女子高生の叫び


羽田空港から福岡行きの飛行機に乗った。JALの午前11時35分発の便だ。
東京に住んでる彼女の誕生日のお祝いをして、帰路についた時の事だ。
修学旅行か何かかな、女子高生が先生らしき人達と団体で乗ってきた。
飛行機の中は、それだけでやかましくなる。気分を害している他のお客さんも
いたようだった。僕も本を読んでいたので、正直「やかましいな」って思っていた。
(学校さんの名誉の為に書いておくと、先生達はうるさくするなと、注意していたし
生徒さん達も静かに勤めていた、それなりにね)
まあ、僕の場合、興味があることへの集中力はずば抜けているらしく、
本の方に興味が戻れば、他のことはすぐに気にならなくなるんだけどね。

飛行機に乗る時は必ず本を一冊は持っているのだけど、実際読むかどうかは
席に座ってから決める。眠くなって寝てしまうことが多いからね。
それに普段は飛行機が加速路を走り出して、飛ぶまでは本は読めない。
酔っちゃうもん。

飛行機が走り始めると女子高生達がはしゃぎ始めた。
どうやら、東京の子達が福岡へ旅立つようだった。先生も生徒もなまりもなく
福岡の人の感じはどこにもしなかった。
それでも、やはり飛行機に乗るのは始めてという子が多かったようで、
物凄いはしゃぎ様だった。
これは機体が浮いたら大変なことになるぞ、と思いつつ、無事に離陸しますように
と祈りながら。彼女らの歓声を聞いていた。
非常にやかましいのは事実だけれど、空を飛ぶことに純粋に歓喜して興奮している
のが伝わってきて、自分が始めて飛行機で飛んだ時のことを思い出した。
大学受験の時に、友人と2人で乗ったのが始めてだった。
飛行機が飛ぶ瞬間には、友人と2人で、大声はださなかったけど、
「すげェね」と静かに顔を見合わせて興奮していた。
今では当たり前のように、月に一度か、多い時には2度乗って、
離陸前から眠ってしまい、起きるのは着陸の衝撃で起こされる事も良くある。
慣れてしまって、無感動になる事は寂しいなと感じた瞬間でもあり、
その感動の仕方を思い出して、なんだか嬉しくて涙が出そうになった瞬間でも
あった。

今回のパイロットさんは、なかなか荒っぽい感じで、離陸も着陸もなかなか
スリリングな体験となった。
きっと始めて飛行機に乗った彼女らは「飛行機ってこうなんだ」と思うのだろうな。
今度乗る時も、機体が浮かび上がる感覚を楽しんでみよう。