不死鳥


窮地に立たされる事がある。定職には付いていないが、バイトも映画も恋も人間関係も、自分自身のこと全てがまとめて悪い情報を目の前に叩き付けて来やがる時がある。一体俺が何をした!と弾き返せるものならそうしたい。
そんな時が、人生で何度来るのだろうか。どんなに楽観主義者だったって、一人になれば「何とかなるさ」と平穏にしてはいられない時が来る。人にはそう見せていても、心の中では渦巻き、嵐が荒れ狂っている時が必ず来る。死んでしまえば楽になるだろうかと考える時も来るのかも知れない。
それでも、例え一人でも、例え何度殺されても、蘇って立ちあがって行くしかない。フェニックスになるしかない。愛も友情も仕事も、自分の力で勝ち取っていくしかない。適当に楽しい友達を身の回りにおいて、そこそこいい女と結婚して、不自由なく金がもらえる仕事につければ良いやなんて、身の毛もよだつ話だ。
世界で1番の女と一緒になって、最強のライバルと戦って、認め合って、自分の最高の仕事をする。それが目標で当たり前だ。例え出来なくても精一杯そのために戦ってボロボロで死ぬほうが、適当よりはナンボでもマシな人生だ。結局、死ぬ時に完成する自分の人生という作品が、「精一杯やったぞ」と満足できる最高のしあがりになっていなきゃ、何一つ満足いかない。
全てにおいて真剣でなければ、どれも手に入りはしない。