月刊短波2020年2月号(第5版)
編集 赤林隆仁 時間 JST
◎Atlantic 2000が2/22に放送 5版新規
スペインのManuel Méndez氏によれば、フランスの旧海賊局Atlantic
2000が来る2月22日(土)に2時間の特別放送を行う。スケジュールは以下の通り。
18:00-19:00 Channel 292 (6070
7440kHz)
19:00-20:00 オンライン
(http://radioatlantic2000.free.fr)
詳しく記述された受信報告にはeQSLを発行する。宛先はatlantic2000international @ gmail.com。なおpodcastはhttps://www.mixcloud.com/atlantic2000上にある。
(WORIG 2/19)
◎2325kHzにオーストラリア新局出現 4版新規
米国のGlenn
Hauser氏によれば、オーストラリアABC-Tennant
Creekがかって使用していた2325kHzに新たなオーストラリア局が出現した。2月5日に同国Craig Seager氏からきた情報では、開局したのはWee
Waaにある「Switch 95.9」で、ARDXC会員のPater
Tate氏が送信しているという。2月5日現在21:00頃に受信されている。出力は100W。Wee WaaはNew South Wales州のNew
England地方の北西部にある町で、Sydneyからは北西571kmの地点にある。人口は1,653人で、その21%はアボリジニとトレス海峡諸島原住民(Torres
Strait Islander)である。
オーストラリアのRoger氏によると、同局のURLはhttps://switchwebcast.com/、Facebookはhttps://www.facebook.com/pg/FmSwitch/about/?ref=page_internalである。短波2325kHzと同時に「FM
ROMA」の名称でQueensland州RomaよりFM95.9MHzでも放送している。90年代から最新のヒットミュージックを24時間放送している。「Switch
95.9」はインターネット放送「Switch Webcast」とともにQueensland州RomaにあるRadio Broadcast
Stream社の配下にあり、2019年よりサービスを開始した。(WORIG 2/9) Facebookによると、同局の電話は+61 1800 646
376、E-mailはinfo @ switch959fm.comです。webcastはhttp://www.xrn.com/au上で行われています。
◎WRTH2020 B19 International Update発行 3版新規
World RadioTV
Handbook(WRTH)は2月7日、国際放送B19スケジュールの第1回updateを発表した。WRTHのHP(http://www.wrth.com)より「WRTH2020
International Radio Supplement 1」(pdf形式)を無料でダウンロードできる。(WRTH)
◎Radio
MartíがGreenvilleよりDRM試験送信 3版新規
フィンランドのMauno
Ritola氏によると、USAGMは2月5日より、Greenville送信所よりRadio
Martí(キューバ向スペイン語)のDRM試験放送を開始した。スケジュールは02:00-11:00 7345kHz(50kW 184度)である。(WRTH FB
2/5) Radio Martíは2014年にもDRM試験送信を行ったことがありました。
◎Winter SWL Fest最新情報 3版新規
米国のJohn A. Figliozzi氏によると、同氏が主催者の一人である、2月27-29日に米国Plymouth
Meetingで例年通り開催予定のWinter SWL
Festについての最新情報(キーノートスピーチの予定、抽選会の商品など)がhttp://selfest.comに掲載されたので参加予定者は参照して欲しい。なお現在2月27日現地時間13:00からの講演時間は空いているので、希望者はjfiglio1@nycap.rr.comの同氏に連絡して欲しい。(WRTH
FB 2/6)
◎TWR-Indiaがスケジュール変更 2版新規
Trans
World
Radio-Indiaは1月末よりYerevan中継のスケジュールを変更した。周波数は7550kHzから9300kHz(300kW、100度)に変更された。新スケジュールは以下の通りである。
毎日 22:15-22:45 ヒンズー語及びインド諸語
月-金 22:45-23:20 ヒンズー語
月-金 23:20-23:25 英語
土・日 22:45-23:15 ヒンズー語
