月刊短波2024年8月号(第2版)
編集 赤林隆仁  時間  JST

◎JSWC今年もハムフェアに出展  2版新規
 
日本短波クラブ(JSWC、大武逞伯理事長)は2024年8月23日(土)、24日(日)に東京の有明GYM-EXで開催される「2024ハムフェア」に今年も出展することになった。場所はC-24で、例年通り各放送局からお資料配付、サンプル会誌の配布、アンケートの実施、BCLに関する相談対応を行う。なお今年は会場の都合で例年同時に行われている総会・講演会は9月に鎌倉で開催する。(日本短波クラブ)今年は「東京ビッグサイト」ではなくゆりかもめの「有明テニスの森」前の有明GYM-EXとなりますので注意が必要です。りんかい線「国際展示場」駅からは「東京ビッグサイト」の反対側に徒歩約15分です。

◎USAGMサントメ中継局廃止
 
英国のDave Kenny氏によると、1530kHzと短波でVOAの放送を中継していたUSAGMのサントメ中継局が7月に突然廃止された。サントメ中継局はVOAリベリア中継局(1990年設置)が内戦で使用できなくなったことから1992年よりサントメPinheiraの、旧Radio Nacional送信所の跡地より、中波用にはHarris社製VP-100B 100kW送信機、短波用にはTomcast社製100kW送信機4基で運用を開始した。電力は自前の5MWディーゼル発電機5基より供給し、沖合5kmに停泊するタンカーからパイプラインで給油された。また用水供給施設も自前で建設した。2003年には海岸に沿って新しい送信棟が建設され1530kHz用送信機はHarris社製600kWのものに更新された。同時に腐食の進んだアンテナを2基のtrellis型に更新した。更にRadio Nacional de São Tomé e Principeの945kHz用Harris社製20kW送信機と無指向性アンテナも設置された。巨大な指向性アンテナは、北東から東南東に向かって円を描くように設置され、±24°で回転が可能で、位相を変えることでビームの高さと幅を調整できるようになっていた。更に15本のダイポールカーテンアンテナが18列に並んでいた。(WRTH Facebook via WORIG 7/31) 7月27日に突然廃止された模様です。

海沿いの広大な敷地にあるサントメ中継局(VOAのQSLカードより)


◎6145kHzでボリビア局出現  
2版追加
 
コロンビアのRafael Rodriguez氏によると、6145kHzでスペイン語局が新たに11:55頃出てきている。IDは「Radio Betania」と言っており、ボリビアATTの許可の下で放送しているとアナウンスされていた。Radio Betaniaは93.7MHzで放送しているボリビア局で、https://www.facebook.com/radiobetania.oficial上で出ているストリーミング放送の内容は短波で放送中のものと合致した。この周波数は元々カトリック局Radio Juan XXIIIが使用していたものだが、同局はストリーミングを行っていない。但し同局が2024年3月に6145kHz用のアンテナを改修したという情報があり、多分Radio Juan XXIIIが復活してRadio Betaniaを中継しているのではないかと推測される。6145kHzの放送内容はこの時間カトリックの説教と音楽であった。(WORIG 7/27)
   同氏が送信機を担当したTelsat Boliviaの技術者から得た情報では、6145kHzは確かにRadio Juan XXIIIの復活である。スケジュールは20:00-22:00と06:00-08:00で番組はカトリック局Radio BetaniaのFM放送97.3MHzの内容をそのまま流している。既に南半球のいくつかのKiwiSDRでも受信が確認されている。(WORIG 8/10) Radio BetaniaのQTHはCalle Manuel Ignacio Salvatierra #169, Santa Cruz de la Sierra, Bolivia、E-mailは<rrss@radiobetania.com>、URLはhttps://radiobetania.com/。Radio Juan XXIIIはhttps://radios.com.bo/juan-23/上でストリーミング放送を行っていましたが、現在は出ていません。

 

