第15回 「ひとり」に燃える国
中国漁船が、海上保安庁の巡視船にぶつかってきた事件で、中国は軽く発狂したかのような対応になっている。
駐日大使への深夜の呼び出しはまだ序の口。日本への会社を上げての旅行自粛を発表する企業が現れると、旅行業界全体に波及。積極的な日本への旅行を勧めないように通達が出ている模様だ。そして、お決まりの日本大使館への抗議活動。規模などがそれほどでもないことなどから、本当に血が頭に上った人間だけかなと思うが実際、デモそのものを警備するような警官もいたことから「官製」デモの可能性すらある。温家宝は、船長の拘留が長引くようだと「新たな行動」に出ると恫喝。完全に「うちは悪いことしていない」モードで押し切る構えを見せている。
石原都知事は「やくざとおんなじだ」と述べたといわれるが、21世紀にもなって、こんな「当たり屋」みたいなことをして、自らを正当化(尖閣諸島が自国の領土だと主張する)する手段に使おうというのが、本当に我慢ならない。逆に言えば、突発的な事故でも、自分に利ありと見れば、なんでも利用しようとする、したたかな国と言うことでもある。そういうやり方でしか領土の主張が出来ない国、と言うことも言える。
だから、前原国土交通大臣の「国内法にのっとって粛々と進める」と言う言葉は、中国側をいらだたせてはいるものの、日本側から見れば当然といえる判断である。ただ、ここでも司法がどういう決断を下すかと言うところで日本の将来が決まってくるかもしれない。対応を間違うと、禍根を残すことにもなりかねない。中国人だからといって特別扱いは絶対行ってはならないと考える。
「ひとり」の船乗りにそこまで真剣に、日本と言う国家と戦おうとしている中国。彼らが狙う「領土」を守る気が日本の民主党政権にあるのなら、この戦いには正々堂々と、おんなじ土俵で戦ってもらいたいところである。それが出来るかどうか、今、国民は静かに注視している。
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