第8回 超スローボールがなぜ物議を醸し出すのか?
私自身、プロ野球観戦と言うのは、テレビでするのが専らであり、わざわざ球場まで足を運ぶということは、年に一回あるかないかである。
ましてや、ひいきでも、もちろん出身高校が野球に縁遠い学校でもあったので、高校野球と言うものには、スター選手がいたとしても、無関心をほぼ貫いてきた。
ところが、今年は、私の”ジャーナリズム”を激しく刺激する事象が持ち上がり、どうしても書かずにおられない精神状態になっているのである。
まずはこの記事を見ていただきたい。
「超スローボール」批判の岩佐フジテレビ元アナ 「世の中をなめた」部分は余計、本人に直接謝罪も http://www.j-cast.com/2014/08/18213317.html?igred=on
どうして、この”魔球”にカチンときたのか、この人の沸点がどこにあるのかを見極められないのだが、要するに、いかに勝負事とはいえ、常軌を逸した戦法は取るべきではない、といいたかったのだろうと思う。
しかし、勝ち続けなければならないトーナメント方式の高校野球において、合法的であれば、どんな手段を講じても勝ちにこだわっていかなくてはならないわけで、根本的な戦術の部分にダメだしされると、何もできなくなってしまう。
投球は、変化球禁止、シングルヒットは単打なので、次の塁を落とすの禁止、サインもスクイズも、送りバントも「姑息」なので禁止、となったら、誰がそんな野球を見るだろうか・・・。
当たり前だが、このスローボールは、走者がいるときには使えない。走られ放題になるからであるし、セットポジジョンからは難しいものとも思える。つまり、いついかなるタイミングでもこの投球法が生かされるわけではない。
走者なしで、打者との一対一のときにしか使えない投球術に目くじらを立てる”ご老体”のマスコミ関係者。ブログが炎上するのも仕方ないところだ。
では私は?もちろん、敗れたりとはいえ、この投球法で観客を沸き立たせたこの投手に賛辞を送りたい。一球種としてもその破壊力はすさまじいものがあって、外野がなんと言おうと、いい球種だと思う。
むしろ「プロ顔負け」と言うプラスで書くのが本来の記事の運び方なのだが、やはり元とはいえ、8の人は書き方も一味違う。
かといって、スカウト各氏がこのピッチャーに羨望のまなざしを送るとは思えない。その意味で言えば、ただの敗退校のピッチャーであるものの、論議を巻き起こした投手ということで、記憶されるのは「おいしい」限りである。
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