土・日 23:15-23:45 英語
(SRSB
2/1-2)
◎Kiwi SDRにDRMデコーディング機能内蔵 2版新規
Kiwi SDRは2019年末にOpen
WebRXにDRMデコーディング機能を追加した。この機能はDREAM2.1.1を基本としたものである。Kiwi
SDRを稼働させている現在のBeagleBoneコンピュータの能力上DRMデコーディング機能を利用できるのは1台につき1ユーザーだけである。これは今後改善される見込みがある。(RTL-SDR.COM
2019/12/27) 元記事はhttps://www.rtl-sdr.com/kiwisdr-now-supports-drm-decoding/。DRM放送を行っている局のリストも表示されます。
(左)再生モードにDRMが追加された (右)DRM再生画面 局名が表示されている
◎HFCC A20周波数調整会議開催場所・日程を変更 ~新型コロナウィルスの影響? 2版新規
米国のGlenn
Hauser氏がWRMI社長のJeff
White氏から受け取った情報によると、HFCCのA20周波数調整会議は2月10-14日に中国海南省海口市で開催の予定であったが、2月2日に開催場所と日程の変更が発表された。変更先はマレーシアKuala
Lumpurで、日程は2月24-28日となる。(WWDXC TP 1414) 理由は明らかにされていませんが、新型コロナウィルスの影響と考えられます。この件に関するABU(アジア放送連合)の発表はhttps://www.abu.org.my/eventer/a20/を参照のこと。
◎Iran International TV情報
ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、イラン向秘密局Iran International TVの音声は年末現在以下のスケジュールで放送されている。言語はペルシャ語。送信地はYerevan、出力100kW、送信方向は100度である。
13:00-21:00 11570
21:00-13:00 6270
NZ DX Times1月号が伝えたところでは、同局は衛星経由でイラン向にTV放送を行っている。同局を所有しているのは英国のVolant
Media UK Ltdで、Global Media Circulating
Ltdの名称で英国におけるニュース配信の免許を得ている。本拠地はロンドンである。放送の開始は2017年5月18日。実際に運営を任されているのはDMA Media
Ltdで、パリ、イスタンブール、カブール、ワシントンにも支局がある。出資元はサウジアラビアで、王室との関係が強いと言われている。
(WWDXC TP 1411)
◎エクアドル放送局リスト
米国のDon Moore氏によると、2018年版エクアドル放送局リスト(Excel形式)がエクアドル通信省(Ministerio de Telecomunicaciones)のサイト上で公開されている。
http://www.arcotel.gob.ec/informacion-al-ciudadano2/。(WWDXC TP 1411)
◎TDFの送信スケジュール
フランスのGaetan
Teyssonneau氏によると、同国TDFのB19短波送信スケジュールが公開されている。英語版はhttps://www.tdf.fr/sites/default/files/TDF_ShortWaves_B19_transmission_schedule_november2019_0.pdfよりダウンロードできる。
(WWDXC TP 1411)
◎Europe1送信終了
カナダのRichard
Langley氏によると、183kHzでSaarlandより送信されていたEurope1が現地時間の2019年12月31日23:59(日本時間
2020年1月1日07:59)に送信を終了し、約65年の歴史を閉じた。最後の送信部分の音声はhttps://shortwavearchive.com/archive/europe-1-longwave-end-of-broadcasting-december-31-2019で聴くことができる。(WWDXC TP 1411)
終了後はインターネット放送となり、https://www.europe1.fr/で聴くことができる
◎AIR-Aizawl短波復活
米国のRon Howard氏によると、過去数年間聞こえていなかったAIR-Aizawl
5050kHzが新年になってから20:00時過ぎに受信できた。Beibu Bay
Radioの混信を受けながらも20:35にはIDが英語で出た。(WWDXC TP 1411)
◎キルギスBirinch Radio情報
ロシアのDmitry Kutuzov氏によればキルギスBirinch Radioのロシア語放送は以下の様に行われている。
