理想製作費
映画にはお金がかかる。お金があれば良いものが作れると思いがちだ。
確かに、しっかりした画作りや音作りが出来るだろう。
でも、今の映画界をみていて、お金を有効利用しているようには思えない。
お金があることで、逆にがんじがらめになっているように見える。
お金が中途半端に使えるから、工夫すればお金を使わずに済むところを
工夫しないでお金に頼ってしまう。
工夫をせずにお金に頼ってしまって、良いセンスが磨かれるわけはないのだ。
お金がせっかくあるのなら、そのお金以上のことをしているように見せられるか
表現能力が磨かれるのだ。
そして、だからこそ映画なのだ、お金をかければ誰でも見れる世界なんて
映画には要らない、お金以上のものを見せてくれるから映画を見たいと思うのだ。
どんな映画にも、本当は理想製作費というものがある。
理想製作費よりも安ければもちろん苦しいものになるし、高すぎると
それはまた、見るのも退屈なものになる。
お金をいくらでもでも使えるようになるのが理想なのではなくて、
やりたいことを成し遂げるのに理想の金額はどの程度かを見極める能力が
これからの時代は必要だ。
|