月刊短波2022年6月号(第4版)
編集 赤林隆仁 時間 JST
◎BBC-WS南極向特別放送を実施 3版新規 4版修正
英国のAlan pennington氏がWoofferton送信所の技術者Dave Passey氏から得た情報 によると、BBC World
Serviceは英国の南極観測隊員向けに冬(南極は今が冬である)の特別短波放送を来たる6月22日の06:30-07:00に実施する。試験送信の結果使用周波数7305(Ascension)、9505(Woofferton)、12065(Woofferton)と決定した。送信内容は例年通り、家族・友人からの隊員向録音メッセージ、隊員からのリクエスト音楽、特別ゲストの話などである。番組制作はBoffin
Media社のMartin
Redfern氏による。詳しくはhttps://www.bbc.com/mediacentre/proginfo/2022/25/antarctic-midwinter-broadcastを参照のこと。(WORIG
6/20)
◎Pop Shop Radioが7月2日に特別短波放送実施 3版新規
英国のAlan Roe氏が、カナダCIDXの情報として伝えたところによると、カナダのPop Shop
Radioが来る7月1日のCanada Day(カナダ建国記念日)を記念して60分間の特別短波放送「Pop Shop Radio Soul
Time」を放送する。時間は7月2日の06:00-07:00で、WRMIより9550kHz、Channel
292より6070kHzである。受信報告には特別QSLカードが発行される。(WORIG 6/13) 同局はカナダのBritish
Colombia州にあり、Channel
292から定期放送も行っています。URLはhttp://www.popshopradio.ca/、受信報告の宛先は<radiopopshop @
gmail.com>。
◎BCLファンの交流誌「あーゆぼーわん No.7」発行 2版新規
BCLファンの交流誌「あーゆぼーわん
No.7」が発行された。今回は「ラジオの特集号」と題して、ラジオやBCLに関する内容となっている。BCLファンの情報誌「ABC50's」
とは違った緩い感じの書籍となっているので、BCLや仕事で疲れた時の読書に適している。内容は以下のとおり。
・IC-705 を背負ってみようとおもったー、・PRAM~無給電ラジオ FOOPRA
みたいなの~を作ってみることにしたお話、・スマホでラジオを聞くしくみを作ってみた話、・ラジオのことあれやこれや、・お宝写真、・ネットラジオを楽しもう、・プラモデル屋さんで買ったラジオ、・屋外でのラジオ入感調査、・俳句ラジオ、・我がラジオ遍歴記、・続
撮りラジ、・KTWR eQSL
Collection、・ラジオのある生活、・ラジオタイランド応援記、・~いっしょシリーズvol.7~「北京放送」といっしょ、・鈴木円順の JAZZ と SAX
と BCL のよもやま話~第2話 基本に立ち返る~、・ラジオとおやつ、・夢のラジオを聴いた日、・日本ラジオ博物館訪問!、・radiko
の裏技!?、・ギャラリーKURO、・ギャラリーSHIRO 「BCL はテレビが専門の猫」、・ギャラリーDECO、・あとがき。
6月5日以降pdf版を下記URLから無料でダウンロードできる。https://www.abc50s.net/books.html。また印刷版も用意している。詳細はhttps://www.abc50s.net/shop.html参照のこと。(秋葉原BCLクラブ 伊藤晃氏)
全81ページの力作
◎Atlantic 2000 Internationalが40周年記念特別放送 2版新規
Atlantic 2000
Internationalは1982年6月6日に7325kHzで放送を開始し、今年で40周年を迎える。これを記念して特別放送を実施する。
6月5日(日) 09:00-10:00 9395 WRMI (Radio For Peace
Internationalの協力で放送、6月中毎週日曜の同時刻、同周波数で再放送)
6月11日(土) 17:00-18:00 6070 9670 Channel292 (WRMIからのものとは別番組)
受信報告は<atlantic2000international @
gmail.com>へ、eQSLが発行される。SDR受信の場合はSDRの所在地を明記すること。その他の詳細はURL
http://radioatlantic2000.free.frを参照すること。
(Atlantic 2000 International)
◎Tropical Bands Monitor6月版発行 2版新規
米国のGlenn Hauser氏によると、DSWCIよりTropical Bands
Monitorの6月版が発行された。http://www.dswci.org/tbmonitor/2022.pdfよりダウンロードできる。 (WORIG
6/2) Anker Petersen氏編集。
◎ふるさとの風・日本の風が特別放送 2版新規
来る6月16日(木)に「国連拉致問題シンポジウム」が日・米・豪・EUが参加してオンラインで開催される。これを記念して同日日本政府の特別短波放送が以下のスケジュールで行われる。仲介は英国ENC-DMS社。
ふるさとのかぜ 6/16 21:00-23:00 13725 Dushanbe 250kW 60° 北東アジア向日本語
