月刊短波2022年8月号(第3版)
編集 赤林隆仁 時間 JST
◎TDXCが「PROPAGATION」第10号を発行
戸塚DXersサークル(TDXC)は年1回発行している会誌「PROPAGATION」を、今年も発行した。第1号の発行が2013年なので今年で節目の10号目となり、TDXC自体も発足10周年となる。今号は「10周年記念号」であり、各記事では10年間の
TDXC/PROPAGATIONの足跡を振り返るとともに、次の10年に向けての展望等を記述している。定番のペディション記事においては、
TDXC主催ペディションでの初受信となった北米東海岸中波局WBZの受信ルポをはじめとして、ソロペディ・キャンプペディ・「日本のCliff」でのペディ等、ユニークな試みが掲載されている。その他の記事としてアンテナや製作物の記事、製品レビュー、技術系記事、インタビュー、BCL旅行記、書評、アマチュア無線関連記事など盛り沢山で多様な構成となっている。執筆者全員がBCLブーマーであり、掲載されているBCLエッセイには「スカイセンサー」「FRG-7000」「セクシーオールナイト」「BCLスパルタ教室」「ヤロメロ」など、懐かしいキーワードが見られる。閲覧希望者は、下記URLよりpdf形式でダウンロードできる。http://my-bcl-life.sakura.ne.jp/PROPAGATION.htm。(TDXC
中川弘夫氏)
表紙はSangean ATS-909X2(長谷川眞也氏作)
◎アルジェリアが新短波送信所からの試験送信開始 ~15340kHzは24H
英国のDave
Kenny氏によると、Algerian
RadioはOuarglaとBecharに建設した新短波送信所からの試験送信を開始した。両短波送信所にはサハラ以南のサヘル地域をカバーするためAmpegon社製300kW短波送信機が設置され既に数年間が経過していた。2022年7月21日に技術者が送信試験の準備を開始し、翌7月24日の01:00頃より15340kHzと15100kHzでRadio Algerie Chaine
1(アラビア語、一部フランス語)の内容が送信されていた。両送信所からの届出送信スケジュールはhttp://hfcc.org/data/schedbybrc.php?seas=A22&broadc=TDAに掲載されているが、これとは異なっている。(WORIG 7/23)
ブラジルのJosé Ronaldo
Xavier氏も7月25日の04:30頃Bechar送信所からの信号を17600kHzで、同日05:20頃Ouargla送信所からの信号を15340kHzで受信している。(WORIG
7/24)
HFCC登録のTelediffusion
d'Algerie(TDA)のスケジュールは以下の通りである。Ouarglaからの送信はO(300kW・210°-アフリカ西部向)、
Becharからの送信はB(300kW・131°-アフリカ東部向)で示す。×は送信がない、あるいは未確認。
09:00-10:00 13600O×<実際は15340> 15250B×
10:00-13:00 7430O ×<実際は15340> 9750B×
13:00-14:00 7200B× <実際は7430> 7430O× <実際は15340>
14:00-15:00 7205B× <実際は7430> 9750O× <実際は15340>
15:00-16:00 7430O 15680B×
16:00-17:00 15340O 15680B×
17:00-20:00 15340O 17600B×
20:00-22:00 15700O× <実際は15340> 17600B×
22:00-23:00 15700O× <実際は15340> 21500B×
23:00-03:00 17550O× <実際は15340> 21500B×〈実際は02:00-3:00 21450〉
03:00-05:00 17550O× <実際は15340> 17600B〈04:00-05:00のみ〉
05:00-06:00 15250B× 15100B
06:00-09:00 13600O× <実際は15340> 15250B× <実際は06:00-08:00 15100>
結局Ouarglaからの送信は15340kHz(24H)のみ、Becharから送信は7430kHz(14:00-16:00)、
21450kHz(02:00-03:00)、17600kHz(04:00-05:00)、15100kHz(05:00-08:00)となっている。(Bulgarian
DX blog 7/26 7/29)
Ouarglaはアルジェリア東南部」のチュニジア国境近くに位置し、FMと中波の送信施設があります。またBecharは同国西南部のモロッコ国境近くに位置し大規模な中波・長波送信施設が存在しており、いずれも短波送信施設の追加建設となります。
◎Radio Netherlands消滅から10年
