第9回 委員長抜きで会議も出来ない奴ら
川口順子氏が務めていたのは「参議院の環境委員会」というところの委員長だった。中国に、環境問題で話し合いに行って、その際に日程が一日延びてしまったために、帰国できず、委員会が開けなかった、ということを失策と認定した野党が、彼女を解任するという動議を参議院に提出、今まだ参議院側は野党が牛耳っているのでこの動議は可決され、川口氏は、解任されてしまった。
まあ、いろいろと意見はあるし、実際「帰ってこなかった」のは事実である。結果「委員会が開けなかったのは委員長のせいだ」ということが野党の要旨である。
だが、ちょっとまってほしい。
委員会を開くべく、日程を調整したのに、中国に行った結果帰れなくなったのは、果たして彼女の独断でしたことなのだろうか?例えば、飛行機が飛ばなくて帰れなくなっても「そんなときに海外に行った本人が悪いのだ」と同じように動議を出していただろう。要するに、「帰ってこなかった」事実だけが問題で、相手方と実のある会談をしたことや、回りまわって国益に繋がるという「大局観」は野党の連中にはない、ということである。
百歩譲って、帰ってこなかったとしても委員長代理を立てるなど、どんな手段を使っても会議自体は開けたはずである。委員長がいないと何も出来ない「でくの坊」ですっ、と自ら宣言しているかのようである。
そんな連中に辞めさせられる委員長。かわいそうだし、そこまでして与党の失点を見せびらかしたいのか・・・。
しかし、いまや、前々回の政権交代のときと状況は違いすぎている。なりふり構わず失策を探してそれを声高に誇張しつつ諸悪の根源のように言い募るマスコミは、上がり続けている安倍政権の支持率の前に、長いものに巻かれろ状態で、その正体をまともに披露していない。よって、今回の解任劇は、野党がまともに政治しようとしていない面ばかりが浮き彫りになっており、またぞろ、野党が一体となって評価を落とすことになるのではないか、と思う。
「ミイラ取りがミイラになる」「策士、策におぼれる」…。回りまわって自分たちに帰ってくるブーメランを投擲したことすら分からない野党の面々。本当に政権交代=元に戻ってよかったと胸をなでおろすこと仕切りである。
コーナートップへ