日本の風 6/16 21:00-23:00 17820 Dhabbayya 250kW 60° 北東アジア向朝鮮語
(Bulgarian DX blog 6/1)
◎新たな中国語キリスト教局「生活的話語広播電台」出現 ~5/21よりは淡水送信に
英国のTony
Rogers氏が、日本のHiroshi氏のブログ(http://hiroshi.mediacat-blog.jp/e147632.html)の情報として伝えた所によると、4月16日より新たな中国語キリスト教局が出現している。スケジュールは水・土曜の20:30-21:00、周波数は
21500kHz(Al-Dhabayya送信所 250kW 60°)である。宗教局のためかジャミングはかけられていない。番組内でアナウンスされたURLはhttp://www.rongyaoshenghuo.com。(WORIG 5/9)
5月21日より20:30-21:00(水・土)の放送は周波数を21500kHzから11925kHzに変更し、送信所も淡水(300kW、250°)となった。(Bulgarian
DX blog 5/22)
21500kHzで放送されたこの局を受信し、上記URL上に記載されていたメルアド<info @
rongyaoshenghuo.com>宛に中国語の受信報告を送ったところ20日後にE-mailで局員のEverlynさん(日本に留学経験がある)から中国語で返信があった。それによるとこの放送の正式名称は「生活的話語広播電台」で、短波放送は中国のリスナーとキリスト教の教えを共有するために開始されたという。同時にChris
Oyakhilome牧師の著書「話語的実際」の中国語版と日本語版がpdf版で添付されてきた。Chris
Oyakhilome牧師はナイジェリアに本拠地を置くキリスト教宗教団体LoveWorld Incorporated(別名Christ
Embassy)の創始者かつ代表で、英国、米国、オーストラリア、カナダ等で布教活動を行っている。従ってこの放送はこの宗派によるものである。多分放送の本拠地は英国で、Encompass社の仲介であろう。URL上には「0060
10 3700
170」という電話場号が記載されているがどの国の電話番号かは不明である。HP上で過去の放送を聴くことはできるが短波放送に関しては言及されていない。なお短波放送開始(当初は21500kHz)時のプローモーションビデオがYouTube上にアップロードされている。https://www.youtube.com/watch?v=KMOpFiwoN1o。なおメルアドやURLに使用されている「rongyaoshenghuo」は「栄輝生活」という意味であろう。(赤林)
ドイツのHansjörg
Biener博士によると、この教団はアフリカなどで宗教ビジネスを展開している。この教団に関するDWの記事がhttps://p.dw.com/p/2dNDQに掲載されている。(WORIG
5/31)
YouTube上のプロモーションビデオの画面より(初期周波数21500kHzが表示されている)
◎中国華藝広播公司が6185kHzを半月間停止
中国華藝広播公司は5月30日、6185kHzの短波放送を2022年6月1-14日に停止すると発表した。理由は送信機のアップグレードと調整のためである。6月15日には正常送信に戻る予定である。この期間中波873kHz、FM107.1MHz(福州地区)、インターネットhttp://www.chbcnet.com
、「蜻蜓FM」などのネットワーク上で放送は平常通り継続される。番組等にも変更はない。(Cahcn自留地 5/31)
◎中国でのFMDX受信結果
中国のDXerの2013-2022年のFMDX受信の結果が公表されている。一部の記録は未掲載だが、現在更新中である。
https://cahcn.github.io/img/FMDX_List_Cahcn.pdf
また一部の受信音声が以下のサイトで公開されている。
https://drive.google.com/drive/folders/0B5Btvote7QyZd3FJTEFIUG9nX0k (Google
Drive)
https://www.jianguoyun.com/p/DWr71zUQkbX3BRimhfID (堅果雲氏による日本方面の受信音)
(Cahcn自留地 5/30)
◎Radio Ominira Yoruba 6月よりのスケジュール
ナイジェリア向秘密局Radio Ominira Yoruba(自由ヨルバ放送)は6月2日より以下のスケジュールで放送する。
04:00-09:00 9450 Woofferton 250kW 170° アフリカ西部向ヨルバ語
(Bulgarian DX blog 6/1)
◎Voice of Greeceの短波放送半月延命
ギリシャのDXerによれば、Voice of
Greeceは5月末に終了するとしていたAvlida送信所からの短波放送を6月15日まで半月延長して放送する。これはギリシャ国防省の要望に応えたもので、その後は「その時点の状況によって判断する」とのこと。これとは別にVoice
of Greeceの上部組織ERTは、同国最大の通信会社であるOTEグループの船舶通信関連子会社であるOTE Sat
Maritelと、「ギリシャ人船員の情報・娯楽へのアクセス改善のため」に、Voice of Greeceの番組を毎日6時間配信の契約を締結した。(WORIG
5/31) 詳細は不明ですが、短波送信所をOTEに移管して実際の放送は継続するということでしょうか?
