国際テレカ
掲載日 2002年8月9日
情報提供者 AKILA




「コレクダサイ」






東南アジア系の人だろうか?その二人組みは国際テレカを指差した。

「こちらですね。ありがとうございます。」ということで国際テレカお買い上げです。



さて、そのお客様、早速店の前に設置してある公衆電話で電話をかけ始めました。






…………しばらくして二人のうちのひとりが店内に入ってきました。レジの前に立つなり。






「○▲◎□*¥■△?」










なにやら話し掛けてきたが、言葉が分かりません。英語ではなさそうだけど……何語?

とりあえず何を言いたいのかはわかります。使い方が分からないのでしょう。確かに使い方わかりづらいよなー、これ。

どれどれ、確かこのあたりに使い方を書いた説明書が……あった。

日本語・英語だけでなく数ヶ国語で書いてあるから、これを渡しておこう。







……で、その後も二人組みの奮闘は続くものの…。







「□*●×¥▼■△!」






あー、やっぱりわからんらしい。

こまったなー。私だってこんなもん使ったことないしなー。

しかたない、説明書見ながらやってみるか。えーと、どれどれ?ふむふむ、まずは裏面にある番号に電話して、国番号・市外局番・そして相手先の電話番号を押す、と。…なんだ、これだけ?簡単じゃん。







まず国番号っと…………………国番号??









……なんじゃそりゃ?(^▽^?)











その国がわかりません(笑)










こうしてAKILAはこの日最大の困難に直面しました。

言葉の通じない相手から出身国を聞きださねばなりません。

とりあえずどうしよ?英語で聞いてみよう「ほえああーゆーかむふろむ?」


………あー、ダメだわ。相手の顔に『?』マークが浮かんでる。

英語が通じないのか、AKILAの英語が間違ってるのか…。多分後者です(笑)

仕方ない、国際テレカの販売元のサポートに聞いてみよう。

でもこんな時間(AM2:00)にサポートやってんのかな?

とりあえずかけてみよう。





Trrrrrr Trrrrrr Trrrrrr ガチャ。

「はい、○○○サポート。わたくし○○と申します。」 お、つながった!

よし、聞いてみよう。「国際テレカの使い方をお聞きしたいのですが……」

AKILAがそう言うと、サポートの女性は丁寧に説明を始めてくれた。

「………それから、そのままアナウンスにしたがって、次に国番号を押してください。」

「あ、あのぅ…。」

「はい?」

「電話をかける相手の国がわからない場合は、どうすれば良いんでしょう?」





「………………………………………………………。」





「………………………………………………………。」





しばしの沈黙。




その間約3秒。

受話器の向こう側から
「何わけのわかんねェこと言ってんだ?この男は。」
という
無言のプレッシャー
ひしひしと伝わってきた。



「それは……、相手先の国を調べていただかないと、どうしようもありませんが…。」





いや、ごもっともです。そーじゃないのかなー?って私も思ってました

だからそんなやけに落ち着いた声で対応するのはやめてくれませんか?笑ってくれれば逆に救われようもあるのですが…。赤っ恥かいちゃいました。





気を取り直して再び現場に戻ります。

こうなった以上、なんとかして国名を聞き出さねばなりません。仕方ない、残る手段は万国共通言語「ジェスチャー」に頼るしかない!(←情けねぇ)



ってなわけで、

身振り手振り、国際テレカの説明書を開いて指差してジェスチャーやって…。

さらにその間、およそかみ合うわけも無い2ヶ国語による意味不明の会話が延々と続きます。

約10分間の交戦の末、やっとその手がかりを得ました。



「△□*●×¥□*¥■△□さんぱうろ*○▲◎*¥■●×¥▼■△。」




……さんぱうろ? 




サンパウロ?




「サンパウロ?」

「サンパウロ!」

「サンパウロ?」

「サンパウロ!」

深夜の公衆電話の前でやたら『サンパウロ』を連呼するコンビニ店員と二人組みの異国人。









とりあえず、あまり近寄りたくない光景です。









ずいぶん間抜けな会話でしたが、どうやらこの人たちはサンパウロに電話をかけたいらしい。

えーと?サンパウロって、……ブラジル。だっけ?

よしよし、じゃあブラジルの国番号を入れて、手渡された相手先と思われる番号にかけてみる。


Trrrrrr Trrrrrr Trrrrrr ガチャ。「×¥□*¥■△□。」


あ、つながった。

ふぅ。一安心。受話器を二人に渡して無事任務完了。いやー、つかれた。


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