第一放送 612kHz 100kW (Krasnaya Rechka送信所): 日 11:15-11:30 土
11:50-12:30 月-金 12:35-12:30 火・水 13:35-13:45 月・水・木
13:45-13:55 土 14:05-14:45 月-水 14:35-15:00 土
14:05-14:45 月-金 14:35-15:00 月ー金 15:20-16:00 土
15:20-16:00 月ー金 16:30-17:00 月ー金 19:00-19:05 日
19:25-19:35 日 19:45-20:00 日 20:05-20:10 土 20:20-20:30
月-金 20:30-21:00 土 20:50-21:00
4010kHz 612kHz放送の中継 50kW (Krasnaya Rechka送信所): 月-金
21::30-22:00 土 22:20-23:00 土 00:20-00:30 金
01:48-02:00 火-土 02:28-02:58
(WWDXC TP 1411) 聴取者も覚えられないような細かいスケジュールです。なお612kHzでは他にTrans World Radioのロシア語放送も中継されています。
◎中央人民広播電台がマカオ上陸を計画
中国の中央人民広播電台は「大湾区之声」放送をマカオから直接送信する計画で、2019年12月に必要な機材の入札と調達を完了した。但しマカオ政庁はまだ同意していない。とりあえず対岸の広東省珠海市にある珠海広播電視台の船底山送信所に1kWのFM送信機を設置した。使用する周波数はまだ発表されていない。
2019年末現在「大湾区之声」放送を送信しているのは以下の送信所である。
佛山 FM93.2MHz
広州 FM98.0MHz
中山(五桂山) FM101.2MHz
珠海 AM1215kHz
(Cahcn的自留地 12/19)
「大湾区之声」のロゴ
◎Shortwave Radiogram最新スケジュール
Roger氏によると、Shortwave Radiogramの最新スケジュールは次の通り。
WINB局 金 09:30-10:00 9265 土 00:00-00:30 13690(DRMモード) 土 12:30-13:00 9265
WRMI局 金 22:00-22:30 15770 土 12:30-13:00
15770 土 17:00-17:30 5850 7730 月 08:30-09:00 7780
(WORIG 1/9)
◎最初のハノイ放送局跡取り壊しか
ドイツのHansjoerg
Biener博士によると、ベトナム・ハノイに残っていた最初の放送局の建物が開発の波で取り壊しの危機に瀕している。ハノイのDai
La通に残るフランス風の建物で、建国の父ホーチミンが1945年9月に独立宣言を行った建物である。Voice of
Vietnam放送局は独立宣言の5日後にこの建物の1階から放送を開始した。原記事はhttps://www.abu.org.my/2019/12/30/hanoi-to-demolish-iconic-radio-station/、建物のスケッチはhttps://vietnamnet.vn/en/entertainment-sports/historical-radio-station-sketched-by-hanoi-urban-artists-606529.htmlを参照のこと。(WORIG 1/9) この放送局はRadio Bach
Maiと呼ばれました。 https://e.vnexpress.net/news/life/trend/hanoi-to-pull-plug-on-iconic-radio-station-4032549.htmlに現在の写真が掲載されています。
◎Radio Prague Internationalが2020年版QSLカードシリーズ発表
チェコのRadio Prague
Internationalは2020年版の8種類のQSLカードを発表した。今年のテーマは放送局の設備で、各送信所の由緒ある送信鉄塔など歴史ファンにも興味のある内容である。詳しくはhttps://www.radio.cz/de/rubrik/forum/qsl-karten-2020-sendemasten-in-tschechienを参照聴取のこと。(WORIG 1/9)
QSLカードはインターネット放送の受信に関しても発行されます。
◎Tropical Band Monitor発行
DSWCIのAnker Petersen氏によると、2019年のトロピカルバンドでの受信成果をまとめた「Tropical Band
Monitor
2019」が発行された。以下のURLより無料でダウンロード可能である。http://dswci.org/tbmonitor/2019.pdf。
(WORIG 1/6)
◎Voice of Maldivesが新送信所より中波送信