◎時報局CHU復旧
カナダのDon
Moman氏によれば、暴風雨で停波していた同国の時報局CHUは5月31日の00:00頃より全波で送信を復旧した。英国のRichard
Langley氏がCHUを管理するカナダNRCの技術担当者と連絡をとったところ、当初報時が2時間ずれていたが現在は正常になっている、アンテナ系には被害はなく、発電機が故障したため全送信機がシャットダウンしたとのことであった。また復旧が長引いたのは5月29日まで送信所に通じる道路が封鎖されていたためとのこと。(WORIG
5/31)
◎Radio Northern Europe Internationalがアジア向特別高出力短波送信
英国のAlan
Roe氏によると、Radio Northern Europe International (RNEI)
は来る6月4日(土)の17:05-17:20に15430kHz(Nauen送信所、125kW、175°)にて中東・アジア・オセアニア向けに特別短
波放送を実施する。内容は「Mamma's Mest Metal」、詳細はhttps://rnei.orgを参照のこと。(WORIG 5/29)
◎Radio Andorra
Revivalは6月5日に
ShortwaveRadioのChristian Milling氏によれば、同氏は次回のRadio
Andorra Revival、「from the archives of Radio
Andorra」を6月5日(日)に放送する。今回は1979年放送のフランスシャンソン歌手Guy
Marchand(現在85歳で健在)の歌が中心となる。スケジュールは以下の通り。
02:00-04:00 6180 Moosbrunn LogPeriodicアンテナ 270° 100kW
欧州向
07:00-09:00 13730 Moosbrunn HRS4/4/1アンテナ 295° 100kW
北米向
放送の制作には多額の費用がかかるため寄付を募っている。詳しくはhttps://gofund.me/9d1e4c8dを参照のこと。
(WORIG 5/30)
◎Voice of Mongoliaの新QSLポリシー
英国のAlan
Roe氏によると、Voice of
Mongoliaは5月26日、Facebookに以下の様なQSLポリシーを発表した。QSL用の葉書や切手が不足しているため、5月以降は1ヵ月に3回以上続けて受信報告を送ってきたリスナーのみにQSLレターを発行する。従ってQSLを獲得するためにはよりアクティブに受信しなければならない。質問・要望等はmailboxの番組内で回答する。(WORIG
5/29) 日本語放送も同じかどうかは不明です。
◎Global Radio GuideのSummer 2022版発行
Teak
Publishing社のGayle Van Horn氏によると、同氏編集のGlobal Radio GuideのSummer
2022(第18)版が発行された。WRTHの廃刊でこの雑誌が唯一の国際短波情報雑誌となった。ウクライナ戦争の勃発によりロシア等でインターネットでの情報提供が遮断されている今日短波放送で情報を把握することの重要性が改めて見直されている。今号では内容を全面的にアップデートし、短波受信機、SDRを持っている人、コンピュータを持っている人が気軽に短波放送、ユーティリティー通信、軍事通信にアクセスできるように考慮している。主要内容は24時間の時間別約500局の周波数ガイド(一部中波、長波も含む)、DX番組リスト、各局メルアドリスト、時報局リスト、サイクル25の展望、KAZアンテナを使用した中波DXなど。詳細はhttp://www.teakpublishing.comを参照のこと。e-BookとしてAmazonのKindle
Storeからオンラインで入手できる。価格はUS$8.99である。(WWDXC TP 1506) 日本では\1,176。北米のリスナー中心の内容です。
◎米国では100周年局が続々
米国のSteve
Whitt氏によると、米国ではラジオ放送が開始された1922年に開局し今年100周年を迎える局がかなりの数存在する。100周年を祝う局もあれば、経営者が古い局を偶然引き継いだだけなので祝わない局もある。また1922年に付与されたコールサインをそのまま使用している局も存在する。1922年
5-6月に免許されて現在も継続している局は次の通りである。免許期日・当時のコール・現在の周波数、所在地・現在のコールの順に記述してある。
05/03/1922 KNEW - 910 Oakland, CA KLX
05/03/1922 WTAE - 1250 Pittsburgh, PA WCAE
05/04/1922 WJR - 760 Detroit, MI WCX
05/08/1922 WCAO - 600 Baltimore, MD WCAO
05/08/1922 KFNZ - 1320 Salt Lake City, UT KDYL
05/09/1922 KTSA - 550 San Antonio, TX WCAR
05/10/1922 WPHT - 1210 Philadelphia, PA WCAU
05/10/1922 WHB - 710 Kansas City, MO WHB
05/13/1922 WVMT - 620 Burlington, VT WCAX
05/13/1922 WBNS - 1460 Columbus, OH WCAH
05/15/1922 WDAE - 1250 Tampa, FL WDAE
05/15/1922 WTMJ - 620 Milwaukee, WI WCAY
05/15/1922 WCAZ - 990 Carthage, IL WCAZ
05/16/1922 WDAF - 610 Kansas City, MO WDAF
05/16/1922 KGNC - 710 Amarillo, TX WDAG
05/19/1922 WFAN - 660 New York, NY WDAM
05/19/1922 KEEL - 710 Shreveport, LA WDAN
05/19/1922 WGN - 720 Chicago, IL WDAP
05/23/1922 KMPS - 1300 Seattle, WA KDZE
05/23/1922 WDAY - 970 Fargo, ND WDAY
05/25/1922 WFDF - 910 Flint, MI WEAA
05/26/1922 KFH - 1330 Wichita, KS WEAH
05/27/1922 WHCU - 870 Ithaca, NY WEAI
05/31/1922 KHOW - 630 Denver, CO KDZQ
06/03/1922 WOSU - 820 Columbus, OH WEAO
06/05/1922 WLKW - 790 Providence, RI WEAN
