.abc.net.au/news/2019-12-16/abc-celebrating-80-years-of-international-broadcasting/11783252。執筆者はMichael Vincent氏とMichael Walsh氏。(WORIG 12/16) 中国語版、インドネシア語版もあります。現在のABCはRadio Australiaを否定する立場ですが、どちらかと言えば肯定的な立場で書かれているようです。
◎サイクル25に関するNOAA/NASAの発表
英国のRSGBによると、米国NOAA/NASAは来るべき「サイクル25」について次のように発表した。太陽黒点数最小期は12月現在も続いており、2020年4月±6カ月の時期まで続くと考えられる。来るべきサイクル25の規模はサイクル24と同程度で、2025年7月±8カ月の時期に太陽活動が最大となり、その時の相対太陽黒点数は115と推測される、これはサイクル24の実績(2014年8月に82となった)とほぼ同等である。2020年4月にサイクル25が始まる場合、サイクル24は11.4年続いたことになり、これは過去7位の長さとなる。なお他で言われていた「太陽黒点数最小期」(Maundar-type minimum)についての言及はなかった。(WORIG 12/13)
◎サイクル25が始まった!
英国のMike Terry氏によれば、米国NASAのSolar Dynamics Observatoryは12月24日に2個の新たな太陽黒点を観測した。これはサイクル25の始まりと解釈できる。詳細は https://spaceweatherarchive.com/2019/12/25/reversed-polarity-sunspots-appear-on-the-sun/を参照のこと。言われている太陽黒点極小期の始まりかどうかは見えていない。順調に推移すれば2025年7月頃にピークとなる。
(WORIG 12/27)
◎「2019年アルバニア地震」の影響でCRI中継停波か?
米国のGlenn Hauser氏によれば11月26日にアルバニアで発生した大地震の影響か、Cerrik送信所で中継されているCRIの放送が出ていない。この件について、Radio Tiranaの旧聴取者係(2018年に退職した)Drita Cicoさんに連絡をとり、TiranaにあるCRI支局に電話してもらったところ「技術的な問題で停波中」とだけ返答があり、地震の影響や回復時期についての回答は得られなかった。(WWDXC TP 1409) 「2019年アルバニア地震」は2019年11月26日にアルバニア中部で起きたマグニチュード6.4の大地震で51名の死者が出ました。日本ではあまり報道されていないようです。
◎CHUの7850kHz復活
カナダのRichard Langley氏によると、同国の時報局CHUの7850kHzは送信機の不具合で停波中であったが、12月17日より復活した。同局を管理するNRCの発表では、予備送信機を修理して送信を再開したが出力は1kWである。本来の公称出力は10kWで、停波する直前には5kWに減力していた。(WWDXC TP 1409)
◎Denge Welat最新スケジュール
クルド秘密局Denge Welatの最新スケジュールは以下の通り。西アジア向クルド語。
12:30-14:59 7360 Issoudun 250kW 90度
15:00-17:00 11530 Grigoriopol 300kW 130度
17:00-21:00 13730 Grigoriopol 300kW 130度
21:00-24:00 11530 Grigoriopol 300kW 130度
00:00-01:59 11530 Issoudun 250kW 90度
01:00-04:59 9525 Issoudun 250kW 90度
05:00-07:00 9525 Grigoriopol 300kW 116度
(SRSB 12/19-21)
◎旧「太平洋放送局」の非公式web
ロシアのAndrey Molokov氏によると、Vladivostokから1963-2001年及び2005-2008年に中波810kHz、短波12065、17590、9765、5960、7330kHzなど、FM66.0MHzで太平洋及びインド様を航行する旧ソ連やロシアの船舶向に行われていた「太平洋放送」(Радиостанция «ТИХИЙ ОКЕАН» )についての資料をまとめた非公式URL http://oceandx.narod.ru/が開設されている。(DXLD 1944)
◎Adventist World RadioのQSLはタイから
インドのJose Jacob氏がAWR Wavescanの発表として伝えたところによると、Adventist World Radioの受信報告先(QSLアドレス)が、米国Silver Springのアドレスから、Box 234 Prakanong, Bangkok, Thailand 10110に変更された。E-mailの場合はqsl @ awr.orgである。(WORIG 12/22)
◎Amhara State RadioからeQSL
カナダのEdward Kusalik氏によると、エチオピアのAmhara State Radio(6090kHz)はE-mailによる受信報告後4時間でeQSLを送ってきた。宛先はAmhara Mass MediaのManagerであるDereje Mogas Tdesse氏(deremo03 @ gmail.com)である。(WWDXC TP 1410)
◎HCJB「BCL新春対談」を放送
HCJB日本語放送は去る12月7日の「BCLの日」放送(JSWC尾原栄氏による「令和BCLマニュアル」編集者の電波新聞社大橋太郎氏、太田孝哉氏 へのインタビュー)に続き、1月4日(土)に「BCL新春対談」(JSWC大武逞伯氏と赤林隆仁氏の対談)を放送する。番組では最近のBCL界の傾向について展望する。JSWC(日本短波クラブ)ではこの番組の受信報告に対してクラブQSL(2020年の子年デザイン)を発行する。eQSL希望の場合は jswcqsl @ live.jp、紙のQSL送付希望の場合は〒248-8691 鎌倉郵便局私書箱44号JSWC QSL係宛にSASE(84円の返信切手を貼った住所記入済の封筒)と経費分として84円切手1枚を同封して送付する。 (JSWC 大武逞伯氏) 07:30-08:00 15410 20:00-20:30 11905kHz。
出典の略称
DXLD: DX Listening Digest
WORIG : World of Radio io group
SRSB: Shortwave Reception from Sofia Bulgaria
WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
WRTH: World Radio TV Handbook
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