Arctic Radio Club(ARC)の会誌mv-eko 1/13によると、Voice of Maldives(Dhivehi
Raajjeyge
Adu)は2019年末に新送信所を完成し1449kHzで放送を再開した模様である。1月8日にARC会員が北極地方に設置のリモートSDRで確認した。局からの返信では試験送信を開始したばかりと言うことである。同局はMaleにあった送信所を廃止し、Thilafushi島に新たな送信所を建設していた。新送信所の位置は北緯4度10分58秒、東経73度25分45秒である。出力は25kW。新送信機はDRM対応可能で、本放送時はDRMサービスも行うとのことである。(WORIG 1/13)
スリランカのSarath Weerakoon氏によると、新送信機はNautel社製、アンテナチューナーはオーストラリアRFS社製であり、アンテナマストはスリランカのTantri社によって建設された。(WWDXC TP 1412)
◎EDXC2020はルーマニアのBucharestで開催
BDXCによると、2020年のEuropean DX
Council(EDXC)会議は来る9月10日~13日にルーマニアBucharestのParliament
Hotel(https://www.parliament-hotel.ro/en/)で開催される。ホテル宿泊料は1泊朝食付で、ツインルームが
€75、シングルルームが€60である。9月11日午前中にはRadio Romania
Internationalの見学を予定している。また晩餐会は9月12日の夜に行われる。なお終了後の9月14日には€65でBrasovへの日帰り
観光が予定されている。(WORIG 1/13)
EDXC2020の会場となるParliament Hotel(★4)
◎Europe1の終了に関するオーナーからのメッセージ
フランスのChristian
Ghibaudo氏によると、183kHzの長波大電力放送を2019年12月31日に終了したEurope1のオーナーであるフランスのLagardere
Newsは、終了にあたり次のようなメッセージを発表した。Europe1が12月31日で長波放送を打ち切る理由は、リスナーの受信習慣が変化したことと、デジタルメディアの利用が増加したことによる。番組のコンテンツとイノベーションを重視する立場からはこういう選択を行わざるを得なかった。また環境保護の上からも電力を消費する長波放送を続けることはできないと判断した。(WWDXC TP 1412)
◎KTWRが送信縮小
ドイツのHansjoerg
Biener博士によると、2020年1月8日でGuamのKTWRからの送信の内、中国、モンゴル、ベトナム向の放送及び英語放送が停止されることになった。詳しくはhttp://hfcc.org/data/schedbybrc.php?seas=B19&broadc=TWRを参照のこと。(WWDXC TP 1412)
◎FEBC韓国からeQSL
ロシアのVladimir
Kovalenko氏によると、FEBC韓国はHLAZ(1566kHz)の受信に対してeQSLを発行した。発行者はManager of
International RelationsのKim Chung Soo氏で、E-mailはchungsookorea @
gmail.comである。(WWDXC TP 1412)
◎HCJB 「DX Party Line」のアーカイブ公開
英国のRichard Langley氏によると、エクアドルHCJBの人気DX番組であった「DX Party Line」の1994年6月26日のサウンドアーカイブが以下のサイトで公開されている。
https://shortwavearchive.com/archive/hcjb-the-voice-of-the-andes-june-26-1994
https://archive.org/details/hcjb9.745mhz26june19940300utc
(WORIG 1/15)
◎KNLSロシア責任者に聞く
ロシアのAnatoly Klepov氏によると、2019年11月に米国KNLS/MWV (World Christian
Broadcasting)のロシア語責任者Konstantin
Chernushenko氏がモスクワを訪れ、ロシアのリスナーと懇談した。その時に話された内容は概ね以下の通りであった。
①ロシア語短波放送受信者の傾向について; 1990年代初めのソ連時代をピークにロシア語短波放送受信者はずっと下降傾向である。2年前に
Madagascarからの送信も開始しその中でもロシア語放送があるが、短波よりもインターネットで聴く人が増えていることは確かである。
