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ジェフリー・ディーヴァー『ソウル・コレクター』

 毎年年末に刊行される本の楽しみといえば、以前はディック・フランシスだったけれど、今やジェフリー・ディーヴァーというわけで、本屋に新刊が平積みにされるのを、今日か明日かと待ちわびるというわけなのです。

 さて、今年の『ソウル・コレクター』だが、犯人の正体がわかるまで、まあ読者はじらされる、じらされる。そして、その犯人がわかると、「うーん、そうきましたか」という驚きもあるけれど、ちょっとアンフエアかなあという気にもさせられた。ジェフリー・ディーヴァーというと、残りページ数が、まだ数十ページもあるというのに物語が完結か、と思いきや、まだ終わんないだもんねという驚きがあるものだが、今回はストレートに終わってしまったりするのが、やや物足りない。なんて言ってみたりして。まあ十分に面白いのだけど。

 今回扱っている個人情報の問題というのは確かに深刻なんだけれど、こうなってしまうともう、もはやしょうがないという気もする。中には私も含めて個人情報をインターネットで好き好んで公開してしまっている者もいるくらいだから。

 今回も細かな引っかけがあったり、小さなカメレオンが何匹かいるのも楽しい。それにしてもラストでアメリア・サックスの相棒(人物ではない)が悲惨なことになってしまうのは可哀そうでした。まあ、どうなるのか、次回作のお楽しみってわけで、引っ張るよなあ、ディーヴァー。

2009年12月19日記

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