06/05/1922 KLIF - 570 Dallas, TX WFAA ***
06/21/1922 KTAR - 620 Phoenix, AZ KFAD
06/21/1922 KWSU - 1250 Pullman, WA KFAE
06/24/1922 WLPA - 1490 Lancaster, PA WGAL
06/26/1922 WSUI - 910 Iowa City, IA WHAA
06/29/1922 WSBT - 960 South Bend, IN WGAZ
(Medium Wave News 68/02 May/June 2022 via WORIG 5/2)
WJR局の100周年記念ロゴ
◎パラオが1584kHzでAM放送復活
Radio New
Zealandからの情報によると、パラオの国内向放送は現在すべてFMであるが、T8AA局(87.9/89.1MHz)は2012年以来中断していた中波の1584kHz(5kW)を復活することになった。
首都Kororの南5kmに位置していた以前の中波用アンテナは2012年に台風Bophaによって倒壊したため、150フィート高のマストを再建、中波送信機、送信棟も新たに建設する。パラオには16の州があり、本島だけでなくすべての州に放送を行き渡らせることが今回の中波復活の目的で、日本が資金を拠出して実施するものである。元々同局はパラオ独立後1584kHzで放送開始しており、今回の復活で北部Kayangel州、南部Hatohobei、南西部の離島で再びラジオ放送が受信可能となる。工事は2020年より開始されている。
Chris
Rogers氏が同局に問い合わせたところ、アンテナの建設は進行中で、5月末にオンエアーする予定である。(NZ DX Times May 2022 via
WORIG 5/3) 国営局ですが、日本との関係は深く、1998年にTOKYO
FMと日本航空の支援で開局しました。日本名は「エコパラダイスFM」といい、TOKYO FMの番組も放送しているとのことです。
◎ウクライナで中波がFM補完用として復活
ウクライナではロシア侵攻によるFM放送局破壊に備えて、ウクライナ第一放送(UR1 Pershiy
Kanal)の中継局として中波が復活している。2018年に中波放送は終了したが、ロシア軍が放送施設やネットワークを破壊した場合に遠方の放送局からでもカバーできるようにするべく復活を図っている。2月24日の侵攻後すぐに6局が復活した、内1局はロシア軍に破壊された模様だが他は放送を継続している。((Medium
Wave News 68/02 May/June 2022 via WORIG 5/3)
◎Radio Free Asiaが新QSLカードを発行
Radio Free
Asia(RFA)は「ラジオの創始者」シリーズQSLの第6弾としてReginald Aubrey
Fessenden(1866-1932)の新QSLカードを発表した。Fessendenはカナダ生まれの発明家で米国で数々の特許を取得した。特に振幅変調(AM)のラジオ放送の発明、初めての無線によるスピーチ(1900年)、初めての大西洋横断無線交信(1906年)などが特筆される。このQSLカードはRFAとして79枚目のQSLカードとなり、2022年5月~8月に寄せられた受信報告に対して発行される。(RZ DX Times May 2022 via
WORIG 5/3)
◎欧州民間短波局リスト最新版発行
米国のGlenn Hauser氏によると、欧州の民間短波放送局リスト(European Private
SW Stations)の2022年5月1日版が発行された。https://www.radioheritage.com/?mdocs-file=25846よりダウンロードできる。(WORIG 5/2) A4・1ページ、3955~25800kHz間の36波が収録されています。
◎Tropical Bands
Monitor最新版発行
米国のGlenn Hauser氏によると、2022年5月1日版のTropical Bands
Monitorが発行された。https://aer.org.es/wp-content/uploads/2022/05/2022.pdfよりダウンロードできる。(WORIG
5/2) DSWCIのAnker
Petersen氏制作、A4・2ページ、2350-5130kHz間の国内向短波放送の2022年1~4月の受信実績が記載されています。
◎岸田首相バチカン訪問時の通訳はバチカン放送の和田誠神父
報道によれば岸田首相は2022年5月4日午前にバチカンでフランシスコ教皇に謁見し25分間会談を行った、その後バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿および外務局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教とも会見した。その際通訳としてバチカン放送日本語課の和田誠神父(77)が同席した。同氏は2001年にバチカン日本語短波放送が廃止される直前にはほぼ一人で番組を取り仕切っており、記憶されているBCLも多いであろう。氏は日本のカルメル会からバチカン教皇庁に派遣されており、日本の要人が教皇庁を訪問した時の通訳を長く務めている。1999年当時の小渕首相がバチカンを訪問した時にも通訳として同席した。そして当時日本BCL連盟発行の「My
Wave」誌にインタビュー記事と写真が掲載された。2018年には日本政府から旭日小綬章を受賞している。(東京都 紺野敦氏)
フランシス教皇(左)と岸田首相(右)との間で通訳を行う和田神父(Vatican News日本語版より)
◎ウクライナ戦争で「短波復活」というのはおかしい!
USAGMの旧放送技術部員で現在はChalaco Groupの経営メンバーの一人であるGerhard
Straub氏は最近の「短波復活議論」を以下の様にFBで批判した。
・短波は生きているのに「復活」というはおかしい。まだ死んでいない人を復活されることはできないからである。
・USAGMは現在も年数百万ドルを投じて短波放送の拡張に努力を続けている、過去10年間暴風で再建不能となったColombo中継局以外には短波送信所を廃止していない。
・平時には短波は最良のメディアとはいえないが、戦時には勝利につながる矢の一本となる。
・インターネットの検閲を回避する手段としてVPNやTorがあるが、すべての人が活用できる訳ではない、短波ラジオは誰もが操作でき、爆撃で電力や通信網が破壊された状態でも利用可能である。
・ロシアに短波ラジオなどないという意見があるが、同国にはアマチュア無線家だけでも3万8千人いる、趣味の短波リスナーはその倍位いると思われるので、10万台は間違いなく普及している。ラジオを隠し持っている人も含めればこの数はもっと大きくなる。そもそもロシアの軍隊だって短波ラジオを持っているだろう。
