月刊短波2024年11月号(第2版)
編集 赤林隆仁  時間  JST


◎VORW Radio Internationalがアジア方面向高出力定期放送実施
 2版新規
 
米国VORW Radio InternationalのJohn Jurasek氏によると、同局は2024年11月12日にアジア向け高出力定期放送を実施する。スケジュールは以下の通り。
 火曜 00:30-01:30 17810kHz 250kW Issoudun 東欧・中東・中央アジア・南アジア・東南アジア・豪州向
 受信報告は<vorwinfo @ gmail.com>へ、eQSLを発行する。(WORIG 11/9) VORWはVoice of the Report of the Weekの略。

◎Radio Deltaが12085kHz使用開始 2版新規
 
スペインのManuel Méndez氏によると、オランダのRadio Deltaが2024年11月10日より12085kHzを使用し始めている。01:15頃強力に確認できた。(WORIG 11/10)

◎Moosbrunn送信所からの最終送信予定 2版新規
 
2024年12月31日に閉鎖されるオーストリアMoosbrunn送信所の年内の送信予定は以下の通りである。
 6155kHz:オーストリアORF第1放送(OE1)の朝のニュース 月-金 15:00-015:30
 6070kHz:Radio DARC 日曜 19:00-20:00
 7330kHz:Radio Joystick 12/1 20:00-21:00
 6070kHz:SM-Radio Dessau 12/8 21:00-22:00 12/26 18:00より最後の「100kWマラソン」 12/31 21:00-22:00 特別放送
 以上の他、12/25にNDR Hamburgによる「Gruss an Bord」の放送に使われることが決まっているが最終的な周波数は発表されていない。HFCCに登録されるいるのは03:00-06:00に9610/9810/9610kHzのいずれかで送信方向は115°である。
 関連する局や組織の連絡先は次の通り。
 ORF <oe1.service @ orf.at>
 Radio DARC <radio @ darc.de>
 Radio Joystick <jhofstadt @ jhofstadt.de>
 NDR <technik @ ndr.de>
 SM-Radio Dessau <maxberger @ smradio-dessau.de>
(WWDXC TP 1596)

◎デンマークAnker Peteren氏死去

 ドイツのHansjörg Biener氏によると、欧州BCL界の大御所デンマークのAnker Petersen氏が死去した。83歳であった。詳しい情報は現在のところ不明。(WORIG 10/23)
    氏は北ヨーロッパで短波受信が盛んであった1950年代半ばから短波受信を開始し、Danish Shortwave Club International(DSWCI)の設立メンバーの一人となり、多くの情報をDXerに提供してきた。(Italradio via WORIG 10/22)
    職業はデンマーク空軍の軍人であった。空軍大佐として退役した後は、Copenhagen近郊に家を取得し、生涯独身を貫きDXingに専念した。当時デンマークに本部のあったWorld Radio TV Handbookの編集発行人(故)Jens M. Frost氏とは友人関係で、WRTHの編集にも協力した。1967年には欧州DXerの連合組織European DX Council(EDXC)を設立、本部は氏の自宅で、1968年のEDXC総会は氏の自宅で開催された。2010年にはインドを訪問し、当時のAIRの関係者やインドのDXerと懇談した。(ICDX Asian DX Review Oct 2024)  2016年のDSWCI解散後も同クラブのHPを維持し(2025年3月までの予定)、「Domestic Band Survey」を2024年版まで毎年発行して世界のDX界に貢献されました。また1967-1969年に旧Radio Denmarkから放送されたDX番組「DX Window」のホストを務めました。


2017年にフィンランドTampereで開催されたEDXC総会で講演するAnker Petersen氏(EDXC)


◎「Wavescan」はAWRとは関係なく存続 ~WRMI等で継続
 米国のGlenn Hauser氏が、DX番組「Wavescan」の現在の制作者である米国Ray Robinson氏(Voice of Hope World Radio Network)より得た情報によると、「Wavescan」はAWRとは関係なく制作が継続されることになった。AWRで同番組を制作していたAdrian Peterson氏が引退した後はRobinson氏が制作を引き継いでいたが、AWRからは今回番組を打ち切るという連絡はなく、またその件について問い合わせても返答がなかった。さらにAWRのpodcastサイトにも掲載が行われていなかった。氏はAWRともその母体のSeventh Day Adventist World Churchとも何の関係もない。今後はAWRとは関係なく「Wavescan」の制作を継続する決定をし、放送してくれる放送局を探したところ、WRMI、WWCR、VOH-Africa、IRRSの4局から放送を行うことになった。現在アジアをカバーする放送局で放送できないかを交渉中である。また過去数か月分を含めて毎回の放送をpodcastで提供するサイトを開設した。https://wavescan.podomatic.com。(WORIG 10/28)