2022年6月29日は1947年4月に放送を開始して一時世界中のBCLを魅了したRadio Netherlands
Worldwideが消滅してから10周年に当る。2011年にオランダ政府が同局の予算を年間4600万ユーロから1400万ユーロに削減し、その予算で報道の自由を守る団体を設立することにしたため、同局は消滅を余儀なくされた。当時の番組ディレクターであったJonathan
Marks氏が放送最後の日に話した20分間の録音が公開されている。https://jonathanmarks.libsyn.com/radio-netherlands-last-minute-interviews-20-21-utc-june-29th-2012。Hilversum(局があった場所)からの番組で育ったBCLには懐かしい内容である。(AIB
media industry briefing 2022/6 via WORIG 6/30)
Hilversumにあった同局の局舎は体育館として使われているそうです。
Radio Netherlands Worldwide最後の日2012年6月29日のスタジオ内(上記URLより)
◎DWがロシア語放送復活
ドイツのArthur Pozner氏によると、Deutsche
Welleは2022年7月2日よりロシア語放送を復活した。毎日03:00-03:30に1386kHz(リトアニアRadio Baltic Waves
75kW)で放送される。(WORIG 7/1)
DWのロシア語URL
◎トルコがVOA・DWの中継放送を禁止
英国のMike
Cooper氏が、RFIの報道として伝えたところによると、トルコはウクライナ侵攻中のロシアとの間で新たな外交的緊張を引き起こす可能性があるとの理由で、同国内で米国VOA及びドイツDWを中継することを禁止した。これはアンカラ裁判所が6月28日に裁定したもので、両局がトルコ国内で番組を流す免許の更新申請を行わなかった事が表面上の理由である。しかし実際には今年からトルコ政府による番組検閲が免許申請条件となったため両局が申請を見送っからである。米国とドイツはトルコにとって一応は西側同盟国だが「言論の自由」をめぐって新たな亀裂を生み出している。なおこの言論規制は今後トルコ国内で情報提供するすべての外国機関に適用される。原記事はhttps://www.rfi.fr/en/international-news/20220701-turkey-cuts-access-to-us-german-public-broadcasters。(WORIG 7/1)
◎Siktkunai送信所の中波新周波数1557kHz認可
ベルギーのMichel Fremys氏によると、リトアニアSitkunai送信所を管理するLRTC(Lithuanian Radio and
Television
Center)が再入札の結果落札したため、同社に対し当局は同社に対し新周波数1557kHzの使用を認可した。LRTCは今後時間貸しを行うユーザーを選定する見込みである。同送信所は1557kHz用に送信機を新規導入する予定である。リトアニアには他にViesintos送信所があるが、ウクライナ戦争勃発後他諸国の放送局による送信依頼殺到で満杯状態であった。そこで他国の国際放送局の需要に応えるため認可を申請していた。なお政府の発表では送信出力、国際用・国内用の区分等は明らかにされていない。(Radio
Magazine via WORIG 7/5)(WWDXC TP 1510)
◎Radio Lenta出現 ~Sitkunai送信所から? 3版新規
ドイツのKai Ludwig氏によると、2022年8月1日より1557kHzで「Radio Lenta(Радио
Лента)」とアナウンスするロシア語局が受信されている。ウクライナに根拠地を置いていると称しているが、ウクライナ東部の2州について「ルガンスク共和国」や「ドネツク共和国」とロシア側の言い方を使用しており、「所謂」という言葉を冠していない点から疑わしい。ところが番組内容は明らかに反ロシアであり、信号は1035kHzや1386kHzと同じ方向から来ているという。またロシアのSt.Petersburgでの受信状態は1386kHzや
1413kHzよりかなり強力である。既報のようにリトアニアのTelecentrasはSitkunai送信所よりの1557kHzの送信免許を取得しており、ここから出ているものと考えられるが確証はない。(WORIG
8/5) mwlist.orgによればRadio
Lentaはリトアニアから送信されており出力は150kW。本来オンラインでは24時間放送だが、1557kHzでは01:00-03:00はRadio
Polandのポーランド語(前半)及びベラルシ語(後半)も中継されている。(RUS-DX 8/7 via WORIG 8/7)
上記の1035kHzはエストニアのRadio Eli、1386kHzはリトアニアのBaltic