・短波の送信時間1時間当たりの純粋な送信コストは最大100ドル程度である。1日2時間の短波送信には月に6千ドル、年に7万2千ドルの費用がかかる。USAGMの予算は毎年約7億5千万ドルなので、無駄さえ省けばリスナーが少なくても情報が必要な地域への短波放送はできる筈である。
この意見に対して「Shortwaves for Freedom」運動を推進しているKate
Neiswender氏は次のようにコメントした。
・ロシアとウクライナに短波リスナーが何人いるか不明だが、米国からの短波放送に対して既に両国から多くの反応が寄せられている。
・両国での短波受信機の数は不明だが、多くの家庭にはソ連時代の短波受信機があるし、中国製の短波受信機は数ドルから購入できるので、短波の受信できる人口はかなり期待できる。
・短波は「復活」のために新たな設備投資を行う必要がない。USAGMの稼働中の送信所からロシアやウクライナ向の番組を数時間追加することは、現在ウクライナ戦争に費やされている数十億ドルの軍事費に比べれば雀の涙ほどのことだ。しかしその効果は大きい。
・VOAの旧職員Andrew Kim
Elliott氏によれば、短波のリスナーはオピニオンリーダーになる傾向が強いとされている。現にゴルバチョフも短波リスナーであった。短波リスナーを説得すれば、その人たちの知り合いの間で正しい情報を広めてくれるはずだ。
・USAGMはウクライナ戦争関連で2,500万ドルを追加で得たが、これは対ロシアに使用すべきだ。情報鎖国状態のロシアには代替の情報源と、インターネットの遮断や制限を回避する方法が必要だが、短波放送はその両方を満足する。
・米国には狂信的な短波反対派がいるが、これだけの事実を以ても反対するとは非常識である。
(WRMI via WORIG 5/6)
◎KTWRがロシア語放送を強化
KTWRが4月にウクライナ語放送を開始したのに続き、6月からはロシア語放送も強化する。新たに6/1より02:02-03:02 13660 250kW 320°
ロシア語 が追加される。(Bulgarian DX blog 5/6)
◎Țigănești送信所の第一送信機は中国からの部品待ち
ドイツのWolfgang
Buseschel氏が、ルーマニアRRIのAlexander氏から得た情報によると、ルーマニアȚigănești送信所の第一送信機は2021年4月1日以降稼働していない。2021年に施された応急措置は手順や修理箇所が誤っており、功を奏さない状態であったが、管理会社RADIOCOMとの協議の結果、中国製のコンデンサーが到着すれば目処がつくことがわかった。既に注文済みであり、早ければ6月中には到着する予定である。(WORIG
5/10)
米国のStephen Luce氏によれば、故障した送信機はContinental
Electronics社製419G型である。送信機メーカーが修理してくれないから中国製の部品を使うのであろうか?(WWDXC TP 1504)
修理部品の価格が高いのでしょう。
◎Bangladesh Betar
13580kHzの海外向放送復活
ドイツのSchrieb C Gessner氏によると、Bangladesh
Betarの海外向英語放送が復活している。webサイトには02:00-04:00
13580kHzと記載されている。実際に03:40-03:59に受信確認できた。なお03:00-04:00にはBBC World
Serviceも13580kHz(Woofferton 125kW
165°)で出ているので注意。同局の海外向放送は長い期間4750kHzのみで行われてきた。(WORIG 5/13)
◎アルジェリアの252kHzが復活
ドイツのSteffen Mehnert氏、英国のMike Barraclough氏らによると、Radio
Algeriaの国内向「Channel Chaine
3」の放送が現地時間の5月12日夜より長波の252kHz(Tipaza送信所)で復活した。信号強度は普通で、音質は改善されている。アルジェリアが復活したことで同一周波数のアイルランドRTEは周波数変更を迫られる可能性が出てきた。(WWDXC
TP 1504)
◎フォークランド戦争40周年記念
British DX Clubによると、フォークランド戦争勃発40周年を記念して、Tony
Rogers氏が当時の同クラブ会誌Communicationに掲載された関連記事を編集した「The 1982 Falklands War Through the
Pages of
Communication」が、同クラブのHP上で公開されている。http://bdxc.org.uk/falklands.pdf。(WWDXC TP
1504) A5版7ページ。
◎RFIがロシア語放送復活に ~URLブッロク対策
フランスのChristian
Ghibaudo氏によると、ロシアがRFIのwebsite閲覧をブロックしたため、RFIは以下のスケジュールでロシア語放送を復活する。但し一部だけの可能性もある。
22:00-24:00 17640
00:00-05:30 15230
05:00-06:30 9500
(WWDXC TP 1504)
◎RTMインターネット上のタガログ放送も廃止 ~ラジオは古いメディア!
Radio TV
Malaysiaは1973年以来継続されてきたタガログ語放送を廃止した。同言語サービスは1973年にRadio Malaysia
Sabahより短波の国際放送として開始された。その後は国内向放送となり、2011年にはインターネット上のみの放送となった。マレ-シア政府は廃止の理由としてインターネット上でもラジオは効果的なメディアではなくなり、フィリピンとマレ-シアとの間の友好関係に寄与しなくなったためとしている。廃止により浮いた資金はマレ-シア東部における同局サービスの改善に回される。原記事はhttps://www.abu.org.my/2022/05/05/rtm-tagalog-station-closes-after-nearly-50-years/参照のこと。これについてドイツのHansjoerg
Biener博士は、短波や中波を古いメディアとしてインターネットに転換しても結局聴取者が確保できないとして廃止される典型であり、ラジオで聴く放送の重要性を政府の放送関係者や外交関係者は全く理解していないためであるとしている。(WWDXC
TP 1504)
◎「Russian Radio
Broadcasting」のA22版発行
ロシアのAlexander Berezkin氏によれば、同国St.Petersburg DX
Cubは、「Russian Radio