◎サイクル25のピークは2025年いっぱい続く

 英国のMike Terry氏が米国ARRLの「The K7RA Solar Update」の報道として伝えたところによると、米国NASAとNOAAは2024年10月15日共同声明を発表し、現在太陽活動極大期が進行中で、この段階が終了するのに2~3年かかる見込みであるとのことであった。従って2025年いっぱいかそれ以降までこの極大期が継続することになる。現在のサイクル25には2つのピークがあり2025年に2つ目のピークが到来すると予測される。(WORIG 10/25)


◎VOA博物館が11月まで休館

 オハイオ州BethanyにあるVOA博物館は、電気・通信系統の配線の取り替え、展示物の大幅更新、展示スペースの拡張のため2024年10月は休館し、11月中に再開を予定している。(WORIG 10/4)

休館中を示す立て札(同博物館HPより)


◎USAGM/VOAが庁舎移転へ
 米国のDab Robinson氏がRadio Worldの報道として伝えたところによると、VOAはUSAGMとともに70年あまり使用した現庁舎(連邦Wilbur J. Cohenビル、330 Independence Avenue, SW)から、ジョージ・ワシントン大学の近隣に位置する新庁舎(1875 Pennsylvania Ave, NW)に移転することになった。新庁舎は15年契約の貸しビルで、15年間で1億5000万ドルの費用節減になると試算されている。移転は2024年10月より数ヶ月中に開始され、数年にわたって段階的に実施される。現庁舎は1954年から使用されているが、元々は1939年に社会保険庁の庁舎として建てられたビルで、簡約古典主義建築(Stripped Classicism)、エジプト風復古スタイル(Egyptian Revival styles)等当時はやった建築様式の典型として史跡リストにも登録されているが、グローバルな情報戦争を戦う拠点としてはテクノロジー機能が不足していた。再構築には費用がかかりすぎるため、この決定となった。原記事はhttps://www.radioworld.com/news-and-business/headlines/voice-of-america-will-get-a-new-headquarters。(WORIG 10/4)

(左)Wilbur J. Cohenビル(Wikipediaより) (右)移転先の新ビル(Google Street Viewより)
   

◎Radio Blacksmith Knollが免許更新
 フィンランドのKari Kallio氏によると、同国の面白短波局Radio Blacksmith Knoll(6120kHz)は2024年8月6日に放送免許の更新を行い、認可された。今までのリスナーからの反響を分析した結果、皆が知っている番組内容に加えて、公にされていない情報も伝える必要性を感じた。これを実現するには著作権の問題があり、もっと資金を必要とすることが分かった。新免許での放送は2024年10月5日に開始される。新免許では1日24時間週7日間の放送は許可されなかったため、毎週日曜日の07:59(冬季)から24時間放送を行う。新免許の有効期間は2025年1月4日まで。なお現在の送信設備はアマチュア無線用のもので、元々24時間運用には適さない。リスナーからのコメントを歓迎するが、受信報告にQSLは発行しない方針である。(WORIG 10/5)

◎Pridnestrovskiy (Transnistrian) Radio Centerからのロシア放送中継
 モルドバのPridnestrovskiy (Transnistrian) Radio Centerは(PRTC)2024年10月1日以降ロシアの放送(のみ)を以下の様に中継している、
 Radio Russii 999kHz 01:00-05:30 欧州東部・ウクライナ・モルドバ向
 Vesti FM 1413kHz 12:00-06:00 ウクライナ・クリミア向
(RUS-DX #1310 via WORIG 10/6)
   ウクライナのAlexander Miatlikov氏によると、B24からは上記の放送時間が1時間遅れる可能性もある。ロシアでは年間同じ時間だがモルドバでは夏時間が採用されているからである。例えば同送信所から621kHzで出ているTransnistria's Radio 1 Plusは夏季は月~金の21:00-00:18に放送しているが冬季は22:00-01:18の放送となっている。(WORIG 10/8)

◎PRTCのTWR中継廃止は「制裁」
 モルドバPRTCは2024年10月1日より621kHz、1548kHzで行われていたTrans World Radioの中継を廃止した。PRTCは2007年以降ロシアの運営する施設となっているため、この廃止はロシア側から見るとロシア制裁の一環である。米国では2023年以降PRTCも「制裁対象リスト」に入っており、当然放送分野でのロシアとの協力は認められない。TWRはロシアの施設を使用することで罰金を科されるからである。(RUS-DX #1310 via WORIG 10/6)この送信所があるモルドバ東部ドニエストル川沿岸地域はロシア系住民がロシアへの帰属を求めてモルドバへの帰属を拒否している地域であり。ロシア軍が進駐して事実上ロシアの支配下にあります。

