第12回 節操なき政治家ども
 
 郵政民営化法案に反対し、自民党から離党した12人のいわゆる「造反組」が、復党するとかしないとかで政局はその話で持ちきりになっている。
 目の上のたんこぶともいえた、「変人」小泉氏が表舞台から去り、懐柔しやすいと見られている安倍氏が総理の間によりを戻しちまえ、というのが、無理やり党から放り出された面々の、偽らざるところだろう。

 しかし、どう考えても、「おかしい」と思うのは私だけだろうか?そして、おかしいのは、どちらもなのである。
 まず、造反議員側。要するに、「あ、私の考え間違ってました、だから復党させてね」なんて、そもそも虫が良すぎる。「反対したから票を入れた」という人だってかなりの数いるはずである(そうでなかったら、無所属で当選できるはずがない)。その時点で、有権者の意見を反故にしている。もうひとつ、確かに郵政民営化が主流になってしまったとはいえ、いまさら自説を曲げるなど、「貴様は宗教裁判を受けたガリレオか」といいたくもなる。そして、このことが一番大事なのだが、造反→在野(議員になれなかった)の人たちに対して、申し訳ないとは思わないのだろうか?
 では復党に応じようとしている自民党はどうなのか?これまたいったい何を考えているのか、と問いただしたくなるような言い回しに終始している。
 党の方針に逆らったから離党させられたわけで、本来ならば自業自得のはず。それをどういう裏取引があったか知らないが、復党させようという機運そのものが気に入らない。そんな簡単に党議党則がひっくり返っていいものなのだろうか?ということはである。党の方針に反旗を翻したとしても、すぐさま許してもらえるという、悪しき前例(まあ、私たちが知らないだけで、そんなことは政治家のお歴々ならご存知か・・・)を作ることになりはしないだろうか?
 また、復党する際の条件とやらが子供じみている。一言で言えば「反省文」だ。そんなもの、口からでまかせに決まっている。百歩譲って、本心から出た言葉だとしても、彼らは一度党を裏切っている。そんな面々の書いた文章など、読むに値するだろうか?書かされるほうもたまったものではないが、こんなちんけな謝罪文で「よっしゃ。復党させたろ」なんて思う、自民党の執行部はほとほとおめでたいの一言である。
 
 こんな、節操も、規範も、気概も、信念もない政治家の言うことを誰が信じるというのだろうか?造反組を復党させたければさせてもよいが、そのことを国民はしっかり見ている。次の選挙のとき、どういう結末が出るのか、楽しみである。

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