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貴志祐介『悪の教典』

 去年の話題作。でなくても、最近読書量が減ったとはいえ貴志祐介は出版されれば読んでいるなあ。

 蓮見聖司という主人公、なんだって高校教師になったんだろう。いや、一応それなりの説明は書かれている。でもなあ、学校、それも高校なんて反抗期の子供ばかりの世界でしょ。気に入らない生徒なんて山ほどいるでしょ。それを邪魔だといって、次々に殺していくなんて、そりゃ。めちゃくちゃでしょ。なんて思って読んでいくと下巻に入って、「うわー!」ってことになってしまうわけで。

 これだけ話題になれば、当然映画化にもなるだろうけれど、どこまで宣伝でネタを曝すかが気になる。下巻での展開は当然メインになってしまうんだろうなあ。

 とすると、全体が最初っからわかってしまうわけで、読書体験として読んできての下巻の衝撃はあまりないことになるんだなあ。

 ふと、これも映画化された『バトルロワイヤル』を思い出してしまった。あれの教師側主体バージョンなのかも、これ。

 とすると、蓮見は北野武にして映画化したらなんて思うんだけど。ハハハ。

2011年1月3日記

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