②ロシアのリスナーからの手紙は?; 現在リスナーからのメッセージは90-95%がメールで来る。数は月に十数通にすぎない。1990年代からキリスト教関連の資料要求が多かったが、現在は受信報告によるQSL請求が多く、番組内容に対する批判もわずかながら来る。聖書を欲しい人はまだいるだろう
が、現在は自由に入手できるため大半はすでに持っている。St.Petersburgにある支局ではキリスト教の授業を行っているが、その関連でも手紙が来る。
③ロシア語短波放送は将来インターネットに切り替えるのか?; 期日は決まっていないがそう考えている。但し短波放送用番組配信システムからインターネットに切り替えるのはmp3形式への変換等結構大変なことである。そのための資金や設備も必要なのですぐにはできない。
④どうしてインターネット放送にしたいのか?; 費用の問題である。短波放送にはカネがかかり過ぎる。Madagascar送信所では電力も専用のディーセル発電所から供給しなければならず、そのための費用が日々発生していて大変である。アラスカの送信所は電力会社からの供給を受けているのでそれほどではないが。
⑤リスナーはどういう人々か?; 年齢は40歳代以上が大半だが、若いリスナーも10%位はいる。これはロシア語放送に限ったことではない。なお日本や中国から手紙を出してくるリスナーの年齢は60歳代以上が多い。
⑥日本については?; 日本は短波受信が普通である特異な国だ。2019年初めに日本に行ったが、アマチュア無線連盟も短波受信に積極的であった。日本では趣味としての短波受信が確立しており、高年齢世代から若い人へ趣味を伝達する仕組みができているからだと思われる。
⑦ロシア語放送の将来は?; 20世紀末には5人の専任スタッフがいたが、現在は2人の専任者と1人の技術責任者がおり、財政的にも当面は大丈夫である。
⑧米国の政治状況との関連について; 米国のキリスト教はどちらかというと保守的であるため、リベラル派が台頭(カリフォルニア、アリゾナ、
ワシントン州など西海岸地域で顕著)すると教会への寄付が減るという傾向がある。その場合、教会や信者からの寄付のみで運営しているキリスト教放送局には影響があるものの、当放送局に関しては米国の政治状況の影響は大きくはない。但し米国でもキリスト教信者の数は減少しており、100年前と比べれば熱心な信者の数は少ない。そういう意味では米国とロシアの間の宗教上の溝は小さくなってきたとも言えるのだが。
⑧eQSLは発行しないのか?; 紙のQSLカードを作成する予算は十分にあり、紙のカードの方が好まれるので、現在のところ考えていない。但しeQSLを敢えて要求するリスナーやQSL不要を宣言するリスナーもおり、要求に沿うようにはしている。
⑨Madagascar局からの直接返信は行わないのか?; Madagascarは遠いし航空運賃もかかり、自分もまだ行ったことがない位で当面考えていない。
⑩どこから受信報告が来るか・どんな情報を望むか?; 受信報告が多く来る国は、ロシア、フィンランド、ドイツ、イタリア、ブルガリア、チェコ、ポーランド、インド、カザフスタンである。内容は受信状況でも感想でも何でも良い。世界中に放送しているので、電波がどこに届いているかを知るのが第一義である。
(WWDXC TP 1412)
米国PortlandでのKonstantin Chernushenko氏(YouTubeより)
◎ロシアが黒海で妨害電波とウクライナが提訴
RUS DX
1/19によると、ウクライナとジョージアはロシアが黒海、その奥のアゾフ海、黒海とアゾフ海をつなぐケルチ海峡において、違法な妨害電波を発射して航行安全活動を妨害しているとして国際海事機関(IMO:International Maritime
Organization)に提訴した。詳しい内容は発表されていないが、ロシアがNovorossiysk局から違法なNAVTEX電波を発射し、ウクライナのBerdyansk局のNAVTEX電波に混信を与え、航行の安全を妨害しているということのようである。ウクライナはこの海域でのロシアの違法電波発射に対して繰り返しロシアを非難しており、米国やEUもそれを支持している。(WORIG
1/19) NAVTEXは航行安全情報を中波帯などの無線FAXで船舶に通報する仕組みで、通常は518kHzが使用されます。混信を防止するために
NAVTEX海域が定められており、その域内でサービスを行うことになっています。ロシアはアゾフ海、ケルチ海峡、その外側の黒海は自国の領海という立場でNovorossiysk局のNAVTEX海域は周辺270海里としています。Berdyansk局はNovorossiysk局の北方のアゾフ海沿岸にあり、ロシアが宣言したサービスエリア内に含まれてしまいます。
ロシアの国営港湾管理会社ROSMORPORTのHPに掲載のNovorossiysk局のNAVTEX海域
右上の
アゾフ海は完全に含まれている
◎公開リストからリモートKiwi SDRを使う方法
