June.26,2008 どんなにおいしいハヤシライスだっんだろう?

        東野圭吾の小説は読みやすいので、なにか軽い読み物がいいというときに手にすることが多い。『流星の絆』もあっという間に読了。面白かったし、よく出来ているなあと感心したけれど、あえてアラを探したくなるのが私の悪い癖か。

        どうしても読んでいてひっかかったのがハヤシライス。どんなに旨いハヤシライスだっのかわからないが、幼児のときに口にしたハヤシライスの味をしっかりと記憶していて、成人してから口にした問題のハヤシライスが自分の父が作ったものと同じだとわかるというのは無理があるような気がする。しかもある特定の醤油を隠し味に使っているかどうかまでわかるというのはどうだろうか?

        14年前に殺された自分の両親の犯人を特定したところで、これは真犯人じゃないなと見当がついてしまうのだが、それじゃあ誰が殺したのかということだが、フェアに犯人を登場させていたとすると、あの人物しかいないだろうと思っていたのだが、でもそれはないだろうと読んでいた。で、やっぱりそうなのね。確かに冒頭に出てきた小道具が伏線になっていてるのだけど? う〜ん、それは上手いといえば上手いのだけど。

        また私のご近所が出てくる。東野圭吾ってウチの近所の土地勘があるのね。住んでるのかしら?


June.7,2008 ナイフはやめなさ〜い!

        『シンプルプラン』のスコット・スミスの13年ぶりの第2作、『ルインズ 廃墟の奥へ』。サム・ライミによって映画化もされた『シンプルプラン』は、読んでいて、いや〜な気分にさせられる話だった。ほんのちょっとした出来心で関わったことが、どんどんと悪い方向へ、悪い方向へと展開してしまう筋立ては、読んでいて辛く、なんとか救いはないのかという気分にさせられたものだった。それでいてページを繰る手を止められない面白さなんだけど。

        いったいあのスコット・スミスに何があったのか、13年という間隔は尋常じゃない。スコット・スミスのこと気になっていたのだが、単に翻訳されないだけだと思っていた。ようやく出版されたこの第2作も、いや〜な小説だ。前作は人間というものの恐ろしさがテーマだったが、今回は理不尽な場所に置かれてしまった人間たちのドラマ。相手は人間ではなく理不尽なあるモノとの闘い。

        もうすでにこちらも映画化されていて、そのうちに日本でも公開されるのだろうけれど、絶対に観たくない。第一、よくこんなものを映画化したよなあ。小説を読んだ限りにおいては正視できないシーンがいっぱいでしょ。WOWOWのHollywood Expressを毎週観ていて、この映画の断片シーンが放映されたが、差し障りないようなシーンのみだったので、ソフトに映画化したのかなあと思ったのだが、そのうちにインターネットにもスチール写真が載るようになって、それを見ていると、やっぱりこれ、やっちっゃたのね、おそらく。

        もうラストに近づくほど胸がむかついてくるほど、読んでいていや〜な気分になるのだけれど、それでも読まないでいられない。ううう、ナイフはやめなさ〜い!


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