第20回  もしかして、日本人か?

 親日家で、YouTubeに、日本擁護/シーシェパード糾弾動画を数多く投稿、昨年はなんと日本人向けに書籍まで刊行するなど、精力的な活動を続けている、「テキサス親父」こと、トニー・マラーノ氏が来日中である。
 筆者は、14日の大阪講演会に出られなかったため、急遽日程を調べて、泉大津に宿泊するホテルで「入り待ち」を敢行。見事に会うことには成功したが、その時間わずかに数分。ほかの方々より先に出会えたとはいいながら、内容的にはまったく不十分で、あの空間を共有できなかったことに最近残念な思いがしてしまっている。
 →当方ブログで報告。東京の講演会の模様は、花うさぎ氏coffee氏がいずれもブログで報告している。ちなみに東京では200名近くが参加。公式サイトに掲載された写真は、参加者全員が一列に並びサインなりをしてもらおうとしている光景がアップされているが、ただの欧米人で、芸能人でもない彼の人気振りがうかがえる一こまである。

 それはともかく。当方は、昨日15日の講演会が終わったら帰国されるものと判断していた。ところが新聞記事には「20日まで日本に滞在」とあり、おそらく、プライベートで各地を回られるのであろう(被災地支援を申し出ている手前、公表はしていないが被災地にも回る可能性がある。それなら20日までの滞在もうなづける)。
 それにもまして、公表されている、そしてすでに日程を終えている、親父殿が来日してからのスケジュールは半端ではない。フライトの遅れも何のその、事務局の用意した(というより、事務局長の私物)クルーザータイプの車両で、翌日未明には和歌山県・太地町に真っ先に訪問。シーシェパードとの丁々発止があったかどうかは別にしてここで捕鯨に関する理解を表明。翌日には、新幹線で広島に赴き、原爆関連の施設を訪れ、夕刻に甲子園球場での阪神・中日戦を観戦。土曜日には午前中の動向は不明だが午後からの講演&ファンの集い。予定をかなりオーバーし、「貸し会場の担当者から追い出されるまで」の長時間にわたって会を行い、また車で帰京。15日日曜日も夕方の講演会を行ない、そして16日には、靖国神社を参拝されていたというのだ。(16日以降の日程について、事務局は公表していない。靖国参拝については事務局ブログへの投稿で発覚)

 広島・靖国・甲子園・・・。平和の象徴とも言える野球の聖地・甲子園での観戦もさることながら、今の日本人ですら足が遠のく広島の被爆地や、英霊が眠る靖国を訪問するなど、その行程を見ているだけで興味深い。日本が、日本人がすきなればこそ、先の大戦での象徴的な場所へ足が向くのである。いや、本人の意思ではなく、何者かが「向かわしめた」のかもしれない。それだけ、今回の彼の訪日はすごすぎることだらけである。

 英米人の大半が捕鯨反対を唱えている、とシーシェパードの活動を見て思う人は、情報不足である。その意味からしても、今の情弱日本人より、はるかに「日本人」らしいテキサス親父。御年62歳。極論すれば、ドナルド・キーン氏を倣って帰化してほしいくらいだが、ここまで日本に魅入られているアメリカ人もそうはいないはずだ。20日までの来日中、ひとつでも多くのいい思い出を持って帰ってもらいたい心境である。
 

 コーナートップへ