ドイツのBjarne Mjelde氏によれば、http://sdr.huからリモートKiwi
SDRを使う場合にアマチュア無線のコールが必要となったことが物議をかもしているが、http://kiwisdr.com/public/にアクセスし、公開されているKiwi SDRを選択すれば従来通りに使用できる。(WORIG 1/22) SDR Mapがうまく表示されませんが、ログインなしで使用することができます。
◎世界ラジオデー
英国のMike Terry氏によると、来る2月13日(木)はUNESCO主催の第9回の世界ラジオデー(World Radio
Day:WRD)。世界中の人々がラジオを通じて生活を豊かにすることを目的とした日である。詳しくはhttps://en.unesco.org
/commemorations/worldradiodayを参照のこと。(WORIG 1/22)
同ページでは「WRD2020 CELEBRATION KIT」をダウンロードできます。
◎中国之声DRM放送周波数一部変更
1月20日より中国の中央人民広播電台DRM試験放送の周波数の内昆明局が使用していた17800kHzが13810kHzに変更された。また同局から15180kHzで行われていた放送の一部も13810kHzに変更された。改変された昆明局のスケジュール(出力30kW、32度)は以下の通りで
ある。
10:00-13:00 15180 (17800より変更)
13:00-20:00 13180(15810より変更)
DRM試験放送全体のスケジュールはhttps://cahcn.github.io/drm/を参照のこと。
(Cahcn的自留地 1/19)
◎ロシア極東唯一の中波局
RUS DX 1/26によると、ロシア極東唯一の中波局Radio Vostok Russi各局は以下の通り放送している。放送時間は06:00-21:00、周波数はすべて同じ765kHz、放送ビームはハバロフスク地方を向いている。
5 kW / Berezovy
5 kW / Bikin
5 kW / Bogorodskoye
5 kW / Vyazemsky
5 kW / De-Castries
20 kW / Komsomolsk-na-Amur
5 kW / Krasnoe
5 kW / Sovetskaya Gavan
5 kW / Troitskoe
20 kW / Khabarovsk
5 kW / Zimmermanovka
5 kW / Chegdomyn
5 kW / Yagodny
(WORIG 1/26) 東京ではYBSの混信の下で聞こえており、「Khabarovsk」のアナウンスが出ますが、放送はKomsomolsk-na-Amurからの可能性もあります。各局がすべて同じ番組を流しているのかは不明。
◎Radio Baltic Wavesの新スケジュール
ロシアのDmitry Kutuzov氏によれば、リトアニアのRadio Baltic Wavesは1月1日以降次のスケジュールで各国の放送を中継している。周波数は1386kHz、出力は75kW。
12:30-13:00 NHK World Japan ロシア語
13:00-14:30 Radio Poland 13:00 ベラルシ語 14:00 ウクライナ語
21:30-23:00 Radio Poland 21:30 ドイツ語 22:00 英語
01:30-02:30 Radio Poland 01:30 ポーランド語 02:00 ロシア語
02:30-03:00 NHK World Japan ロシア語
03:00-06:00 RFE/RL ロシア語
(WWDXC TP 1413) Radio Polandの海外放送はこの周波数とドイツKall送信所からの短波周波数で残存しています。
◎Radio OndaがQSLカード発行
イタリアのRoberto Pavanello氏によると、新しくオランダのBorculoから5940kHzで放送を開始したRadio
OndaはE-mail(宛先ondaasbl @
hotmail.com)による受信報告に対してQSLカードを送って来た。同局の正式QTHはRadio Onda, Stevens Delammoy
22, 1020 Bruxelles, Belgiumである。英国のAlan Pennington氏によれば、同局はASBL
Ondaの経営によるもので、欧州でブラジル文化を広める目的でポルトガル語放送を行っている。放送内容はブラジル音楽の他、1980年代・70年代の欧米ヒット曲、フランス音楽等である。短波放送の他ベルギーのBruxellesではDAB+でも放送中である。(WWDXC TP 1413)
◎RNZPが100kW送信開始30周年
New Zealand Radio DX LeagueのBryan Clark氏によると、Radio New Zealand
