コミック文化
先日、あるジャーナリストが書いた本を読んでいた。有名な作家で、その本は僕自身の自己啓発的な役割を果たしてくれる素晴らしい作品なんだけど、どうもある項目だけ引っかかったところがあった。
アメリカやその他の外国から見て、コミックをむさぼり読む人間をインテリとは認めない、だからコミックなんか読んでないで活字を読め、という内容がそれだ。僕自身は、小学校時代に「キン肉マン」などが流行ってみんなが買いあさっている頃、漫画を買ってもらえず。みんなより1年ほど遅れておこずかいをもらえる様になってから、ありとあらゆるお金(お年玉など)を漫画につぎこんで読みふけっていた子供だった。中学時代には裕に1000冊は超える量を読破し所有していた。今になってみて、自分の身に残っていないものまで乱読したが、残っているものには、本当に素晴らしい作品が多い。
確かに、電車の中で、スーツを着た30歳位の男が「少年○○○○」なんてのをカバンから出して読んでたりすると滑稽に思える。と言うか、この国自体が心配になってくるのも分かる。
だからと言って、「漫画は暇つぶしの対象でしかなく、クリエイティビティの欠片もない」みたいなことを書かれるのは僕の人生を否定されているようで心外だった。
今の日本の状況を見ていると、本当に漫画を捨てて本をもっと読むように考えなおして欲しい人達が少なくないし、本当の国際的な経済の生存競争を生き残るにはこのままではダメだと思う。
でも、日本人なら、日本の漫画が、世界の文学史に名前を残すべき作品を生み出していることに気付き、誇りをもって世界に認めさせるくらいの勢いで出ていかないといけないはずだ。
手塚治虫がシェイクスピアやカフカやヘミングウェイと並んで、文学史の年表に乗らなければ正当な評価にならないのだよと、声を大にして世界進出出来た時こそ日本人だと胸を張れる時だと思う。日本人が漫画を否定することは、自らを否定するか、あるいは西洋かぶれもはなはだしいと気付いて欲しい。
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