第15回 スロースタートすぎの鳩山内閣
歴史的民主党の大勝から一ヶ月が経過した。
各地で起こるさまざまな「Change」の余波。ダム問題/JAL再建でほぼ毎日のように顔を出していた前原・国土交通大臣から主役の座を奪ったのは、だみ声の亀井金融担当大臣。いわゆる「徳政令」法案を出すと言うのである。
勿論こんなことになれば銀行など「貸し手」が打撃を蒙る。なので必要な手当てを国が行なうというのだが、貸しても帰ってこない(優良・不良債権どちらも)となると貸し渋りや、法案成立直前の駆け込み貸しはがしなども懸念される。
という訳で、経済対策をまともにしてこなかった鳩山内閣にも、そろそろと動きも見られるのだが、どういうわけか、即効力のある施策というものがまったく見えてこない。何しろ、前政権が苦心して作った補正予算の未執行分をすべて停止、国政的には、不景気に対する対策を「ほとんどしていない」状態なのだから仕方ない。で、やっていることといったら、目の前の緊急時より、自民党がしてきたことの尻拭い(だけで済ますつもりが、八ッ場ダムのように、やぶへび的な出費も発生してしまい、えらいことに)。「国民の生活が第一」の掛け声はどこへやら、浮かれて行った国連の演説では、「あーあ、言っちゃったよぉ」のCO2削減コミットメント。これで国民の負担が増えるというのに、過大な目標を設定する意図が感じられない。
経済・国防にズブの素人の集まり。挙句に故人献金や企業献金で、すねに傷持つ首相に影の幹事長。耳障りのいい言葉だけで政権を選択すると、明日からの「安全」な生活にも事欠く始末になる事をそろそろと国民も気づき始めたに違いない。
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