Wave、1413kHzがGrigoriopol送信所で何れも高出力です。ロシア語のлентаはリボン・飾紐の意味。オンライン放送はhttp://www.lentaonline.comで聴くことができます。8/5付mwlist.orgの情報では送信所はSitkunaiと確定しています。なお8月5日からは「Radio
Pravda AM 15-57」とアナウンスしていたそうで、Rado Lentaと同局かどうかも気になるところです。
◎Tropical Bands Monitor 7月アップデート発行
米国のGlenn Hauser氏によると、デンマークDSWCIより「Tropical Bands
Monitor」の7月アップデートが発行された。http://www.dswci.org/tbmonitor/2022.pdf。(WORIG 7/4)
Anker Petersen氏編集、2ページ。
◎European private SW stations7月アップデート版発行
米国のGlenn Hauser氏によると、スペインのLa Asociación Española de Radioescucha
(AER)より「European private SW
stations」の7月1日改定版が発行された。https://aer.org.es/wp-content/uploads/2022/07/2022-07-01_221658.pdf。(WORIG 7/4)
◎dxsignal.ruのオーディオアーカイブ
ロシアのDmitry
Mezin氏によると、閉鎖を余儀なくされたロシアのdxsignal.ruについて、過去のオーディオアーカイブは以下のサイトで聴くことができる。https://drive.google.com/file/d/1AKv1dDirnLL-CuG4pgsMHOmEJz3akQ3R
/view?usp=sharing。合計1.15GBの容量がある。大きなファイル全体をダウンロードし、英語ではindexen.htm、ロシア語ではindex.htmを入力すれば良い。アーカイブ内にはユーティリティー局の録音も多数収納されている。(WORIG
7/7)
ロシアのDmitry Mezin氏によると、RadioHeritageサイトでもdxsignal.ruのオーディオアーカイブを聴くことができるようになった。https://www.radioheritage.com/dmitry-mezin-collection-true-sound-audio-archive/。英語版だけでなくロシア語版も聴くことができる。(RUS-DX 7/17 via WORIG 7/17)
◎BCLに興味あるサイト
カナダRadio H.F. Internet Newsletterの発行者Sheldon
Harvey氏によると、BCLに興味のあるBCLサイトが以下の様に発見された。
THE LOW POWER AM RADIO NETWORK http://www.lpam.net/ 米国の低出力AM放送局ネットワーク
RADIO WAVES BELOW 22 KHZ http://www.vlf.it/ VLFだけでなくELF/SLF/ULFもカバー
HOMING IN http://homingin.com/ 無線方向探知の専門サイト
THE WRECK SITE https://www.wrecksite.eu/ 難破船に関するサイト
(WORIG 7/6)
◎オーストラリア新局「Shortwave Australia」4835kHzで出現
ニュージーランドのBryan
Clark氏によると、オーストラリアの新局が7月4日の17:30頃試験電波を4835kHzで出しているのが受信された。ノンストップの音楽とID
「Shortwave
Australia」が出た。周波数は4835kHzと2310kHzとアナウンスされた。ニュージーランドの自宅よりも、タスマニア州や南オーストラリア州のリモートSDRの方が良好な受信状態であった。アナウンスされていた2310kHzでは確認できなかった。(WORIG
7/5)
米国のRon Howard氏は同局の運営者であるDave Stuart氏(E-mail<vk3ase @
yahoo.com>)より以下のような内容のメールを受け取った。現在の出力は旧ABCの50kWに対して200Wなので見つけにくいのは仕方がない。カバーエリアはオーストラリア東南部である。放送内でIDはコンピューター合成の女声により約10分間隔で出すようにしている。自分は2016年ハワイで旧ABCの4835、2310kHzを受信したこともある。米国のSDRで当局のシグナルが米国でどのように聞こえるか確認して見たいがまだ成功していない!(WWDXC
TP 1511)
米国のGary Pence氏がDavid