Broadcasting」のA22版(通算32版)を発行した。A5版64ページでロシア及び世界でAM放送中のすべてのロシア語放送(29の国・地域の43放送局)について2022年4月末までにロシアで受信されたものを記載している。更に「海賊局」の部が設けられており、FMや短波で放送中のロシア語海賊局の情報も収録、「インターネット局」の部では15ヵ国20局の情報を収録している。価格は送料込で400ルーブルまたは€7、US$8。<dxspb @ nrec.spb.ru>で申込む。(RUS-DX #1184 via WWDXC TP 1504) 現在日露間では郵送、送金はできません。
◎ウクライナ中波放送の受信状況
ブルガリアのRumen
Pankov氏が2022年5月8日と10日の9時頃モニターしたところでは、Ukraine
Radioの中波放送は657、1278、1404kHzで受信できている。873kHzでは2-3秒遅れて受信できる。801、1377、
1449kHzでは受信できていない。(WWDXC TP 1504)
◎Music on ShortwaveのA22版
BDXCのAlan Roe氏が短波で行われている音楽番組をまとめた「Music on
Shortwave」のA22版が公開されている。http://bdxc.org.uk/music.pdfよりダウンロードできる。A4版36ページ。(WWDXC
TP 1504)
◎放送局メルアド集公開
ドイツのHans-Friedrich
Dumrese氏によると、同氏は世界の放送局のメルアドを集めた「E-Mail-Adressen von internationalen
Rundfunkstationen」を編集発行した。https://c.gmx.net/@328072007230953194/SlTm_QWcQ9yctkprN0PU9Aよりダウンロードできる。(WWDXC TP 1504)
◎デンマークDX界の重鎮Kaj Bredahl
Jorgensen氏死去
DSWCIのAnker Petersen氏によると、デンマークDX界に70年以上貢献したKaj
Bredahl
Jorgensen氏が死去した。81歳であった。死の2日前までは元気で4kmも歩いていた。氏は1958年にDSWCIに入会し、会員番号は93であった。その後クラブの委員となり、会誌「Shortwave
News」のエディターを2回に渡り計38年間務めた。1967年6月にはAnker
Petersen氏宅で開催されたEDXC創立準備会議にも参加した。EDXCが立ち上がった後は、妻のElse
さんとと共に殆どの総会に参加していた。また同じ1967年から2年間当時のRadio Denmark国際放送の週間DX番組「DX
Window」の制作にも携わった。ご冥福をお祈りしたい。(WWDXC TP 1504)
2005年春にチェコのPragueで開催されたEDXC総会時チェコ料理店で
右側がKaj Bredahl Jorgensen・Else夫妻、左側はBent
Nielsen、大武逞伯氏(2005年EDXC Prague総会報告より)
◎1924-2000年製のソ連・ロシア製受信機のビデオ
1924-2000年にソ連及びロシアで製造された800種類のラジオ受信機をとりまとめたビデオ「Almost
all radio receivers of the USSR」(Почти ВСЕ радиоприёмники СССР)が公開されている。https://youtu.be/2KrAiYpitGwまたはhttps://www.youtube.com/watch?v=2KrAiYpitGw。(RUS-DX 5/15 via WORIG 5/15)
1924年製Радиолина受信機(上記ビデオより)
◎WBCQのRadio Angelaが周波数変更
米国のGlenn Hauser氏によると、同国WBCQ局のRadio
Angelaは周波数を4790kHzから元の5130kHzに戻す予定である。この変更でサービスエリアは米国・カナダで若干広くなると期待される。西海岸におけるCODAR信号の妨害がなくなるためである。切換は5月16-22日に行う予定で局では11:00-13:10の予定である。(WORIG
5/15)
WBCQのWilliam "Bill"
Tilford社長は5月16日より5130kHzに変更すると発表した。(WORIG 5/16)
◎VOA局内における性差別を告発したDilara
Hashemさん死去
米国のDan
Robinson氏によると、VOAの元局員で著名な作家で、同局に対する性差別訴訟原告団の一人であったDilara
Hashemさんが、3月19日メリーランド州Rockvilleの病院で心不全により死去した。86歳であった。Hashemさんは旧英領インド(現在バングラデシュ)のJessoreで生まれ、Radio
Pakistan、BBCのニュースアナウンサーを経て1972年にVOAベンガル語放送の臨時職員として米国に移住した。彼女は1975年に解雇されバングラデシュ出身の男性職員と入れ替えられた、当時New
York
Times紙に対して「女性だからという理由で全く経験のない人物と入替えられ、職場を追われるのは屈辱的である」と述べている。その後同様に局内で解雇、不合格、昇給停止、昇格停止等の措置をとられた1100人の女性職員とともにVOAと当時の上部機関であったUSIA(United
States Information
Agency)を性差別で告訴し、23年間争った後2010年に一人20万ドルで和解に至った。訴訟中の1970年代後半にVOAは彼女を正職員として再雇用し、2010年代初頭まで職員として勤務を続けた。放送の仕事に加え、小説、回想録、短編小説、詩など約30冊を執筆し、バングラデシュ政府からは同国で最も権威のある文学賞を授与されている。(WORIG
5/14)
Dilara
Hashemさん(https://dilarahashem.net/より)
◎WRTHのA22 Updaterの発行はなし
WRTHのNicholas
Hydeman氏によると、すでに廃刊を表明しているWRTHは2022年版のA22 updaterの発行を行わないことを発表した。(WORIG 5/16)
◎ブラジル局から放送されたSWBの特別放送
1973年6月30日にブラジルのRádio Educadora de
Uberlandiaから3925kHzで放送されたShortwave
Bulletin(SWB)の特別放送の録音が発見された。これは当時Uberlandiaに移住し現在も住んでいるNils
Olsson氏がSWBのために制作・放送したものである。しかし当時の記録を見てもこの放送を受信できたという記録は見当たらない。多分当時Radio Cultura
Sergipeが同一周波数を使用しているため聞こえなかったものと思われる。発見したのはJohn
Ekwall氏で、古いカセットテープの整理中に偶然発見した。これをmp3化したものをhttp://joesweden.info/radio
/R%20Educ%20Uberlandia/reduc-uberlandia_swbpx.mp3上で公表している。(SWB 5/15 via WORIG
