July.11,2009 これで誰でも新作落語が書ける?

        三遊亭円丈の新しい本『ろんだいえん』は、落語を論ずる、新作落語の台本を書く、新作落語を書くという作業を表す。落語家の前座、二ツ目、真打という分類を廃し、古典落語はそのまま演じる落語家をアクター、古典落語にアレンジを加えるものをアレンジャー。自分で新作落語を作り演じられる者をクリエイターと呼ぶという主張。クリエイターは最上位であり、自分はその最上位のクリエイターだと主張するあたりは、「それはそうで、まっとうな論だとは思うのですが、よくそこまで書けますなあ」と読んでいて、まあそこまで恥ずかしくもなく書けますなあと。

        とはいえ、古典落語を演ることを否定するようでいて、自分は円生の直弟子で、三遊亭の血として古典落語もやらねばなんていう理論も、う〜ん。まあ好きにやってくださいと申し上げるしかないのだけどねえ。

        新作落語をここまで盛り上げた功績は、やはり認めてあげないといけない。新作落語の作り方を解説するくだりは面白いし、今までこんな本は無かったろう。なるほどなるほどと感心するが、でもこれを読んだからといって誰でも新作落語が書けるわけではないでしょう。やっぱり新作落語が書けるというのは、最終的には才能なんですよね。


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