Stuart氏から受け取ったメールによると、正確なカバー目標はVictoria州Bendigoを中心とする半径500kmの地域で、ポータブルラジオとロッドアンテナだけでも受信できる。更にMelbourne、Adelaide、New South
Wales州南部でも聞こえるであろう。電離層に向けて垂直に電波を放射するNVISアンテナを使用しているため、それほど遠方に信号が届くとは思っていない。現在使用中の周波数は4835kHz(200W)と2310kHz(100W)、予算状況とフェーディングを起こす危険性から増力は考えていない。放送時間は14:00-19:00だが、受信状態が良ければ19:00以降も放送することがある。日没前後の1時間ずつが最良の受信時間帯だからである。従って季節によって放送時間を変えることになる。現在のところ局ではHPを開設しておらず、QSLカードも作成していない。ABCの旧周波数の短波放送ではあるが、純然たる趣味の放送局で「新Radio
Australia」ではない。(WORIG 7/26) Ozy RadioのCraig Allen社長がこの周波数の免許取得を宣言していました。
◎2325kHzにもオーストラリア局
オーストラリアのBrian
Powell氏によると、2325kHzでもオーストラリアで良く聴かれるモダンダンスミュージックを流している局が17:00過ぎに受信できる。これは New
South Wales州北部のWee Waa(ウィーワー)にあるPeter
Tate氏の放送局(元々1611kHzで放送していた)の可能性がある。(WWDXC TP 1510)
上記の中波局は「小電力AMコミュニティー局」に属する局で、「Station X-XRN Australia」とリストされています。
◎Channel 292がOvercomers Ministryの放送を削減 2版修正
ドイツのHansjoerg Biener博士によると、Channel 292は米国の教団Overcomes
Ministry系の中継を長時間行ってきた。この教団は極端な終末論を唱えており、聴取者から厳しい批判が殺到していた。当初同局は「当局の経営は趣味の放送の中継だけではやっていけない、長期的な安定が必要だ」として批判に反発していた。現在3955及び9670kHzでは1日15時間行われており、6070kHzでは行われていない.。2022年7月16日に更新された同局の番組予定からはOvercomes
Ministry及びその系列の中継の記述がすべて消滅している。(WWDXC TP 1510)(BDXC Communication August via
WORIG 8/6)
◎Popshop Radio
ドイツのBernd Seiser氏によると、カナダのPopshop Radioは1960-70年代のレコードの中から「Top
40」などで取りあげられなかったポップスや英語以外の歌を中心に放送している。7月1日以降のスケジュールは以下の通りである。
欧州向 Channel 292中継 木曜 01:00-02:00 日曜 06:00-07:00 3955 9670
北米向 WRMI中継 月曜 10:00-11:00 5950
この他に特別のテーマの放送が他の時間に行われることがある。受信報告にはeQSLが発行される。宛先は<radiopopshop @
gmail.com>。(WWDXC TP 1510)
◎ロシアからのDWの追放
英国のAlan
Pennington氏がドイツDWの報道として伝えたところによると、2022年2月3日にロシア政府は制裁を発動し、モスクワのDW支局事務所を強制閉鎖した。支局の職員はすべての資格を剥奪された。またDW衛星放送の受信や中継も禁止された。DWのPeter
Limburg
CEOはこの措置を批判し、「ロシアの措置は理解不可能」として今後もロシアでの報道を継続すると宣言した。更に3月28日ロシア当局はDWを法律上の「外国の手先」と認定し登録簿に掲載して活動に制約を加えた。この措置についてはドイツ政府はロシア政府に対して抗議を行った。(WWDXC
TP 1510)
◎英国Woofferton送信所が試験送信にQSL発行
英国のDave
Porter氏によると、同国のWoofferton送信所はQSLポリシーを明確にしていなかったが、試験送信に対する受信報告にはQSLを発行することにした。特に送信品質やDRM等のデコード品質の報告が重視される。受信報告の宛先は<transmissiontest
@ gmail.com>である。
最近では2022年6月30日及び7月1日の15:30-16:00 6195kHz 114°、17:30-18:00 9410kHz
92°で、ガンビアでの遠隔学習用に教師の音声と講義のテキストや図版をDRMで一挙に短波で伝達する試験を行った。このQSL発行サービスはDave Porter氏とDave Passey氏が協力して行うことになっている。(WWDXC TP 1510)