◎ブラジルのラジオ日系が復活
 
日系人向け番組である Radio Nikkey が、サンパウロ近郊Guarulhos市のGRU FM(84.7MHz)で復活した。公式な放送時間は月~土曜日19:00-20:00(再放送は火~日曜日10:00-11:00)となっているが、7月時点では5分早く終了している。担当はパウロ宮城(平日)と横地純治(土曜日)である。内容はポルトガル語による音楽番組であるが、土曜日には日本語のアナウンスも行なわれている。ただし、どの曜日もアナウンスは少ない。番組で流される音楽は、月曜は唱歌(と言っているが、実際は懐メロ)、火曜は演歌、水曜はインターナショナル(フォークソング、シティーポップ)、木・金曜はヒット曲ミックス、土曜はJ-Popsとしている。番組は放送局のサイト https://grufm.com.br/ 。(東京都 平原哲也氏)84.7MHzとは日本のFMバンドの周波数ですね!



◎貴州広播電台故事広播が停止
 
2024年7月17日に中国国家広播電視総局が更新した全国放送局リストによると、貴州広播電台故事広播(FM90.0MHz)が消滅した。実際には2024年4月16日よりFM放送は停波しており、インターネット放送も7月13日現在停止されていた。貴州広播電台では昨年に都市広播(106.2MHz)も廃止されたが、今回はその時と異なり何らの事前通告なしに突然廃止された。貴州広播電台故事広播は2011年4月に放送を開始、国内外の金融、不動産、自動車、その他の業界情報を分野別に次々と更新して放送し、貴州省では異色な存在であった。2019年3月には茅台酒の会社と合併し「貴州広播電台故事広播茅台之声」という局名になったが、2022年には再び元の局名に戻った。2024年1月1日には番組改編を行ったばかりであった。(Cahcn的自留地 7/18)



◎Encompass社WRNロシア語放送短波中継を拡大
 
ウクライナのAlexander Miatlikov氏によると、2024年8月3日よりEncompass社はWRN(World Radio Network)のロシア語放送短波中継を1時間に拡張する。スケジュールは次の通り。周波数は13650kHz(Dhabbaya送信)
 02:00-02:30 火 RNE 水 特別番組 木 音楽 金 WRNの過去番組 土 WRN独自番組 日 Radio Australia 月 特別番組
 02:30-03:00 火 United Nations Radio 火~月 WRNの番組
(WORIG 7/27) 短波でRadio Australiaが聞ける数少ない機会です。

◎英国DX Engineering社のオーナーが引退
 
英国のJon Collins氏によると、英国の有名なHAM/BCL機器販売店DX Engineering社はオーナーが引退することになり、閉店する可能性が出てきた。オーナーには協力者もおり、会社が他社に買収されることは防いだ。(WORIG 7/25) https://www.dxengineering.com/で営業は継続しています。



◎Kiwi SDR2の販売再開
 
昨年末に発売されたがすぐに在庫がなくなり販売中止になっていたKiwi SDR2の販売が7月より再開された。日本向の価格は約6万円+送料約8千円程度(円相場でかなり動く)で、https://kiwisdr.nz/上よりオンライン発注可能である。(赤林)

◎エストニアで放送開始100周年記念切手発行
 2024年5月10日、エストニアでラジオ放送開始100周年記念切手が発行された。€4.20切手だが、10枚綴りのシートとして販売されている。詳細はhttps://www.stampworld.com/de/stamps/Estonia/Postage%20stamps?type=BHL&view、https://colnect.com/en/stamps/list/variant/1488659を参照のこと。(WWDXC TP 1584) エストニアの大衆向ラジオ放送は1924年12月18日に首都Tallinで開始された「Kopli Radio」局でした。日本より若干早かったのです。