◎Pacific Asian Log 2024年9月版発行
 米国のChris Mackerell氏によると、太平洋地域の中波周波数の詳細を記述した「Pacific Asian Log」の2024年9月版がRadio Heritage Foundationより発行された。https://www.radioheritage.com/pacific-asian-log-pal-guide-september-2024-update/より参照・ダウンロードできる。(WORIG 10/7) Bruce Portzer氏編集、423ページ。アラスカ、アフガニスタン、タジキスタン、トルクメニスタンも対象地域に含まれています。

◎KTWRのB24 DRM放送スケジュール
 KTWRはB24のDRM放送スケジュールを発表した。B24で改定された点は以下の通り。
 ①中国向放送を1回分削除した。
 ②南アジア向放送を2回に分割し、同じ周波数だが曜日に応じて2つのアンテナで送信方向を微妙に(インド中部/南部)変えて放送する。
 ③日本向放送には引き続き25mbを使用するが、状況に応じて31mbに変更する。
 実際のスケジュールは以下の通り。
 土曜 19:59-20:30 12040 90kW 305°中国向英語
 土曜 20:30-21:30 11965 50kW 350°日本向日本語・英語
 月曜 01:00-01:45 15390 90kW 290°インド中部向英語
 日曜 01:00-01:30 15390 90kW 260°インド南部向インド諸言語
(ARDXC ADXN October 2024 via WWDXC TP 1594)

◎AWR B24での東南アジア向放送をKSDAにシフト
 Adventist World RadioはB24ではKSDA以外の短波送信を廃止する。これに伴い従来09:00-11:00にTashkent送信所、11:00-12:00にDushanbe送信所から行われていた東南アジア向け放送はKSDAからの送信となり時間も短縮される。B24スケジュールは以下の通り。出力は100kW、送信方向は285°。
 タイ語 09:00-09:30 17525
 ビルマ語 09:00-09:30 17650
    カレン語 09:30-10:00 17525
(WWDXC TP 1594)

◎ハンガリーは中波で国際放送継続
 ベルギーのMichel Fremy氏がRadio World 9/30の報道として伝えたところによると、ハンガリーのSolt中波送信所は1974年9月5日の高出力中波送信の開始から今年で50周年を迎える。ハンガリーに住んでいるマジャール人は、隣国及び欧州各地にも300万人が存在するが少数民族として無視されている国もあるため母国の放送を聞きたいという要求は大きかった。元々Lakihegyiに中波送信所があったが、混信が多く夜間に十分なカバーエリアを確保することが困難であった。そのため2000kWの高出力中波放送が計画され、Solt送信所にロシア製の1000kW送信機2基が設置され、結合して2000kWを出した。120kV高圧電流がドナウ川を渡って供給され、高さ303.6mのアンテナ鉄塔から送出された。導入後40年経った頃からアンテナ効率が30%程度に低下したため、2017年にはカナダNautel社製の新型高出力送信機が導入された。この送信機は400kWのブロック5基を組み合わせて2000kWを得ている。その結果アンテナ効率は90%に改善し、カバーエリアが拡大した上に、電力消費量は大幅に抑えられ、更に遠隔操作が可能となったため運用人員も少なくて済むようになった。局では古いロシア製送信機を当初予備用にとっておく予定としていたが、送信機では故障部分を切り離して出力を落として送信することができるため、その必要はなくなり、現在は長波の放送用に転用されている。現在昼間でもハンガリー全土、スロバキア、オーストリア、クロアチア、ボスニア、セルビア、ルーマニア、トルコで受信でき、夜間は欧州全体で受信可能である。同局ではこの高出力送信を今後も維持してゆく方針である。(WWDXC TP 1594) 540kHzで第一放送Kussuth Radioの放送が行われています。

Solt送信所の303.6m鉄塔と給電ケーブル(Wikipediaより)


◎アイスランドRUVの長波放送が9月よりQRT ~そのまま廃止決定!
 フィンランドのMauno Litola氏によると、アイスランドRUVの長波放送189kHzが2024年9月5日の18:00以降放送されていない。同局に問い合わせたところ送信施設の故障によるものだとのことであったが、189kHzの放送は元々2024年末に廃止される予定になっていた。(WWDXC TP 1594)
   ベルギーのMichel Fremy氏がRadio Magazine facebookに投稿した情報によると、アイスランドRUVの長波放送は既に9月以降休止されているが、RUVは20204年10月17日、GufuskálarのEiðum送信所の長波送信鉄塔を使用停止とする決定をし、長波放送はそのまま終焉することになった。長波で行われていた安全に関する放送は、FM配信システムで代替することにし、FM放送が届かない地域では衛星システムを利用することになるが、RUVによると、現在長波受信機を持っている家庭はほぼ皆無で、自動車ラジオでは長波は受信できないため、影響はないとしている。長波送信鉄塔も老朽化しており再建や維持のためにコストをかける価値がないと判断した。この長波鉄塔は高さが412mで、アイスランドでは最も高い鉄塔である。1963年に当時のLORAN-C測位システム用に建設され、1997年よりはRUVが長波放送用に使用していた。(via WORIG 10/19) 停波の原因は停電だったらしいですが、そのまま廃止が決定されてしまいました。アイスランドに残存する唯一のAM局でEiðar送信所より100kWで送信されていました。