◎ロシアがウクライナの占領地域に続々と放送局を設立
ロシアのTASS通信によると、ロシアはウクライナで占領したKherson地区に10以上の放送局を設立した。当初はRadio
Khersonのみであったが、その後Nashe Radio、Kazak FM、Radio Russii、Radio Zvezda、Vesti FM、Europe
Plus、Pervoe Radioが運用に入っている。(RUS DX 7/10 via WORIG 7/10)
7月14日よりKherson地区でRusskoe Radioが106.2MHzで放送を開始した。(RUS DX 7/17 via WORIG 7/10)
◎Ukrainian Radioがストリーミング放送を復活
英国のRichard Langley氏によると、Ukrainian
Radioは一時中断していたストリーミング放送を2022年7月7日より復活した。第一放送はhttp://www.nrcu.gov.ua/schedule/play-live.html?channelID=1である。(WORIG
7/10)
◎EiBi抽出英語放送スケジュール
米国のKraig
Krist氏は2022年7月6日のEiBiスケジュール表から英語放送分のみを抽出したものを作成した。https://www.kg4lac.com/上よりpdf版を閲覧できる。(WORIG
7/12)
◎混んでいる米国のFMバンド
米国ではFMバンドの拡張が計画されているが、英国のMike Terry氏がRadio
World(https://www.radioworld.com/news-and-business/business-and-law/fm-band-just-keeps-getting-more-crowded?)の報道として伝えたところによると、米国のFM局数は2022年現在
21,858局で、過去10年間で26%にあたる4,601局も増加している。昨年から今年まで1年間でも256局増加した。(WORIG 7/12)
中波からFMに乗り換える局が多いからでしょうか?
◎WRMIの最新送信計画
イタリアのG.A.
Marabello氏によると、米国WRMIは2022年7月11日現在の最新送信計画を発表した。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/13Hra1coQGQAKDzn8QGeAqPuXbvFsn7umGzESGJQUx5k/edit#gid=0。 (WORIG
7/12)
◎ロシアのCWビーコン局
カナダのWalter Salmaniw氏がモニターしたところでは、13528kHz±100Hzで以下のようなロシアCWビーコン局が確認された。
"D" Sevastopol(クリミア占領地)
"S" Severomorsk(Murmanskの近く)
"C" Moscow(?)
"A" Astrakhan
"K" Astrakhan
なお"F" Vladivostok、”M"Magadan、”P"Kaliningradは確認出来なかった。(WORIG 7/11)
"K"は日本でも夕方聞こえます。
◎米国FCC建物内への立入を認める
米国FCCは新型コロナ蔓延のため2020年3月より建物内立入を禁止していたが、6月9日より規制が解除され、予定されている会合の参加者で48時間以内に新型コロナ陰性証明を取得し事前にセキュリティーチェックを受けた者はの入場が認められるようになった。(Arctic
Radio Club mv-eko via WORIG 7/11)
◎英国のAM・FM放送廃止計画
英国の「Radio
Today」(http://www.radiotoday.co.uk)によると、同国では今後アナログAM・FM放送の廃止が加速されて行く。まずBBCの中波・長波放送は2024年までに原則全廃する。最初に廃止されるのはBBC
Radio 5 Live(909/693kHz)とBBC Radio 4の中波放送である。その後BBC Radio 4の長波放送(198kHz)、BBC
Local Radioの中波局が廃止される。最後に廃止されるのはBBC Radio
Scotland(810kHz)で遅くとも2025年になる。国営のAbsolute
Radio(1215kHz)を含む商業AM放送も2025年までに廃止されることになっている。現在廃止時期を検討している状況で2023年頃から順次廃止されて行く。少数民族向やコミュニティー放送の免許を与えられているAM局は廃止の対象外で、Radio
Caroline(648kHz)は生き残ると思われる。
FM放送は2030年までに全廃する。まずBBC
RadioとGlobal・Bauerの2グループに属するFM放送から廃止される。FM放送でもコミュニティー放送の免許を与えられている局は残存する予定である。