Pacific(RNZP、旧RNZI)は1990年1月27日に太平洋向に100kW短波送信を開始してから30周年を迎えた。Radio New
Zealand自体は1948年から短波放送を行っているが当初は7.5kWと小規模で、1990年になって100kW短波送信所を新設しRadio
New Zealand
Internationalの名称で本格的海外放送を開始した。30周年に関する記事や放送の録音が同局HPの1月27日版に掲載されている。原記事はhttps://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/408067/celebrating-30-years-of-broadcasting-in-the-pacific?utm_source=Soundwaves&
utm_campaign=eed08d8631-SoundwavesCOPY_01&utm_medium=email&
utm_term=0_c9c395d2d7-eed08d8631-826595を参照のこと。(WWDXC TP 1413)
◎Radio TarmaがeQSL発行
英国のAlan Pennington氏によると、ペルーのRadio
Tarma(コール0CX4E、4775kHz)はmp3録音添付のE-mailによる受信報告(スペイン語)に対して6日後にeQSLを発行した。宛先はgerenciageneral @ grupomonteverde.com。発行者はGerente GeneralのMario
Monteverde Pomareda氏である。また別便でIDの録音や局のパンフレットも送られてきた。(WWDXC TP 1413)
◎台湾の漁業廣播電臺よりQSL
英国のDave Kenny氏によると、台湾の漁業廣播電臺はBDXCが行ったSheigra
DXpeditionにおける1143kHzでの受信報告に対してQSLシートと手紙を送ってきた。受信報告は英語で郵送した。同局のQTHは台湾
806 高雄市前鎮區漁港北二路5號である。(WWDXC TP 1413)
◎英国talkSPORTが中波7局を閉局に
英国のAlan
Pennington氏によると、同国Ofcomは1月16日、同国のtalkSPORT局から出されていた中波局7局の閉鎖申請を許可した。これが実行されると英国における同局の地域カバー率は95%から93.4%になる。リスナーはDAB+放送への変更分も入れて全体で18%減少すると見られる。中波が受信できなくなった地域ではDAB+放送、インターネット放送、ケーブル放送などへの切替が推奨されている。廃止される7局は以下の通りである。
Rosemarkie (Inverness) - 1053 kHz、Redruth (Cornwall) - 1089 kHz、Redmoss
(Aberdeen) - 1089 kHz、Londonderry - 1053 kHz、Occombe (Devon) -
1107 kHz、Plumer Barracks(Plymouth) - 1053 kHz、Pearce's Hill (Devon) -
1053 kHz。Ofcomの発表内容はhttps://www.ofcom.org.uk/data/assets/pdf_file/0038/189749/talkSPORT-statement.pdfを参照のこと。(WWDXC TP
1413)
◎Reading Meetingで歴史的DX資料公開 2版修正
英国のAlan Pennington氏によると、去る2019年12月7日にReading International Solidarity
Centreで開催された地域DXerグループReading International Radio Group主催のReading Meetingには11名のメンバーが参集したが、その席でMike
Barraclough氏らによって以下の様な歴史的DX資料が紹介された。これらは公開されているものである。次回のミーティングは3月7日の予定である。
1)Chat with Peter Homfray: Radio AustraliaのPeter Homfrey氏と旧Radio
NetherlandsのJonathan Marks氏との対話、2004年録画。https://vimeo.com/13249732。
2)Radio Australiaの人気DX番組"DXers
Calling"最終日の放送: 1977年10月30日21570kHzで録音、出演Peter
Homfray氏。https://shortwavearchive.com/archive/radio-australia-dxers-calling-october-30-1977。
