二軒の二世帯住宅、竣工
 7月に、二つの二世帯住宅が竣工しました。場所は、埼玉県南部の川口市と戸田市です。建て主さんと出会い、設計から工事まで、多少の前後があったものの、ほとんど同時に進行してきたプロジェクトでした。お二方(家族)とも、この、アトリエ・リングのホームページを見て、我々に設計を依頼してこられた方々でした。ともに二世帯住宅であること、ソーラーシステムを導入したこと、内部の壁の仕上げを建て主さんが施工したことなど、共通点も多々ありましたが、ご家族の家族構成・ライフスタイルや、敷地の環境の違いなどによって、様々なところで相違点もはっきりしています。川口市の「新井宿の家」は、大家族的な二世帯住宅で、中央にLDKからなる主室をとり、その上部の吹き抜けを介して、二階の部屋部屋からロフトまで関連づけられている、大きなワンルーム的な構成になっています。周囲に緑の多い環境で、開放的な住まいが実現しました。それに対し、「戸田の家」は、中央の玄関だけが共有で、中庭を囲むようなコの字型のプランに、一階東部分と、一階西部分・二階と二世帯をに振り分けた構成です。要求された室数も多く、都市的な環境でのプライバシー確保も課題で、全体的に諸室を分散させながら、一部LDKにスキップフロアを持ち込んで、繋ぎの空間をやわらかく構成しようとしました。以前住まわれていた家の建具を一部再利用して、イメージを繋ぐことにも挑戦しました。
 撮影を終了し、これから画像処理に入ります。追って、「WORKS」のページに順次アップしていきますので、楽しみにしていて下さい。
 「新井宿の家」の一階、主室です。左側にはサンクン・フロアー、吹き抜けからロフトまで、空間が繋がっていきます。中央は、玄関との仕切りとなる、ポリカ・ツインを用いた建具です。

 「戸田の家」の、ダイニングキッチンから、スキップしてリビングの空間、さらに二階の諸室への繋がりです。傾斜屋根が、空間の流れを導きます。(写真・文;青山恭之)