BBCはAM放送廃止で浮く5億ポンドをデジタル放送に投資する。BBCローカル局制作の番組は近隣局でシェアするようにする。またローカルのみの娯楽番組は制作を取り止める。
BBCでは2022年7月7日BBCを「デジタル放送化第一(digital-first)」を目標に改革することが職員に通告された。その過程で
1,000人の人員削減を行うとされている。期日は明記されていないが2027年12月までには実施されることになっている。
(Arctic Radio Club mv-eko via WORIG 7/11)
◎Radio CarpathiaがChannel 292とWRMIから
英国のAlan Roe氏によると、東欧の音楽を専門に放送するRadio CarpathiaがChannel
292とWRMIから短波放送を実施する。スケジュールは以下の通り。
7/17 19:00-20:00 9670 Channel 292
8/4 10:00-11:00 5850 7780 WRMI
8/4 22:00-23:00 15770 WRMI
8/7 10:00-11:00 5010 WRMI
同局のURLはhttps://radiocarpathia.caster.fm、受信報告は<radiocarpathia @
gmai.com>へ。最初の5通の受信報告(直接受信に限る)には紙のQSLカード、その他にはeQSLが発行される。(WIRIG 7/16)
◎NRC AM Radio Log第43版発行
米国National Radio ClubのWayne Heinen氏によると、NRC AM Radio
Logの第43版は8月に発行される。諸物価が上がっているが本体価格は昨年と同じに据え置いた。価格は海外向の場合輸送料込みでUS$55.75の予定だが、郵送料が値上がりした場合は変更される可能性がある。申し込み、送金先はNational
Radio Club, P.O. Box 473251, Aurora, CO 80047-3251,
USAである。Paypalによる支払いも可能である、http://www.nationalradioclub.org/を参照のこと。(WORIG 7/17)
◎チリRCW新周波数で
ブラジルのLucio Otavio Bobrowiec氏によると、チリのRadio Compania
Worldwide(RCW)が新周波数3995kHzで出ている。09:30頃確認した。(WORIG 7/17)
◎ニューヨーク地区で4FM局に閉鎖命令
英国のMike Terry氏によると、米国では違法局の摘発が相次いでいるが、FCCはニューヨーク地区の次の無免許放送局について閉鎖命令を出した。
105.7MHz 2062 Holding Corp., Bronx
95.3MHz Rachel Bridge Corporation, Rachel Bridge Corporation
87.9MHz Jean Yvon Francois and Elcie Francois-Lapomarede, Brooklyn
104.5MHz Michelle Hepburn, Mount Vernon
(WORIG 7/17)
◎Radio Delta International休局
スペインのManuel Méndez氏によると、オランダのRadio Delta International
6020kHzはここ数週間にわたり休局中である。局の運営者が病気になったのが理由で、Whattsappにも応答がない。(WORIG 7/17)
Whattsappは米国Facebook社が運営を行っているLINEに似た機能のメッセンジャーアプリ。
◎WTWW送信所のビデオ
米国のRon Howard氏によると、同国WTWW局のLebanon短波送信所のビデオ「A Tour Of The Transmitter
Site」がYouTube上で公開されている。https://www.youtube.com/watch?v=19_K24s-9vg。 (WORIG 7/18)
WTWW第3号送信機(上記ビデオより)
◎Hans Knot International Radio Report最新版発行
英国のMike Terry氏によると、欧州を中心とする海賊局の話題と情報を集めた「Hans Knot International Radio
Report」の2022年夏版が発行された。A4版37ページ。https://hansknot.com/reports
/hans%20knot%20int%20radio%20report%20-%202022-04.pdf。 (WORIG 7/18)
◎大西洋横断ヨットレース向気象放送 2版追加
大西洋横断ヨットレース「Mini-Transat」の参加者・関係者向に気象情報の放送がTDF
Issoudun送信所より7/20-8/17に行われる。スケジュールは以下の通りである。欧州南部・北アフリカ・大西洋向、で言語はフランス語・英語。出力250kW、方向256°。