3)旧Radio NetherlandsのJonathan Marks氏とVOA Dan Robinson氏との対話: Dan氏の短波受信機コレクションについて、2019年8月録画。https://vimeo.com/352401011。
4)パナソニックRF-9000受信機の資料: Dan氏も1981年に購入したパナソニックのフラッグシップモデルRF-9000(現在でも中古で1万
ドルする!)についてのRadio Museumによる紹介資料。
https://www.radiomuseum.org/r/panasonic_rf_9000.html。
5)旧東ドイツ製EKD500受信機の資料: Dan氏のコレクション」にもある、1986年旧東ドイツFunkwerk Koepenick社製の大型通信型受信機EKD500についての詳細資料。
https://www.fenu-radio.ch/RFT_EKD-500-en.htm。
6)チェコRadio Pragueが2019年10月に制作した海外放送局5局の紹介フィルム: Czech Radio、Polish
Radio、Radio Romania、Swissinfo 、Radio Canada
Internationalの昔の放送録音を当時の写真とともに収録。 https://www.radio.cz/en/section/the-sound-of/the-call-signs-of-czech-radios-external-service。
7)Radio Pragueのアナウンス: チェコRadio
Pragueが2019年8月に制作、同局の昔の局名アナウンス録音と当時の写真を収録。https://www.radio.cz/en/section/the-sound-of/the-call-signs-of-czech-radios-external-service。
8)BBC TVが伝えたBBC Radio
London放送開始のニュース: 1970年10月6日(モノクロ)。当時のBBCとしては画期的な放送内容であった。
https://www.facebook.com/watch/?v=469844426721926。
(WWDXC TP 1413)
◎「満洲国のラジオ放送」発行
満洲国のラジオ放送の実相に迫る資料として、放送史、ニュース、ラジオドラマ、学校放送、国際放送等番組内容を詳しく分析した書籍が論創社より出版された。著者は代珂氏、税込価格3,300円、四六版362ページ。詳しくはhttp://ronso.co.jp/book/満洲国のラジオ放送/を参照のこと。(東京都 平原哲也氏)全8章からなり、第1章
満洲国におけるラジオ放送事業の展開、第2章 放送内容の決定と審査、第3章 ニュース報道から見る満洲国のラジオと新聞、第4章 ラジオドラマ、第5章
学校放送、第6章 ラジオ体操、第7章 多元的な満洲国ラジオ放送、第8章
放送事業の終焉。第7章では国際放送について触れています。代珂(ダイカ)氏(1985-)は首都大学東京(東京都立大学)人文社会学部人文学科中国文化論教室の助教で、「満洲国」のラジオ放送事業、植民地メディア文化論、中国近現代メディア文化研究を研究テーマとしています。
帯とカバーのデザインを合わせてある
◎Arthur Cushen氏の遺品管理 ~生誕100周年
ニュージーランドのBryan
Clark氏によると、世界的に著名なDXerで今年生誕100周年となるArthur Cushen氏(1920-1997)の遺品や著作物は現在も管理保管されている。New
Zealand Radio DX
League(NZDXL)の監修の下、遺品・著作物はDunedinにあるOtago大学のHocken図書館に保存されている。更にNZDXLはArthur
Cushen氏及びBCL趣味に関する展示を、氏の故郷Invercargill近郊のAwarua Communication
Museumで行っている。氏の愛機であったRacal
RA17は最近まで展示されていたが、現在はInvercargillの遺族の元に戻された。NZDXLのwebサイト(http://radiodx.com)でも氏に関するページを設けている。(WORIG
1/30) Awarua Communication Museumは旧海岸局Awarua Radioの施設を利用した通信博物館です。
出典の略称
WORIG : World of Radio io group
SRSB: Shortwave Reception from Sofia Bulgaria
WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
WRTH FB: World Radio TV Handbook facebook
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