◎スイス公共放送2024年末にFMアナログ放送を終了
 スイス公共放送(SRG/SSR)は2024年12月31日を以てFMアナログ放送を終了すると発表した。スイスでは既にFM放送を聴いているのはリスナーの10%以下となったとしている。詳細はhttps://www.srgssr.ch/de/news-medien/news/srg-schaltet-ukw-per-ende-jahr-abを参照のこと。(RUD-DX #1296 via WWDXC TP 1584) 「時代遅れのFM放送にサヨナラする」としています。

◎WWVBの減力送信続く
 カナダのJon Pearkins氏によると、2024年4月6日強風により2本のアンテナの内南向の1本が使えなくなった米国の長波時報局WWVB(60kHz)は北向の標高857mにあるアンテナのみで送信しており、出力は通常の75kWから30kWに減力されている。電波時計等は、磁気嵐の時以外は正常に同期動作をしており大きな影響はない。5月20日には補修用の資材が届き南向アンテナは復旧できたが、30kWへの減力状態はそのまま継続することになった。今のところ影響はあまりないようである。そもそもWWVBが2つのアンテナを使用している理由は、1962年に長波の時報信号を開始した時に、20kHzのWWVLと60kHzのWWVBの2局からそれぞれのアンテナで送信していたことによる。1972年にWWVLは廃止され、WWVBはWWVLの使用していたアンテナからも送信するようになり2本の体制となった。両アンテナは1999年に立て替えられて現在に至っているのである。(IRCA DX Monitor July via WORIG 7/2)

◎天津海岸電台が北極海海路通報を開始
  米国Bruce Churchill氏がReutersの報道として伝えたところによると、中国の天津海岸電台(コールサインXSV)は北極海海路の海路通報の提供を開始した。北極海海路は中国、ロシア共同で開発が進んでおり、中国・欧州間の海路距離はスエズ運河経由の約21,000マイルに対して8,000マイルほど少なくて済み、更にマラッカ海峡を通過せずに済むため西側の監視を回避できる利点がある。通報は7/1~10/31の、毎日15:00と23:00に、ベーリング海峡、ドミトリー・ラプティフ海峡、カルスキエボロタ海峡等について行われる。元記事はhttps://gcaptain.com/china-starts-regular-sea-ice-forecasts-for-northeast-passage-off-russian-coast/?subscriber=true&goal=0_f50174ef03-026954a747-170705871&mc_cid=026954a747&mc_eid=7566fe6d7c。(WORIG 7/3)
  ロシアのAnatoly Klepov氏によると、上記放送はこれから毎年行われ、SSBの音声で放送される。(WWDXC TP 1585) 実際に受信して見たところ、15:00の放送は13092、17392kHz、23:00の放送は4399、8755、13092、17392kHzで受信できました。何れもUSBモードです。最初に中国語のIDが2回出て、約1分間の短い通報の後すぐに終了しています。17392kHzが安定していて聞きやすいようです。なお17392kHz他では通常の中国沿岸気象情報も09:40、12:40、16:40、19:40、00::40に行われており、こちらは毎回約16分です。同海岸局のQTHは中国天津市塘沽区杭儀路1361号、E-mailは<tianjinradio @ 163.com>。

◎ブラジル海賊局Rádio Ameixinha
  ブラジルのLucio Otavio Bobrowiec氏によると、7550kHzで海賊局Rádio Ameixinhaが03:30-05:30頃受信されている。IDは「Rádio Ameixinha transmitindo para todo noroeste paulista」とSão Pauloの北西全体に放送しているとしている。(WORIG 7/5) "ameixinha"とは李(すもも)のこと。所在地はSão Paulo州Mirandópolis。 URLはhttps://radioamexinha.github.io/radio/、送信出力100Wで9.93m×2の半波長垂直ダイポールアンテナから出ているとしています。放送時間は現地時間の平日03:00-11:00、土日00:00-11:00です。E-mailは<radioameixinha @ gmail.com>。