00:00-00:30 5975 13735
(Bulgarian DX blog 7/21)
英国のDave Kenny氏によると、この気象放送に付随して「Sailer DRM
tests」と称する大西洋上のヨット向DRM短波試験放送が以下の予定でIssoudun送信所より行われる。
8/1-9/30 09:00-10:00 6940
7/19-9/30 15:00-16:00 6115 9740
7/19-9/30 21:00-22:00 13730 15535
7/20-10/1 03:00-04:00 11915 15535
(BDXC "Communication" August via WWDXC TP 1513)
◎Radio Andorraリバイバル放送の8・9月スケジュール
Radio Andorraリバイバル放送の8・9月スケジュールは以下の通りである。Moosbrunn送信所、出力100kW、フランス語。
8/7 02:00-03:00 6180 270° 07:00-08:00 13730 295°
9/4 02:00-04:00 6180 270° 07:00-09:00 13730 295°
(Bulgarian DX blog 7/24)
◎TDF大西洋向海事DRM試験放送
フランスTDFは2022年7月19日~10月1日早朝に大西洋上の船舶向DRM試験放送を以下のスケジュールで実施する。Issoudun送信所、出力100kW、英語・フランス語。
09:00-10:00 5975 307°
15:00-16:00 6115 307° 9740 320°
21:00-22:00 13730 307° 15535 207°
03:00-04:00 7305 300° 11915 307° 15535 307°
(Bulgarian DX blog 7/24)
◎チェコで中波DRM試験放送
英国のMike Terry氏がRadio Worldの報道として伝えたところによると、チェコのラジオ送信会社České Radiokomunikace
(CRA) がボヘミア南部のČeské
Budějovice送信所より出力3.16kW、高さ106mのHAATアンテナを使用し、954kHzにて中波DRMの試験放送を実施している。CRAはこの試験で現存する中波送信機をDRM化できるかどうかの可能性を2023年までに確かめたいとしている。番組はČeský
RozhlasのニュースチャンネルRadiožurnálを流している。Český
RozhlasはFM化・DAB化を目指してAM送信の数を減らしてきているが、DRM放送の実用化に目処がつけば、残存するAM設備の活用法として注目したいとしている。原記事はhttps://www.radioworld.com/global/cra-runs-drm-digital-am-trial-in-czechia。(WORIG
7/25)
◎オランダMike Radioの新スケジュール
2版修正
オランダMike Radioの2022年8月1日からのスケジュールは以下の通りである。すべてHeerde送信所 1kW 欧州西部向オランダ語。
土・日 15:00-24:00 5840
毎日 24H 3940 Heerde送信所 1kW 欧州西部向オランダ語
3940kHzの代替周波数として7495kHzを設定している。(Bulgarian DX blog
8/2)この局はHFCCに登録していますが、オランダ政府が免許した正式局ではないそうです。HFCCは政府組織ではないので、登録要請があれば調整・登録を行うとのことです。
◎ラトビアが防衛用短波システムを導入に
英国のMike Cooper氏によると、ラトビア国防省は防衛用短波システム「BRASS/BLOS(Broadcast and Ship to
Shore/Beyond Line of Site)」を1940万ユーロの予算で導入する計画である。NATO Communications and
Information
Agencyを導入計画のエージェントとし、NATO安全保障投資プログラム(NSIP)が費用の内810万ユーロを負担し、残りの1130万ユーロはラトビア政府が10年間の債務として負担する。原記事はhttps://latvia.postsen.com/news/40452/The-Ministry-of-Defense-plans-to-implement-a-short-wave-radio-communication-broadcasting-system-for-194-million-euros.html。(WORIG
7/27) NATOが推奨している軍事用海事通信システムで現行の衛星通信システムの補完用として使用されます。Broadcastと称していますが、放送用に使用されるかは不明です。短波で「Riga
Radio」が復活するかも知れません!
