パールハーバー


始めて劇場で予告編を見たときから、「これは見ておこう」と決めていた作品だった。ゼロ戦の群れががハワイの少年達の頭上を飛んでいくシーンから始まった予告編だった。ディズニーが作るスペクタクル巨編。マイケル・ベイ監督、ジェリー・ブラッカイマー製作なら間違い無く見応えあるだろうと、期待にワクワクしていた。
7月13日金曜日、なんと先行オールナイト上映するらしい!仕事が夜9時まであって、終わってからも迷いながら・・・原付は劇場へすっ飛んでいる。9時半からの上映のチケットを手にしている・・・あれ?パンフレットまでもっている・・・あれ?

3時間以上もかけたにしては、ドラマ部分のストーリー展開がイマイチなので記録の上でも「タイタニック」には到底及ばないと思う。スペクタクルシーンの演出も適わない・・・ジェームズ・キャメロン恐るべし。

ただ、もう一度見てみても良いなと思うのは、やはりスペクタクルシーンの映像見たさなのでしょうかねぇ・・・日本軍が真珠湾に向けて飛び立ち、攻め込んでいくまでの一連のシーンは、とても複雑な思いで、息を殺して見守ってしまった。もともと、日本人は世界が驚愕するするほどの誇り高い民族だった。その誇りを傷つけられたことが、真珠湾攻撃につながった。でも、悲しいことに、この自分達の誇りをかざして世界を相手に始めた戦争の中で、アメリカに負け、それと同時に誇りまでアメリカに渡してしまった。そんな歴史的転機になっているし史実なんだと思いながら見ていると、映画のなかでアメリカの大統領が「卑怯な日本」だとか「アメリカが誇りと信念」を手にしたという台詞がとても悲しかった。
戦争なんか起こらなくて良い、アメリカに敵対心を燃やす必要もない。日本人としての誇りを持っていない国だということが悲しい。だから、誇りを持っている国の人々には認められない。もう、日本は世界に相手にされていない。国がどうのこうのじゃない、一人の人間として、誇りをもって生きている人間が、果たしてどれだけ残っているのか・・・間違い無く、この映画の中で描かれた日本人の誇りへは、アメリカ人が敬意を払っているのが分かる。アメリカが日本の襟首を掴んで、「おまえしっかりしろよ!」って言っている映画なのかもしれない。