◎ブルキナファソでVOA放送停止
 ブルキナファソの軍事政権はVOAに対してラジオ放送を3か月間停止する命令を出した。これに伴い首都OuagadougouにあるVOAのFM送信所は閉鎖された。理由はVOAが同国で起きたイスラム過激派の襲撃を応援・加担したというもので、同時に罰金4万2000ドルが科せられた。同政権は既にRFIなどの放送を無期限に停止している。(WORIG 10/9) 2022年のクーデターで政権をとった同国の政権は親露・親中、反欧米政策をとっています。既にロシアの傭兵が進駐しています。OuagadougouのVOA Africaは102.7MHzで放送していました。このように現地FM中継は時の政権によって簡単に閉鎖されてしまうリスクがあります。

◎WWVBが10月10日より正常運用
 米国Andy Reid氏が米国NISTの公式発表として伝えたところによると、長波時報局WWVB(60kHz)は強風により南側のアンテナが損傷したため、2024年4月7日以降、北側のアンテナのみを使用し、出力を落として運用していたが、2024年10月10日より正常運用に戻った。(WORIG 10/11)

◎RealMixRadioがwebサイトを一新
 フィンランドのKari Kallio氏によると、同国のRealMixRadio(6185/6195kHz)はこのほどwebサイトを一新した。https://www.realmix.fi/。なお同局は10月中旬現在6195kHzで出ている。(WORIG 10/12) 受信報告も新サイトから送ることができます。

◎ロシアのRadio Maria復活
 St.Petersburgから放送している、カトリック局Radio Mariaは2024年10月10日より1053kHzで放送を復活した。(RUS-DX #1311 via WORIG 10/13)
Radio Mariaは2024年10月10日の13:00(現地時間08:00)より放送を再開した。周波数はSt.Petersburgでは中波1053kHz、郊外のVyborgではFM92.6MHzである。同局に関する情報はhttps://vk.com/radiomariarussiaを参照のこと。停波の第一原因である資金問題は一応解決し、負債は返済された、第二原因であったデコーダーの電源部品の調達は結局困難であったため、別の場所で見つけたユニットを修理して代用した。(RUS-DX #1311 via WORIG 10/20) カトリックの放送局であるため「西側の手先」として弾圧を受け、たびたび放送が中断していました。



◎HFCCのB24スケジュール公表
 2024年10月27日より開始されるB24スケジュールが、10月13日HFCCより公開された。http://hfcc.org/data/b24/index.phtml。(RUS-DX #1311 via WORIG 10/13)

◎Radio Netherlandsの想い出
 英国のSimon Hicks氏によると、かつてRadio Netherlandsの英語放送キャスターとして活躍したJonathan Marks氏(現在は英国で活躍中)が当時の想い出や同放送の歴史を多数の写真・ビデオ・録音とともに「The Forgotten Firsts — Remembering Radio Netherlands」としてまとめた記事がhttps://medium.com/@j.p.marks/the-forgotten-firsts-remembering-radio-netherlands-44c04c151f0b上に掲載されている。有料サイトだがこの記事だけならば無料で閲覧できる。(WORIG 10/13)

◎フィンランド時報局MIKESの現状
 オーストリアのPatrick Robic氏によると、フィンランドの時報局MIKES(25000kHz)は長らくQRTしていたが、2024年10月6日に送信を再開した。同国のMauno Ritola氏によると、現在24時間送信中だが、出力は1W以下である。現在送信所を移設して100Wで送信する計画中であるが、たびたび延期されており、早くても来年になる見込みである。(Shortwave Bulletin 10/13 via WORIG 10/13) 国営の時報局で、Espoo送信所から出ています。

◎スイスSTAMPFUL社より高級プリセレクター「Wave Block」発売
 スイスSTAMPFUL社は高級プリセレクター「Wave Block」を発売した。0-30MHzを8つのバンドに帯域に分割し、その帯域以外をほぼ完全にカットアウトして増幅する。詳細はhttps://www.fenu-radio.ch/Stampfl_Waveblock.htmを参照のこと。(Shortwave Bulletin 10/13 via WORIG 10/13) 価格は約$3,600(54万円)で、大半の受信機の本体価格を上回ります!