◎南極LRA36から新QSL ~ 4女性隊員のサイン入り
2022年5月7日にLRA36 Radio Nacional Arcángel San
Gabrielの信号がキャッチできたので、レポートしたところ、6月27日にeQSLが届いた。eQSLには昨年LRA36運用のために派遣された4人の隊員のサインが入っていた。(東京都
三井洵氏)
三井氏が受領したeQSL 下部に左からClaudia Albarracin、Romina Zabalza、Euginia
Rodricuez、Maria Churquinaの女性隊員4氏の署名がある
◎KTWRの2波が他送信所から代替 2版新規
KTWRの技術部長Mike
Sabin氏によると、9975kHz及び13740kHzを送信している第7号送信機が不調となり、古い送信機のため修理部品が簡単には調達できない状態であるため、英国Encompass社の仲介でDushanbe及びDhabayya送信所で同一周波数にて代替することになった。
21:00-21:30 9975 Dushanbe 250kW 87° 東アジア向TWR 21:00 中国語 21:15 月-土
彝語
21:45-22:30 13740 Dhabayya 250kW 85° 南アジア向TWR-India 21:45 日-水 英語 22:00 月-金
ヒンズー語 22:04 月-金 英語 22:15 日 Bhatri語
(Bulgarian DX Blog 7/22)
◎KTWR・フレンドシップラジオの短波放送が停止中 3版追加
KTWRの日本語放送「フレンドシップラジオ」(毎週日曜21:15-21:45
9380kHz)は2022年7月10・17・24・31日の短波放送が中止された。8月7日再開と言われていたが当日も不調に終わった。番組の一部がweb上(https://friendshipradio.net/ktwr.htm)で流された。短波送信機の不調が原因で部品が届き次第短波送信を再開するとのこと。8月7日再開と言われていたが当日も不調に終わった。(東京都 小笠原孝氏)日本向け9380kHz(100kW
345°)の送信機は1976年米国Harris社製SW-100と推測され、本来置換時期を過ぎている機械を修理しながら使っている状況と推測されます。上記の記事とも関連がありそうです。
◎VOA英語放送のストリーミング放送
米国のKim Andrew
Elliott氏によると、VOAの英語放送はhttps://stream.radiojar.com/t2n88q0st5quvで聴くことができる。これは友人のSteve
Hermann氏から教えてもらったもので、VOAは発表していない。(WORIG 7/28)
24時間流されていますが、VOAのwebサイトhttps://www.voanews.com/programs/radioでは4つの番組が紹介されているだけで、英語放送の番組表は見当たりません。
◎インドのAIR海外放送用高出力中波放送の現状
インドのJose Jacob氏によると、AIRのRajkot送信所(1071kHz
1000kW)はこのところAMモードのみで放送しており、DRMモードの放送は出ていない。以前はDRMモードのみで放送していた。
残存している海外放送用高出力中波送信所からの放送は以下の通りである。
Chinsurah 送信所 594kHz 1000kW 09:30-18:00 19:00-03:30 ベンガル語/Maitree語 バングラデシュ向
Rajkot送信所 1071kHz 1000kW 13:00-16:45 18:30-20:30 ウルドー語 20:30-21:00 Saraiki語
21:00-22:30 パンジャブ語 パキスタン向
(WWDXC TP 1512)
◎短波ドップラー実験局JG2XAの現状
米国のRon Howard氏によると、日本の短波ドップラー実験局JG2XA(5006
8006kHz)は現在電気通信大学大学院情報理工学研究科の細川敬祐教授が管理している。受信機で聞こえる信号はキャリアのみで以前のようにCWによる
IDは出ていない。出力は60W程度の低出力である。(WWDXC TP 1512)
2003年から東京調布の電気通信大学で行っている電離層の状態調査のための実験プロジェクトです。送信所からの短波電波を11カ所の受信所で受信し電離層によるドップラーシフト(周波数変位)を計測しています。常時の結果はhttp://gwave.cei.uec.ac.jp/cgi-bin/hfd/dsp.cgiに表示されています。
◎Radio Jong Europe Netherlandsが6130kHzにQSY
Radio Jong Europe Netherlandsは7月31日現在6130kHz(Alphen aan den
Rijn送信所、1kW、無指向性)を使用している。オランダ語放送が17:00に開始する。(Bulgarian DX blog 7/31)
同局は元々中波(801kHz、1548kHzなど)で放送していた局ですが、短波周波数は49mbで6120、6125、6160kHzなどにQSYしています。
出典の略称
WORIG : World of Radio io group
WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle