第2回  声を上げるのは正義なのか?
 
 日本人は「おしとやかな人種」であるとされる。
 さほど自己主張もせず、あいまいな態度や言葉遣いで相手を思いやろうとする。はっきり「Yes」「No」と言わないことは、すでに本にもなっているからご承知の方も多かろう。
 
 とはいえ、ここ最近の社会情勢は、何かひとつ事が起こると「訴えてやる」と言うような、一種ぎすぎすした世の中になっているかのように感じつつある。
 たとえば、この件である。
 →キリンの缶チューハイCM動画です。 ニュースソースはこちら
 もうね。アホかと。バカかと・・・と、某コピペが思い浮かんでしまう事態で当方もあきれてしまった。カエルのキャラクターが飲酒を誘発するんだそうだ・・・。
 それにもうひとつ。
 →ファミリーマート 弁当販売中止に関するニュース
 フォアグラの製造過程が動物虐待につながるから、止めてほしいという意見が22件・・・?22千件でも22万件でもなくたったの「22件」で、開発費用までかけた高級食材を使っているのに止めてしまうというのである。

 いみじくも同じことを思っている人は世の中にいるようなので、彼のBLOGOSを敬意を持ってリンクを張りたいと思う。
 →キリンとファミマが謎の自粛「カエルキャラとフォアグラにNG」がどう考えてもおかしい(著者はイイヅカ アキラ氏)

 言いたいことはイイヅカ氏が言ってしまっているので、私としては、この件に関する感想を述べるにとどめたい。
 確かにメーカーや販売者が消費者の意見に耳を傾けることは大事である。しかし、今回のキリンの場合、カエルのキャラが未成年に飲酒を誘発するような設定にしていないのにもかかわらず、この圧力団体は中止を申し入れている。
 だとしたら、擬人化したキャラクターなんか使ってはまずいということになる。となると・・・「カッパッパァーーーー」はいいんですかね?
 ファミマの件に付いても同様だ。フォアグラの作り方は確かにグロい。でも喜び勇んで「ぐるナイ」などでは食材として使われている。安価で食べられる、と期待していた層に対する完全なる背信行為。たぶん、かなりの顧客が離れたとも考えられる。

 止めさせた側にしてみれば、愉快痛快、今日も屈服させて飯が旨いッ!てなモンだろうが、何でもかんでも通用すると勘違いしてしまう一種のクレーマーが増えることになりはしないか、それを恐れるのである。
 言ったもん勝ち、言わなきゃ損・・・。そんな、後ろ向き社会は住みにくくて仕方ない。

  
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