◎Voice of Hope Africaがスケジュール変更
 インドのJose Jacob氏によると、ザンビアのVoice of Hope Africaは2024年10月14日よりスケジュールを以下のように変更する。出力は100kW。
 13:00-17:00 9680
    23:00-01:00 9680
    01:00-05:00 4965
    DX番組「Wavescan」は日曜日の16:00、月曜日の03:00に放送される。
(WORIG 10/13)

◎米国の放送局数
 米国FCCは2024年10月7日、同年9月30日現在の放送局数を発表した。それによると米国のラジオ放送局の数と内訳は以下の通りとなっている。
 AM放送局 4,400 (-44)
    FM商業放送局 6,618 (-45)
    FM教育放送局 4,377 (+81)
    計 15,395 (+2)
 FM中継局 8,894 (-597)
    低電力FM局 1,967 (+0)
(IRCA DX Monitor items Oct 19 via WORIG 10/14) カッコ内は2023年末の数値との増減です。AM/FMともに商業放送局の減少が加速しており、ラジオ放送自体が危機に向かっている状況が感じられます。

◎Radio Joystick 2025年からはWoofferton中継に
 フィンランドのKari Kallio氏によると、ドイツのRadio Joystickは毎月第一日曜日の20:00-21:00に放送しているが、オーストリアMoosbrunn送信所の廃止に伴い、2025年初頭よりは英国Wooferton送信所より9600kHzで放送する。当面の放送予定は以下の通り。
 2024/11/3、2024/12/1 7330kHz (Moosbrunn)
    2025/1/6以降 9600 (Woofferton)
(WORIG 10/18)

◎AWRのB24からの放送スケジュール
 インドのJose Jacob氏によると、Adventist World Radio(AWR)のB24スケジュールがリリースされた。GuamのKSDA局からの送信のみになる。詳しくはhttps://qsl.net/vu2jos/B24/KSDA.pdfを参照のこと。(WORIG 10/17) KSDAからの送信も縮小され、アフリカ向放送は全廃、英語放送がなくなり、DX番組「Wavescan」もなくなります。

◎DWの海外向短波放送B24スケジュール
 米国のStephen Luce氏によると、DWはB24スケジュールをHP上に発表した。https://static.dw.com/downloads/70535834/B24_Radio_shortwave.pdf。毎日放送されるのはアムハリ語だけで、アラビア語は週1回のみの放送。I:Issoudun、N:Nauen。
 エチオピア向アムハリ語 毎日 01:00-02:00 11830I 15275I
    スーダン向アラビア語 水曜 21:15-22:00 15390I 17570I
    木曜 03:30-04:15 11830N 15275N
(WORIG 10/18) 大のDWがたったこれだけです! 1日1時間、水・木のみ1.75時間!

◎SPW Radio Warsaw B24に再登録!
 ドイツのHansjörg Biener博士によると、HFCCのB24スケジュールに「SPW Radio Warsaw」が再度登録されている。
 16:00-01:00 7415 Babice 10kW 無指向
    16:00-19:00 7430 Babice 10kW 無指向
 と記載されている。この局は1923-1939年にポーランド国際放送の送信拠点として使われたBabice送信所を顕彰するために企画された放送局である。2014年に「Babice送信所友の会」が設立され、翌2015年にはワルシャワ工科大学がBabice上空での電波伝播調査飛行を実施した。2016年には同送信所の最初のコールサインにちなんだアマチュア無線局SN1923AXLが設置された。2020年に「Babice送信所友の会」はこの送信所からの短波放送復活を計画し、古い送信機を修理可能な技術者を探す活動を行った。計画では10kW送信機から欧州向に、第二次大戦前にこの送信所から行われていた国際放送のコールサインSPWを冠して「SPW Radio Warsaw」のと名付けた短波放送を週1時間実施することにして2020年にHFCCに一度登録したことがある。(WORIG 10/18) ノスタルジック面白局ですが、今回は電波が出るのでしょうか、期待したいものです。