◎米国NRCが中波局QSLデーターベース作成
 米国の中波受信専門クラブNational Radio Club(NRC)は、有力メンバー25名が収集した過去の中波局QSLカードをデーターベース化し「National Radio Club Verifications On Display」として公開した。すべてのQSLはpdf形式で閲覧できる。 https://nationalradioclub.org/QSLs/qsls.html。(CIDX Messenger July 2024 via WORIG 7/6)

◎Radio Free Asiaが広東語短波放送を中止
 Alexander Miatlikov氏がドイツ「Shortwave Listening」の報道として伝えたところによると、米国のRadio Free Asiaは2024年7月5日、7月8日以降広東語の短波放送を中止し、ネット上での提供のみにすると発表した。これは政府による予算削減に対応した措置である。元記事はhttps://kurzwellenradio.wordpress.com/2024/07/06/radio-free-asia-ends-shortwave-broadcasts-in-cantonese/。(WORIG 7/6) A24スケジュールでは主として香港・マカオ・広東省向に毎日23:00-24:00 土・日13575 火・木13795 月・水・金13755kHzでTinian送信所から行われていました。Tinian送信所の廃止と関連があるのでしょう。

◎Radio Vanuatuの現スケジュール
 Tony Rogers氏がオーストラリア、ニュージーランドのリモートSDRを利用して確認したところによると、Radio Vanuatuは7月初旬現在以下のスケジュールで放送している。
 03:30頃-04:58 3945
 04:59-06:58 7260
    06:59-15:48 9960
   15:59-18:58 3945
   18:59-20:00頃 7260
(WORIG 7/8)

◎AM放送がなくなる欧州
 英国のMike Terry氏がredtechの報道として伝えたところによると、欧州ではオーストリア(2008年)、スイス(2010年)、アイルランド(2012年)、ドイツ(2015年)、ベラルーシ(2016年)、アルバニア(2017年)、ベルギー(2018年)等20カ国以上でAM放送が停止され、欧州全体でAM放送は100局未満となった。AM放送が残っていた英国でもBBCは2027年までに全廃する方針である。AM放送が残存しているのはエストニア、ギリシャ、ハンガリー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スペインなどだが、これらの国でも送信出力を下げて放送している。自動車ラジオにはすでにAM受信機能が搭載されなくなっており、AMを聴きたくても聴けない状況になりつつある。スペインの場合、1日の聴取者数でAMは1985年にFMに、2013年にオンラインラジオに、2021年にはテレビ経由のラジオに追い抜かれた。現在毎日AM放送を聴いている人は50万人で、13歳以上の人口のわずか1.2%である、しかもAM聴取者の平均年齢は他のプラットフォームよりも高い。現記事はhttps://www.redtech.pro/medium-waves-sunset-in-europe/。(WORIG 7/11) それでも現状では欧州に行くときはAMラジオを持って行く価値があるようです。

◎米国下院公聴会でVOA幹部を共和党が喚問
 米国のDan Robinson氏によると、2024年7月9日米国下院外交委員会ではUSAGM/VOAの経営責任に関する公聴会が開催され、Amanda Bennett USAGM長官、Michael Abramowitz現VOA局長、Steve Capus RFE/RL社長等が、(VOAの報道方針に批判的な)共和党議員から厳しい喚問を受けた。その模様はhttps://www.youtube.com/watch?v=8U2-EEP6j0Eを参照のこと。(WORIG 7/10) VOAの基本方針「事実をありのままに伝える」ことに対して米国内では共和党を中心に厳しい批判が起きており、予算削減や廃止論が出てきています。