5/16)
◎Voice of Martyrs
Koreaモルディブ向放送にディベヒ語登場
Voice of Martyrs
Koreaが00:00-00:30に11620kHzで放送中のモルディブ向放送は英語のみであったが、このところ現地の言語であるディベヒ
(Dhivehi)語も加わった。送信地は現在も秘密のままである。(Bulgarian DX blog 5/17)
◎USAGM局のA22スケジュール
ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、USAGM各局のA22スケジュールは以下で閲覧できる。
Voice of America/Radio Ashna/Radio Marti/Deewa
Radio https://swldxbulgaria.blogspot.com/2022/04/usagm-voice-of-americaradio-ashnaradio.html
Radio Liberty/Radio Farda/Radio Free
Afghanistan/Radio
Mashaal https://swldxbulgaria.blogspot.com/2022/04/usagm-radio-libertyradio-fardaradio.html
Radio Free
Asia https://swldxbulgaria.blogspot.com/2022/04/usagm-radio-free-asia.html
VOAのSteven
Springer氏によれば、VOAの周波数表はhttps://www.voanews.com/p/6212.htmlで参照できる。
(WORIG 5/18)
VOAサイトの周波数表は英語放送の周波数のみ掲載です。WRTHがもうありませんので、この当たりの情報も工夫して自分で集めるしかありません。
◎Radio Six
Internationalがオーストラリアからも短波送信
英国Radio Six InternationalのTony
Currie社長によると、同局はオーストラリアのUnique Radioとの間で送信協定を締結した。それに基づいて、Unique RadioのNew South
Wales州Manilla短波送信所より以下のスケジュールで中継送信を行うことになった。
日曜 16:00-17:00 火曜 18:00-22:00 水曜 17:00-18:00
5035kHzUSB (200W)
(WORIG 5/20)
◎RNZPの新短波送信機調達に目処 ~予算承認
ニュージーランドのBryan Clark氏によると、同国政府はRadio New Zealand
Pacificに対して短波送信機調達費としてNZ$440万の予算を承認した。これにより同局は太平洋向短波放送設備の更新が可能となった。 (WORIG 5/19)
Rangitaki送信所のThales社製TSW2100Dは2006年製でそろそろ入替時期です。
◎新しい形のDX受信コンテスト
フィンランドのKari Kallio氏によると、今まで大半のDX受信コンテストではKiwi
SDRでのリモート受信を認めていなかった。Kiwi
SDRを提供しているJukka氏は今年の夏これを打ち破るべく、SDRリスナーだけを対象とした受信コンテストを企画している。リモートSDRでのDX受信は世界中で新しい旋風を吹き起こしている。今回のコンテストは主としてフィンランドのリスナーを対象としているが、国外のリスナー以外の参加も可能となっている。但し参加ルール等はフィンランド語でのみ表記されている。詳しくは夏に発行されるRadiomaailma誌を参照のこと。(WORIG
5/23)
◎ウクライナの「Russkoe Radio」が改名
ウクライナ国家ラジオ・TV委員会は5月19日、首都Kyivに本拠地のある「Russkoe Radio-Ukraine」(Русское
Радио — Украина)を「Radio Bayraktar」(Радио
Байрактар)に改名した。「Bayraktar」とは現在ウクライナ軍がロシア軍との戦闘に使用しているトルコ製無人攻撃機の名称である。「Russkoe
Radio-Ukraine」を経営していたTAVR
Mediaはロシアの侵略が開始された2月末、この名称を使う事を諦め、全く新しい局として再出発することにしていた。原記事は
https://lenta.ru/news/2022/05/19/russianradio/。(RUS-DX 5/22 via WORIG 5/23)
この局はKyivの98.5MHzをキー局にウクライナ各都市でFM放送を行っています。
左:Russkoe Radio-Ukraine時代のロゴ、右:Radio
Baykatarの新ロゴ 無人攻撃機とウクライナの旗
◎Echo of
Moscowの旧周波数は正式にRussia Todayのものに
5月25日ロシアFCC(Federal Competition Commission for
Television and Radio Broadcasting)は、閉局させられたEcho of Moscow(Эхо
Москвы)の各都市の旧周波数(Moscow 91.2MHz、St. Petersburg 91.5MHz、Volgograd 101.1MHz、Samara
99.1MHz、Kazan 105.8MHz、Ufa 91.1MHz、Ulan-Ude 102.8MHz)の競争入札を行い、何れも単独入札で政府系のRussia
Today(RT、Россия
сегодня)が落札し、これらの周波数で正式に放送を行うことが是認された。原記事はhttps://onair.ru/main/enews/view_msg/NMID__83118/を参照のこと。(RUS-DX 5/22 via WORIG 5/23)
◎ロシアの周波数利用区分リスト公開
ロシアのDima
Kolyadenkov氏によると、2019年版のロシアの周波数利用区分リスト(ロシア語)が公開されている。https://vk.com/radioitv?w=wall-90495469_13811%2Fallよりpdf形式でダウンロードできる。(RUS-DX 5/22 via WORIG
5/23) A4版6ページ。
◎U.S. Clandestine Radio
Equipment総集編最新改定版公開
ロシアのRuslan
Slavutsky氏によると、20世紀の米軍用秘密無線機器及び無線兵器の全貌について述べた「U.S. Clandestine Radio
Equipment」(1998年初版)の2020年改定版がweb上で公開されている。http://militaryradio.com/spyradio/index.html?utm_source=yafavorites。(RUS-DX 5/22 via WORIG 5/23) Peter