◎B24スケジュールで気が付いたこと
 米国のGlenn Hauser氏はHFCCのB24スケジュールで以下の事に気が付いた。
 ・米国WBCQ局は米本土のMonticello送信所からの放送以外に、ブルガリアの送信所(250kW)から13:00-21:00 13840kHz、13:00-18:00 13850kHzを登録している。「World Last Chance]の放送用か?
 ・短波から完全撤退した筈のVoice of Greeceが、Avlis送信所からの古い周波数を登録している。09:00-13:00 9935kHz、12:00-16:00 11645kHz、04:00-08:00 9420kHz。短波放送復活を目論んでいるのか?
 ・オランダのRadio Europe NetherlandsがAlphen aan den Rijn送信所から出力2kWで、5995/6130/7335/18925kHzで24時間放送を登録している。
 ・オランダのBroccoli Trash Metal & Grungeという会社が、Overslag送信所から出力1kW・90°で、11:00-14:00に5955kHzの放送を登録している。
 ・短波放送から撤退した筈のJordan Radio &TelevisionがAl Karanah送信所から500kWで以下の放送を登録している。14:00-17:30 7155kHz 350°11810kHz 94°、01:00-03:00 11995kHz 350°、02:00-06:00 6105kHz 94°、03:00-07:00 9830 300°、07:00-10:00 15435 300°。短波放送を再開するのか?
 ・スペインREEは北米向200kW・290°の放送(日・月 01:00-09:00 17855、火-土曜 04:00-13:00 9690、火-土曜 05:00-09:00 17855)に加えて、毎日302°で05:00-09:00 15110を追加登録している。多分英語放送は火・木・土曜の08:00-08:30になる。
 ・WRMIは新たに17775kHz 160°で24時間の放送枠を登録。
 ・Radio Russiaが16:00-01:00 13610 21:30-24:00 11955 (Moscow 250kW 267°) 05:00-01:00 9500 (Khabarovsk 50kW 38°) を登録。DRM放送か?
 ・Voice of Russiaが極めて多数の周波数を登録、多分登録だけの模様。詳細はhttp://www.hfcc.org/data/schedbybrc.php?seas=B24&broadc=VORを参照のこと。
 ・米国WTWWは現用の5920kHzを登録せず、現在は使用されていない5830、9940、15810kHzを新たに登録。
 ・ポーランドSPW Radio Warsawが再登録(上記記事参照)。
(WORIG 10/18) HFCC登録は周波数・時間の「枠取り」ですので、いつもの事ながら実際に放送されるかどうかは分りません。また登録は非合法の海賊局でも可能です。

◎TDXC中川弘夫氏がRob Wagner氏を訪問
 2024年10月、TDXC(戸塚DXers Circle)の中川弘夫氏が、メルボルンからシドニーに移動する途中、Mount Evelynにある豪州BCL界の重鎮Rob Wagner氏宅を夫婦で訪問し、Wagner氏夫妻と双子のお孫さんの歓迎を受けた。早速Wagner氏の「Mount Evelynシャック」を見学、受信機やオーストラリアでの受信状況の話題で話がはずんだ。Wagner氏は現在のアンテナ整備状況や1970年代から中南米局より受領したQSLカードについて説明した。中川氏は短波の他、中波やFMのDXingに興味を持っていることや、Icom、Yaesu、Sony、Panasonic、Kenwood、AOR、JRC等の受信機コレクションを行っているが最近使っているのは専らPerseusやAir-SpyなどのSDR受信機であることなどを話した。またTDXCが発行している「PROPAGATION」最新号の冊子版をWagner氏に贈呈した。原記事はhttps://medxr.blogspot.com/2024/10/an-international-visitor-to-radio-shack.htmlに掲載されている。(Mount Evelyn DX Report Oct 18 via ドイツ Wolfgang Bueschel氏)

◎福建交通広播・応急広播との二重放送を認可
 2024年9月、中国国家広播電視総局は福建人民広播電台交通広播(100.7MHz)が「福建応急広播」としても放送することを認可した。通常は毎日08:00、13:00、19:00(JST)に「福建人民広播電台交通広播、福建応急広播」という局名がアナウンスされ、緊急事態発生時には終日この局名で放送する。
 2024年10月現在このような二重放送が認可されたラジオ局は他に以下の通りである。
 海南広播電視台 海南新聞広播・海南応急広播 88.6MHz 2021年2月認可
 汕頭広播電視台 汕頭綜合広播・汕頭応急広播 107.2MHz 2021年12月認可 12月30日より実施
 甘粛人民広播電台 甘粛交通広播・甘粛応急広播 103.5MHz 2023年8月11日認可 9月26日より実施
 四川広播電視台 四川交通広播・四川応急広播 101.7MHz 2023年11月1日認可
(Cahcn的自留地 10/4) 中国では国家広播電視総局の命令による予告なしでの突然閉局が相次いでいるため、従業員の雇用やリスナーへのサービスを維持するために地方局が取った自衛措置のように見受けられます。

既にロゴには「応急広播」の文字が



◎SONYのロシアから撤退が最終段階へ
 2024年10月10月、SONYはロシア撤退の最終段階として残存するロシア法人の一つの清算申請を行った。同社はウクライナ侵入を受けて2022年3月以降はロシアへの製品供給を停止していたが、一部の機器は並行輸入で供給されていた。しかし2023年以降中国がロシアの市場を支配するようになり、ロシアのSony Electronics JSCは2023年、前年比-81%の減収となり、5億3,030万ルーブルという巨額な赤字を出すこととなった。そのため政治的理由だけでなく、経済的理由も完全撤退を決断した要因と言われている。SONYは既に2023年に2回清算申請を行ったが、政府の拒否にあっており、今回の申請も同じ結果になる可能性がある。元記事はhttps://hi-tech.mail.ru/news/115981-sony-okonchatelno-uhodit-iz-rossii/?frommail=2&utm_partner_id=547。(RUS-DX #1312 via WORIG 10/20)
 