◎AFN-沖縄はAM放送を1年間停止
 英国のSteve Whitt氏が米軍紙Stars and Stripesの報道として伝えたところによると、AFN-沖縄は5-6月にかけてAM放送用アンテナに8回の雷撃を受け、6月12日以降648kHzで放送されている「SURF648」は送信を停止している。AFNでは2008年に再建した鉄塔を2024年11月末に撤去して、2025年6月頃までに新しい鉄塔を建設してAM放送を再開する予定にしている。SURF648の鉄塔は2023年3-9月にも送信を停止して支持ワイヤーの交換を行ったが、その時タワー本体を保護する変圧器等に深刻な腐食が発見されており、今回タワー全体の取り替えに踏み切った。2024年6月までは5kWで送信されていたが、新設後は10kWで送信し沖縄全島と周辺の島をカバーできる見込みとのことである。AM放送再開まではスマホアプリ「AFN Go」やFM放送(89.1MHz)を利用して欲しいと言っている。AFN-沖縄のAMアンテナは沖縄県浦添市城間のCamp Foster海兵隊基地内にあるKinser小学校の隣に位置している。(WORIG 7/10)

中波放送の中断を伝える同局のfacebook錠でのメッセージ


◎RNZ Pacificが新送信機のDRM送信試験も実施
 英国のMike Terry氏がDigital Radio Mondialeの発表として伝えたところによると、Rangitaiki送信所に設置された100kWのAmpegon社製送信機から17900kHzでDRMの試験送信も開始された。試験送信の内容は文字による「試験メッセージ」の送信である。(WORIG 7/10)

◎TDXCから「PROPAGATION」第12号発行
 戸塚DXersサークル(TDXC)は例年通り、年1回発行の会誌「PROPAGATION」の第12号を発行した。新会員の加入もあり総勢18名の執筆者で過去最多の220ページのボリュームとなっている。内容は定番のペディ・旅行記に関しては、バルセロナやフィリピンといった海外での果敢なDXチャレンジを始め、すっかり定着した感のある岩手・北山崎、そして新潟弥彦山、近場では茅ヶ崎でのチョイぺ、更には寝台特急など電車内での受信まで、大変なバリエーションとなっている。DXテクニック・テクニカル系では北米中波を狙う新たなノウハウ、新製品PRESEUS22レビューや、アンテナ・ノイズ対策など、実践的な記事が豊富である。今号では連載のOM探訪では初の海外DXerの登壇、またTDXC名鑑ではメンバー2人が紹介されている他、自身のBCL履歴を振り返る記事も複数あり、大勢のお仲間のBCL的来歴を楽しむことが出来る。この他無線の楽しみ方に関する記事、講演会録、BCLと音楽、BCLとグルメなどのエッセイもあり、多様性に富んだ内容となっている。本誌は2024年8月1日以降にTDXCホームページ(https://www.tdxc.net/)より、無料でダウンロードが可能である。(TDXC 中川弘夫氏)



◎昆明・烏魯木斉送信のDRM短波試験局がモード変更
 中国のDXerが観測したところによると、2024年6月下旬より昆明及び烏魯木斉送信のDRM短波試験送信(CNR-1)のモードが変更されている。
 昆明局 13810kHz 13:00-20:00 15180kHz 10:00-13:00
         codec: AAC → xHE_AAC
         ID: 2 → 3EB
         error correction: UEP (21.7%) → EEP
         bit rate:8.38kbps → 14.56kbps
 烏魯木斉局 17830kHz 10:00-17:00 9655kHz 22:00-01:00 17:00-21:00
        codec: AAC → xHE_AAC
  ID: 3EC → 3FC
  error correction: UEP (21.6%) → EEP
(Cahcn的自留地 7/14)

◎Hans Knot International Radio Report 2024年夏版発行
 英国のMike Terry氏によると、欧州の海賊局やその歴史を中心に扱っている「Hans Knot International Radio Report」の2024年夏版(第4版)が発行された。今号では半世紀以上前に英国に現れた海賊局Radio 355や海賊TV局について言及している。ダウンロードはhttps://offshoreradio.info/wp-content/uploads/2024/07/hans-knot-int-radio-report-2024-04.pdf。(WORIG 7/15)

