第16回  日本シリーズの前に・・・
 日本のプロ野球は、セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(プレーオフ)も終わり、間近に迫った日本シリーズに向けた動きになっている。
 そして、今年、プロ野球を最も盛り上げたのは、いうまでもなく、楽天ゴールデンイーグルスとその監督・野村氏であろう。
 パリーグでも2位通過、CS第2ステージでは、第一戦を落としてなかったら、どんな展開が待っていたか判らないところまで、勝者・日本ハムを追い詰めた。
 そして最終戦。終了後に野村監督の胴上げが、両チームの選手を交えて行なわれた。パリーグが人気の上でセリーグの後塵を拝していた10数年前とはまさに雲泥の差。この胴上げシーンでさらにパリーグファンが増えたとも思われる。

 僕個人としては、契約を盾に監督続投を頑として受け入れなかった楽天球団のドライすぎる考え方に疑問を呈したいところだったのだが、逆に考えると、どんな成績を残していたとしても(1位通過/パリーグでの優勝)、契約延長はないということを元から言われていた可能性も否定できないのである(なんとなれば、野村監督のぼやきにほぼ無関心だったから。『あ〜、いつものが始まった』位にしか見ていなかった節もある)。たまたま2位通過したから、という理由でやめないで続投、となると、声掛けしている次期監督の話も反故になる。それを避けたかったからというのが球団の本音だろう。そもそも2位通過は球団にしてみれば望外の結果。だから『名誉監督でいてください』という落としどころも、できレースのような気がして仕方ない。

 さて日本シリーズ。巨人対日ハムという、その昔なら東京ドームだけでしかやらないなんとも味気ない試合構成になるところだったが、今年も札幌がまたしても熱くなりそうな予感である。世界一の監督に挑む梨田氏の采配には注目である。

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