◎VOAのB24スケジュールで気づいたこと
 英国のAlan Roe氏によると、VOAのB24スケジュールでは、アフリカ向英語放送は01:00-05:00に放送されるだけになっている。「Larry London's Border Crossings」、「Heather Maxwell's Music Time in Africa」などの人気英語番組は短波では放送されず、オンラインのみになる見込み。(WORIG 10/22)

◎NDRのクリスマス特別短波放送
 B24のMedia Broadcastのスケジュール(https://www.media-broadcast.com/s/MBR_B24_operational_schedule_2024-10-27.pdf)によれば、2024年12月25日の03:00-06:00に行われる予定のドイツNDRの船員向特別短波放送「Gruß an Bord」の周波数は以下の通りである。6030 (Issoudun)、6080 (Tashkent)、9635 (Moosbrunn)、11650 (Issoudun)、13830 ( Nauen)、15770 (Okeechobee)。(WORIG 10/22) 新たにWRMIが入っています。Mossbrunnは正に最後の送信となりそうです。

◎Colombian AM Handbook公表
 フィンランドのJari Lehtinen氏によれば、コロンビアのDXerであるRubén Medina氏が、同国のAM放送局について個別の資料をまとめたドキュメントが公開されている。各局の所在地地図、写真、技術的な詳細が掲載されている。これらの資料はSDXLのwebサイト上からpdf形式でダウンロードすることができる。https://sdxl.fi/colombia-en-onda-media-hacia-el-mundo/。(AER via WORIG 10/22) 都市別に全部で26冊あります。

◎オーストリアORFが短波放送終了
ウクライナのAlexander Miatlikov氏が「kurzwellenradio」の報道として伝えるところによると、オーストリアORFは2024年10月19日の14:12を持って、6155kHzでMoosbrunn送信所から唯一行われていた国内向番組(朝のニュース「Morgenjournal」)の短波中継を終了した。元記事はhttps://kurzwellenradio.wordpress.com/2024/10/22/moosbrunn-shortwave-transmitters-to-close-down-oe1-morgenjournal-first-program-to-sign-off/。(WORIG 10/20) この記事によりますと、Moosbrunn送信所については,12月25日のNDR「Gruß an Bord」の送信が確定している他、送信所閉鎖直前の2024年12月31日の送信をドイツDARCが交渉中とのことです。

◎メキシコの日本音楽番組
 Aguascalientes自治大学放送(Radio UAA - XHUAA, 94.5MHz) では今年の7月より土曜日03:00-03:30(再放送は金曜日17:00-17:30)に日本音楽番組 "City Pop" を放送している。アナウンスではCity Popを「1970年代から90年代に生れ、2010年代終りに西洋で開花し、ブームとなった日本の音楽」としている。番組開始時に「コンニチハ。ワタシハ ダニー・デ・レオン デス」という日本語の自己紹介があるが、それ以外はすべてスペイン語である。ちなみに、同番組はオンライン( https://radio.uaa.mx/ )で聞くことが出来る。なお、オンラインでは再放送は約10分遅く開始されている。(東京都 平原哲也氏)Aguascalientesはメキシコ中部の都市。日本からは米国Houston経由で行くことができます。

Radio UAAのロゴ


◎Akashvani Lehが短波放送を停止
 オーストリアのChristoph Ratzer氏がRadio Magazineの報道として伝えたところによると、インド・ラダック州の地方局Akashvani(旧AIR)Lehは短波放送を停止した。同局は昼間6000kHz、夜間4760kHzで放送を行っていた。放送局は世界で最も高いところにあるとされて有名であった。(Shortwave Bulletin 10/27 via WORIG 10/27) Lehの標高は3524m、ペルーCuzcoの3400mより高いのです。これでインドの国内短波局はついにゼロとなりました。インド短波局専門のDXerがいた時代もあったのですが。Port BlairとLehが4760kHzで混信していた事は「昔語り」となりました!