◎ブラジルRádio Voz Missionáriaが各周波数で元気!
 米国のPaul Walker氏によると、ブラジルのRádio Voz Missionáriaが各周波数で13:00台に良好に受信できている。何れもこのところ聞こえなかった周波数である。帯域も広く音質も改善されている。周波数は5940、9665、11745kHzの各周波数。同局のURLはhttp://www.radiovozmissionaria.com.brである。(WWDXC TP 1585) 日本では18:00-19:00頃(19:00からはCNRが出てくる)の遅い時間の9665kHzが狙い目。メールは<radiovozmissionaria.oc @ gmail.com>。



◎もう出ない「European Private Shortwave Stations」
 デンマークWorld Music RadioのStig Hartvig Nielsen社長は欧州の低電力短波放送局のリスト「European Private Shortwave Stations」を定期的に出していたが、2024年7月分で発行を打ち切る。必要な情報について各放送局が非協力的な上、周波数の使い方がその場しのぎで不規則であり、リスト通りに受信できないことが多いからである。(BDXC "Communication" July 2024 via WWDXC TP 1585)
 
◎メキシコRadio EducaciónのeQSL
 チリのMarco Antonio Gomez Munoz氏によると、6185kHzで放送中のメキシコRadio Educación(コールXEPPM)は<ondacorta @ radioeducacion.edu.mx>ないしは<Contactore @ cultura.gob.mx>宛に送付した受信報告に対して <pcruz @ cultura.gob.mx>よりeQSLを送ってきた。発行者はDirector GeneralのJesus Alejo Santiago氏。(DX Fanzine #130 via WWDXC TP 1585)

◎Radio MoldovaからeQSL
 インドのPradip Kunda氏によれば、Radio Moldova(1494kHz)は受信報告に対してQSLレターを送ってきた。発行者はCommunication and International Relations DepartmentのAndrei Luchianciuc氏。宛先は<andrei.luchianciuc @ trm.md>である。(WWDXC TP 1585) ロシア占領地域でない本当のモルドバの局です。

◎ロシアのRadio Mariaまたピンチ
 ロシアSt.Petersburgで1053kHzで放送しているカトリック放送局Radio Mariaaは財政難から閉局の危機にある。7月現在で約2ヶ月間休波している状態である。(RUS-DX #1298 via WORIG 7/14)

◎南極LRA 36 Radio Nacional Arcángel San Gabrielの短波送信機一時撤去
 ウルグアイのHoracio A. Nigro氏が、アルゼンチンRAEのAdrian Korolから得た情報によると、南極のLRA 36 Radio Nacional Arcángel San Gabrielの現用送信機コリンズHF-80は現在撤去されアルゼンチン本国に輸送中である。天候が良ければ同じCollins社製の新送信機が交換でもたらされる予定である。9月初旬頃には新送信機が到着して15476kHzで送信を再開する予定であるが、南極は冬季で交通手段が悪く予定通り行かない可能性もある。放送はオンラインストリーミングやスマホアプリでも受信できるが、短波の放送は世界中のリスナーが聴くので、アルゼンチンの南極活動や南極での権利をアピールする需要手段と政府は考えている。新送信機はアルゼンチンの通信会社Trialcomから寄付されたものであり、同社によりスタジオコンソールや放送用オーディオ機器、送信用アンテナも新規交換される予定である。同局のオンラインストリーミングはhttps://www.radionacional.com.ar/tag/lra-36-arcangel-san-gabriel/で聴くことができる。(WORIG 7/18)

