March.28,2007 やっぱり劇場で観たかった
ポツドールの『激情』を観た帰りにロビーで売っていた、ポツドールの岸田國士戯曲賞受賞作の戯曲『愛の渦』を買った。私は、この『愛の渦』の次に上演された『夢の城』からポツドールを観始めたので、この受賞作のことは前から気になっていたのだ。
舞台はマンションの一室。そこに商売で毎晩乱交パーティーを行っている店。どうやってこの店の存在を知ったのかはわからないが、5人の男と5人の女がやってくる。客はお金を払い、それぞれ意の相手とセックスを繰り返す。ある者は相手を取っ替え引っ換え、あるカップルはずっと同じ相手と何回も。
かなりシッョクな戯曲だった。こ、これが、芝居として上演されたという事実に驚く。それと同時に、私が小屋で観た、そのあとのポツドールの芝居とは、ひと味違うのに驚いた。『夢の城』はまた別の意味で驚いたが、『女のみち』 『恋の渦』 『激情』(再演)の人間関係のドロドロした芝居構造とは、どこか違う。
戯曲だけを読んだ印象だと、なんだか乱交パーティーそのものを、淡々と描いているだけのように思えてしまう。もちろん、それでも人間のいやな部分が、ところどころ覗けてしまうというポツドールらしい面もあるのだが・・・・・。この戯曲だけでポツドールを評価して欲しくはないなという気がする。ボツドールは絶対に劇場まで足を運んで欲しい。