木下半太『悪夢のギャンブルマンション』 木下半太の悪夢シリーズ最新作。読みやすいので、このシリーズ、ついつい買って読んじゃうのだが、今回はギャンブルものとあって期待が大。 シリーズキャラらが、ギャンブル好きの男を仲間に加え、マンション全体がギャンブル場になっている施設に乗り込む。目的は1000万円の元手を倍の2000万円にすること。マンションは五階建てで、ひとつクリアーすると上の階に進めるという『死亡遊戯』方式。これは期待がつのる。 なにせ『カイジ』を始めとする福本伸行のギャンブル漫画や、『ライアーゲーム』に夢中になっている身ですからね。 で、このマンションの各部屋でギャンブルが行われるのだが、これが全てイカサマ。このイカサマを暴いて勝っていく前半が面白い。前半と書いたのはわけがある。実はギャンブル小説としての要素以外にもうひとつのストーリーが進行していて、全体の三分の二ほど進んだところで、ギャンブルの話はどうでもいいことになっていってしまうからだ。 楽にすぐに読めてしまう本だが、ギャンブルの話で最後まで通して欲しかったなあというのが正直な感想。 2009年12月23日記 このコーナーの表紙に戻る |