◎ドイツShortwave RadioのB24スケジュール
 フィンランドのKari Kallio氏がドイツShortwave Radioから受け取った情報では、同局のB24スケジュールは以下のようになる。送信所はWinsen。
 17:00-01:00 6160
    17:00-10:00 3975
 なお2024年10月31日の17:00-24:00と03:00-10:00にはハロウィン特別番組を放送し、受信報告とともに相応の寄付をした人には特別eQSLを発行する。詳しくはhttps://shortwaveradio.de/en/を参照のこと。(WORIG 10/29)

◎英国政府BBC World Serviceの予算を増額
 英国のMike Barraclough氏が、Radio Todayの報道として伝えたところによると、英国政府は2024年10月30日、「2025-26年にBBC World Serviceに対する予算を増額することで、既存の外国語サービスの継続、ソフトパワーで英国のプレゼンスを世界に知らしめ、世界に信頼されるメディアを提供するという同局の使命を支援する」と予算を増額することを発表した。BBCはこの発表を歓迎している。元記事はhttps://radiotoday.co.uk/2024/10/bbc-issues-statement-on-funding-of-its-world-serviceを参照のこと。(WORIG 10/30) 政府が交代して「BBCいじめ」が止まったようです。必ずしも短波の増強に結びつきませんが、歓迎すべきことだと思われます。

◎WRNの「Vsemirnaya Radioset」
 カナダのTony Pavick氏によると、10月28日英国WRN(World Radio Networkの「Vsemirnaya Radioset」というロシア語番組が11785kHzで00:00より出ているのを確認した。HFCCには登録されていない。(WORIG 10/28) 「Vsemirnaya Radioset」(
Всемирная радиосеть:ワールドワイド・ラジオ・ウエブネットワーク)はWRNが2001年よりロシア向のロシア語で24時間放送している番組の名称で、NHK Worldを含む各国際放送のロシア語番組、各団体制作のロシア語番組、WRN独自制作のロシア語番組で構成されています。基本的にはインターネットhttp://streaming.edmradio.online:8025/WRN-R上でストリーミング放送されています。その一部を短波中継しているものと思われITUのB24リストには掲載されています。スケジュールは以下の通りです。なおA24スケジュールでも短波は22mbで放送していました。
 毎日 00:00-02:00 11785 Dhabbaya 250kW 345°
 日曜 02:00-03:00 11785 Dhabbaya 250kW 345°
 この時間のA24スケジュールでは00:00-00:20 NHK World、00:30-01:00 Radio Slovakia International、02:00-03:00 KBS World、それ以外の時間は国連その他の制作番組、WRNの独自番組となっています。B25では編成内容が変わっている可能性があります。なおNHK WorldのB24スケジュールにはこの周波数は掲載されていません。連絡先は<feedback2 @ wrn.ru>となっています。



◎Africa On Shortwave最新号発行
 英国Tony Rogers氏編集の「Africa On Shortwave」の2024年10月最新版が10月28日にBDXC(British DX Club)より発行された。20ページでhttp://www.bdxc.org.uk/africa.pdfよりダウンロードできる。主な更新項目は以下の通り。①AlgeriaのOuargla及びBéchar新送信所の新設備及びIfrikya FMのスケジュール、②USAGM São Tomé送信所閉局に伴う変化、③エチオピアRadio Oromiya及びRadio Ethiopiaの復活・コンゴRadio Kahuzi及びマリRadio Maliの休止、④Radio Ndarason Internationale・Radio Ergoの現状、⑤域内のB24周波数変更状況。(WORIG 10/31)



◎広西北部湾之声のB24スケジュール
 広西北部湾之声のB24スケジュールが発表されたが、短波放送枠内の番組には大きな変更はなかった。10:00と21:00に3分間の番組「習語経典」(ことわざ)が挿入された位である。短波スケジュールは以下の通り。周波数は5050、9820kHz。内訳はCRI、CNRの中継及び中国語以外の放送のみを記す。他は自局制作中国語番組。
 18:45-01:03: 19:30-20:00 CRI中国語 20:00-21:00 CRIベトナム語 21:00-22:00 ベトナム語 22:00-22:25 チワン語南部方言 22:40-22:50 周辺各国語 23:10-23:20 CRI中国語 00:10-00:15 英語 00:30-00:45 タイ語
     07:48-10:02: 08:00-09:00 CNR大湾区之声 09:00-09:05 周辺各国語 09:10-10:00 タイ語
(Cahcn的自留地 11/1)

◎Music 4 Joy(M4J)のB24スケジュール
 
Media Broadcastによるドイツの電子音楽局Music 4 Joy(M4J)のB24スケジュールは以下の通りである。すべてDRMモードで、送信所はNauen、出力は100kWである。
 火・木曜 22:00-23:00 13650 62°  極東向
 水・金曜 03:00-04:00 13730 158°   アフリカ東部向
 水・金曜 03:30-04:30 7225 101°  欧州東部・ロシア向
 水・金曜 05:00-06:00 9810 213°  アフリカ西部向

(
drmrx.org)


出典の略称

   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  

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