第10回  「イラ菅」は日本に要るカン?
 
 政府と与党は、国会会期を延長せずに、通常国会を閉幕し、後に控える参議院選挙に向けた動きを加速させた。
 しかし、この動きを「選挙本位」だとと考える人はかなり多くいるであろう。

 郵政法案など、決めるべき事案はまだある。しかも、内閣不信任決議案や、小沢氏の証人喚問につながる、政治倫理審査会の開催までもがうやむやになってしまった。そして、代表質問が行われて、審議などがないままに会期を終えるという、きわめて異例の事態になったのである。
 今世の中は、ワールドカップでの日本勝利、そして、実に7年ぶりに自身は燃え尽きながらもカプセルを持ち帰ることに成功した「はやぶさ」など、いわゆる「日本に追い風」の雰囲気が漂っている。こういうときに選挙をすれば、高揚感に煽られた民衆が、現政権を評価する方向に向かい、「勝てる」という思惑があることはみえみえである。だから、あえて、国民新党との間が険悪なものになってでも(むしろ、足手まといになっている)、郵政法案の成立は難しいと突っぱね、民主党と、思想的に相容れない亀井氏を追い落とすことに成功したともいえる。

 しかし、いろいろな事案を見聞きするにつれて、日本にふさわしくない内閣総理大臣がまたしても登場したといわざるを得ない。
 拉致の実行犯の嘆願署名に関しては、本当に「知らなかった」で通すつもりなのだろうが、「国旗国歌法案」に反対したことについては、明言を避けている。「もっと元気のいい国歌でも」という言い方は、そのまま、「君が代」を否定する物言いである。これほど荘厳で、すばらしい旋律の国歌はそうそうないと思うのだが、お気に召さないらしい。国旗についても同様である。鳩山内閣当時、財務大臣についていたわけだが、その就任会見場に入場する際、壇上にある日の丸に対して、一瞥もくれなかったそうである(下記動画参照。『赤』松や千葉「嘆願署名」景子、ジャスコ岡田、「北」澤も同様)。
 必ずしも「愛国心」は為政者に必要ないというのなら、それもわからないでもない。だが、国の象徴でもある国旗に対する敬意がないというのは、総理大臣失格である。その前に、国会議員としても資質がないといえる。そして、そんな人しか、民主党(=先の選挙で民主党を勝たせた国民)は、総理になれる人がいないということである。
 拉致被害者と面会したときにも、「ブルーバッジ」をつけて会談に臨んだものの、会談が終わるや、そのバッジをはずしたのだという。写真写り上具合が悪いと思ってのバッジ装着なら、いっそつけないで望んだほうが、自身の本心を明らかにできてよかったのだと思う。バッジをつけてはずし、は、被害者家族に対する重大な「裏切り」行為であり、はずしたという行為が指し示すところは、本心からつけていたものでない=拉致には関わりたくないといっているのと同じことであるといって差し支えない。

 「ルーピー」な代表の後継者が、それを上回る資質があるとは到底思えない。お金に関してクリーンでも、「レッド」っぽい主義主張が見え隠れするようでは、早晩、民主の保守層は離反することになるであろう。まだ小沢という男の傀儡であったルーピーのほうがわかりやすかったが、暴走しかねない菅の政治手腕には要注意だ。

 今回の証拠映像    (鳩山政権下)菅財務大臣を含めて過半数の閣僚が就任会見で国旗に一礼せず
                →菅内閣に留任した閣僚もいます。詳しくはこちら
                代表質問に関する回答演説

 
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