McCollum氏著、A4で300ページ越え相当の大部なもので殆どすべての機器について多くの写真・図面入りで解説しています。軍用無線機ファン垂涎の資料です。
◎BBCが放送を大幅削減に
英国のMike Terry氏がSky Newsの報道として伝えた所によると、BBCのDirector
GeneralであるTim Davey氏は今後数年間の内にBBCの以下の国内向サービスを停止すると発表した。
ラジオ放送 BBC Radio 3、BBC Radio 4
デジタルラジオ放送 BBC Radio 4 Extra
子供向TV放送 CBBC
同国のChris Greenway氏によると、Radio 5
Liveは維持するが、中波は2027年いっぱいに廃止する。またRadio 4の長波放送は英国海上保安庁と協議の上中波より先に廃止する。更にBBC
NewsとBBC World TV Newsは合併する。(WORIG 5/26)
英国のRichard Buckby氏がGuardian紙の報道として伝えたところでは、BBCはBBC
Radio 4の長波198kHzは速やかに廃止する予定である。詳しくはhttps://www.theguardian.com/media/2022/may/26/bbc-announces-raft-of-closures-cbbc-four-online-onlyを参照のこと。(WWDXC TP 1506)
将来的に電波放送をすべて廃止しオンラインのみにする方向です。
◎WEWNはRadio Catolica
Mundialの中継のみに
ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、米国のWEWN局は現在Radio Catolica
Mundial のスペイン語放送の中継(23:00-09:00 12050 100kw
155° 中米向)のみとなっている。他の放送は3-4月以降停止されている。(WWDXC TP 1506)
◎太陽活動が顕著に活発化
英国のRichard
Langley氏によると、太陽活動が活発化している。どうも太陽の振る舞いが予想より激しいようだ。Space Systems Research
Corporationのサイクル25予想パネルは、過去50年間で初めて前回のサイクルを上回る活動になりそうだとしている。学者によればサイクル24を30%以上上回るとしている。詳しくはhttps://skyandtelescope.org/astronomy-news/the-sun-is-waking-up-right-on-schedule/を参照のこと。(WORIG 5/24)
英国のMike
Terry氏がARRLの発表として伝えたところでは、5月27日現在の平均太陽黒点数が134.1、その1週間前の5月19-25日の平均は124.7であった。Solar
flux(太陽束:太陽から発射される電磁波のレベル)の平均値は157.3-158.8で、5月18日に179.9のピークを打ってから若干減少しつつあるものの高い値である。太陽黒点群については新規のものが5月19日出現し、25日迄に更に5グループが増加した。最近の活動状況から見てサイクル25のレベルは1954-1964年のサイクル19に匹敵すると見られている。サイクル19では1958年3月、平均太陽黒点数は285に達した。 (WORIG 5/27)
◎オーストラリア労働党海外放送機能を復活へ
カナダのColin
Miller氏が、オーストラリア労働党のHPから得た情報によると、オーストラリアでは政権が労働党に移ったため、同党の公約であった海外向放送強化が動き出した。同党はインド・太平洋方面の放送戦略強化のためにABCの海外向部門の予算を強化する。集中的に強化されるのは太平洋向TV放送部門であり、今後4年間に渡り毎年番組制作に毎年800万、放送局の維持に570万オーストラリアドルを支出する。更にRadio
Australiaの太平洋向短波放送機能を復活させる。保守党政権時に8370万オーストラリアドルの削減で弱体化したABCの海外向放送機能を今後5年間で復活させる予定である。原記事はhttps://www.alp.org.au/policies/indo-pacific-broadcasting-strategyを参照のこと。(WWDXC TP 1506)
オーストラリアは太平洋諸国の中国化に危機感を深めています。短波送信所を復活するのであればBrandon送信所ではないかとされています。
◎Kostinbrod送信所より新たにロシア向2局が送信開始
ブルガリアのIvo
Ivanov氏によると、ブルガリアのKostinbrod送信所より新たに2放送局がロシア向送信を開始した。
Radio Liberty; 5月20日より01:00-02:00 5900kHz 50kW 30°
ロシア語
Radio For Peace International; 5月16日より05:31-05:46
6005kHz 50kW 30° ロシア語
(WWDXC TP 1506)
◎XERMXが「短波なし」放送開始11周年
米国のGlenn Hauser氏によれば、メキシコのRadio Mexico Internacional
XERMXはインターネットのみの「短波なし」放送開始11周年を迎え、これを祝賀するメッセージをHP上に掲載した。
https://www.imer.mx/rmi/。
ドイツのHansjoerg
Biener博士によると、同局は2004年に短波放送を廃止した。その時点で6基あった送信機の内5基は故障して修理不能であった。残った1基は Radio
UNAMに譲渡され一時6045kHzで使用された。(WWDXC TP 1506)
◎VOA
Africaが新webサイト ~リスナーには役立たず
英国のAlan Roe氏によると、VOA
Africaはwebサイトをhttps://www.voanews.comからhttps://www.voaafrica.comに移転しwebサイトを一新した。
但し放送されている番組が網羅されていない。スケジュール表はhttps://www.voaafrica.com/radio/schedule
/435に一応掲載されているが、一部の番組しか表示されていない。また周波数も紹介されておらず(https://www.voanews.com/p
/6212.htmlにはB21の周波数が掲載されているが)ラジオ放送のリスナーには役に立たない。(WORIG 5/30)
出典の略称
WORIG : World of Radio io group
WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
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