◎BBC更に500人を削減へ ~World Serviceの存在も見直し
 英国のMike Cooper氏がフランスAgence France Presseの報道として伝えたところによると、英国BBCは「スリムで機敏な組織」を実現するとして、今後20ヶ月間に500人の職員を削減し、現状組織の廃止、成長部門であるデジタルコンテンツへのシフトを発表した。それにより2億ポンドを節減することができるとしている。既に過去5年間で1,500人の削減を行っており、職員給与も2021年以降横這いとなっていた。インフレが進む中で受信料(年間169.5ポンド)の値上げが認められない上に契約者の減少で年間8千万ポンドも収入が減少し、更に売上も2%減少したのが大きな要因である。また国際放送BBC World Serviceについても「世界の民主主義が危機的な状況に陥った」時のみ適切に支出する方法について政府と協議中である。原記事はhttps://www.france24.com/en/live-news/20240723-bbc-to-axe-500-more-jobs-in-bid-to-be-more-agile。(WORIG 7/23) World Serviceに対する言及が気になります。

◎BBCのコンテンツは世界の4.5億人が聴取
 英国のMike Terry氏がRadio Worldの報道として伝えたところによると、BBCのコンテンツを国際的に聴取している人数が2024年現在4億5千万人となり、前年より300万人増加した。これはラジオ、TV、webサイト、SNSすべての聴取者数であり、BBCの英国市場向放送の聴取者数は除外された数字である。BBCは国際的ニュースプロバイダーとして大きな力を依然として保持しているとしている。2024年現在BBC World Serviceは42カ国語で放送され、聴取数は3億2千万人である。特にアラビア語放送の聴取者数は9%増加したが、これはガザ戦争の影響が大きく、BBC World Serviceがキプロス中継局からガザ向に639kHzで開始した「Gaza Daily」の放送もこれに貢献している。また英語放送の聴取者数は台湾とフィリピンに多く、全世界では8400万人に増加している。ラジオ放送、TV放送の需要が国際的に減少する中で聴取者数を増やしているのはBBC World Serviceのニュースプロバイダーとしての信頼性と独立性が他のメディアより優れているからとBBCでは評価している。BBC NewsのJonathan Munro副CEOは「今後も大胆不敵で公正な報道」を続けるとしている。原記事はhttps://www.radioworld.com/global/bbc-says-450-million-consume-its-global-programming。(WORIG 7/23)

◎旧DSWCIのwebサイトは2025年3月に閉鎖 ~DBS及びTBSも終了
 ドイツのRolf Wernli氏によると、DSWCI(Danish Shortwave Club International)は2016年末に同クラブが解散した後もAnker Petersen氏によって維持され、Domestic Broadcasting Survey(DBS)とTropical Band Monitor(TBM)は同氏が更新して掲載していた。しかしDBSは2024年版、TBMは2024年6月版を以て同氏は編集を停止することになり、また現在維持されているwebサイトは2025年3月いっぱいで廃止・削除されることになった。従ってサイトに蓄積されている過去の出版物はそれまでにダウンロードしておく必要がある。(A-DX via WORIG 7/23)

DSWCIのHP  右下に閉鎖のメッセージが表示されている



◎ブラジルRádio Educacão Ruralが短波で復活
 オーストラリアのRob Wagner氏によると、しばらくQRTしていたブラジルのRádio Educacão Rural(在Coari)が短波5035kHz(ZYF272、5kW)で復活した。19:00-20:00前後に音楽番組が受信できる。19:00にはブラジル国歌とID(「Radio Coari」と言うこともある)が出ることもある。(NASWA Electronic Flashsheet #1161 July 21 via WWDXC TP 1586)

◎Arne Skoog氏を偲ぶビデオ公開
 ロシアのAnatoly Klepov氏によれば、Radio Swedenの人気番組「Sweden Calling DXers」のホストを務めた故Arne Skoog氏(1913-1999)の業績を偲ぶビデオ「Arne Skoog: The Visionary of Shortwave and His Eternal Legacy.Sweden CallingDXers.」がYouTube上で公開されている。https://youtu.be/MyYBzN6sgbEまたはhttps://www.youtube.com/watch?v=MyYBzN6sgbEで視聴できる。(RUS-DX #1298 via WWDXC TP 1586) ヒンズー語の字幕が入っています!



出典の略称
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  

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