自慢できる話じゃないけど、子どもの頃は僕も昆虫を殺しまくった。昆虫博士になりたくて標本も作ったし、おもしろ半分に爆竹でセミをフッ飛ばしたり、カエルをエアガンで撃ち殺したりして笑っていた。腹の底から笑えるんだね、子供ってそうなんだよね。いま、考えたら自分でもゾッとするけど。
ある時、なかなか捕まえられないキアゲハの幼虫を２匹見つけて、自分で飼っていた。成虫したら標本にするつもりでね。でもね、サナギになって、一生懸命サナギを破って出て来るんだよ。殺せなかった。放してやろうと思って外に出してやったら、僕のところに戻ってきてTシャツにとまったりするんだよ。言葉じゃない、とてつもなく大切なことを学んだ瞬間だった。

学生時代に電車で通学していると、他の学生の話題がやたらに耳についたことがあった。
２人組で話しをしているんだけど、一人が猫をレンジで殺しちゃった話しをしているわけ。レンジで猫を温めたら「ボンッ」って破裂したって話題にしている。そいつがどんな顔してたと思う？いかにも可笑しくてたまらないって言わんばかりに、笑いをこらえながら話してるんだよ、無垢な子供みたいに。隣りでそいつの話しを聞いていたヤツもひいていたけど、僕もゾッとした。
こんなに身近に、こんな感覚のヤツがいるんだったら、世の中ごろごろしてるんだろうってね。大学生にもなって、それがどういうことなのか、心が学んでないんだもん。こんなのがどんどん出てきたら日本の社会って危ねぇぞ。って思ったら、僕らなんかより若いヤツらがどんどんニュースになるような事しでかし出した。
あ〜あ。
オトナの方に教育が必要なんじゃないの？