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2003 USA/D/Japan/UK/NL 130 Min. 劇映画
出演者
Angelina Jolie
(Lara Croft - 考古学者)
Chris Barrie
(Hillary - 執事)
Noah Taylor
(Bryce - コンピューターの専門家)
Gerard Butler
(Terry Sheridan - 元軍人、現在服役中、元ララの恋人)
Ciaran Hinds
(Jonathan Reiss - 怪しい学者)
Til Schweiger
(Sean - ライスの腹心の部下)
Djimon Hounsou
(Kosa - マサイ族の通訳)
任達華/Simon Yam
(Chen Lo - ライスと取引をする怪しい中国人)
Terence Yin
(Xien - チェンの弟)
見た時期:2001年8月
トゥームレイダー / Tomb Raider
2001 USA/UK/D/Japan 100 Min. 劇映画
出演者
Angelina Jolie
(Lara Croft - 考古学者)
Rachel Appleton
(ララ - 少女時代)
Chris Barrie
(Hillary - 執事)
Noah Taylor
(Bryce - コンピューターの専門家)
Daniel Craig
(Alex West - ララの仲間)
Jon Voight
(Richard Croft - 20年前に失踪したララの父親)
Iain Glen
(Manfred Powell - 父の宿敵)
見た時期:2001年8月
コンピューター・ゲームを知っている人にはアンジェリーナ・ジョリーに反対している人もいるようです。ファッション・モデルが本職で、ゲームに登場するララとよく似た女性がおり、そちらを推していたそうです。私はそういう話は全然知らないので、ジョリーで満足しています。
聞くところによると、ララ・クロフトという金持ちの女性がいて、彼女は考古学を近代的な技術を駆使して追及。冒険精神旺盛で、世界中の至る所へ出かけて行くのだそうです。
最初のストーリーではまだクロフトの父親も登場し、ドイツでも有名な秘密結社イリュミナティーの物語が展開します。このあたり2004年に作られたニコラス・ケイジ主演のナショナル・トレジャーと重なり、入り乱れる筋書きで、両方を比べると頭が混乱するので是非お薦めします(!?)。
イリュミナティーについては Robert Shea と Robert Anton Wilsonが書いた3部作の本があります。タイトルは「イリュミナティー(The Illuminatus Trilogy: The Eye in the Pyramid, the Golden Apple & Leviathan)」といいます。イリュミナティーというのは英国で1700年代に始まった秘密組織フリーメーソンの亜流とも言われ、こういう組織に詳しい人はフリーメーソンとは別物だと言っています。フリーメーソンはドイツ語では Freimaurer といい、Frei は自由、Maurer は石や煉瓦の職人という意味です。言葉が示すように、元々は職人の協同組合のような性格を帯びていたようです。
当時ワイマールで首相をしていたゲーテはこういった組織は政府の中に政府を作るものとみなして反対しています。(ゲーテは文学で知られていますが、政治家でもあり、自然科学者でもありました。)ゲーテの文学方面の相棒のシラーは反対にこういった組織の力を借りて作品の出版、上演にこぎつけています。英国に始まったフリーメーソンは現在でも欧州には存在し、同じく強い組織を持つイエズス会、カソリックの教会などとは反対の立場を取りながら、いろいろな方面で仲間同士が助け合って出世をし、権力を握ったりしているそうです。国という形式を取らない組織という点では共産主義者がインターナショナルを唱えるのと似ていますが、経済の形式のための組織でも、万民のための組織でもなく、上にいる者は容赦なく組織の下にいる者を利用すると書いている論文もあります。特に共産主義、カソリック教会と違うのは組織が秘密にされている点です。
私もこの話はその辺の報道をかじっただけなので実際の事は知らないのですが、1つ確かに問題だなあと思われる点は、どこかの国の軍人で高い地位についている人がこの組織に属している場合。仲間から何かを頼まれることがあるのだそうです。するとこの軍人は割に簡単に言われた事をやってしまうのだそうです。軍人というのは1つの国に仕える人で、内部組織もきっちり整備されており、上官の命令だけに従うというのが前提。そういう人の中に、どこかよそから頼まれた用事を地位を利用してやってしまう人が混ざるというのは確かに組織の混乱を招きます。
ドイツではこういう組織の話は誇張され、おもしろおかしくスパイ冒険小説のような受け取られ方をすることもあるようです。私は知らなかったのですが、学生運動の時代の若者にはイリュミナティーに凝ったりした人もいたと聞きました。そのせいでしょうか、1998年にイリュミナティーの考え方に取りつかれ、破滅した若者の話、23 というタイトルの映画が作られています。無知なのは私1人で、世間では結構知られたテーマだったようです。
23という数字だけでなく、ピラミッド型をした三角形の上に目玉が描かれているマークもこういった話に凝っている人たちにとってはシンボル。ララ・クロフトの話にはこのシンボルが出て来ます。失踪したララの父親が以前「時間と空間を乗り越えて人類の運命を変えるような出来事が起こる」と言っていたのを、ララが調査中に思い出します。5000年ほど前に封印された扉の鍵が話の鍵になります。正直なところ5000年というのは生物学者や考古学者にはあまり長い時間とは言えません。5000年毎にこんな大きな事が起きていたのでは人間は忙しくてかないません。ま、これはコンピューター・ゲーム、劇映画なので、その辺は深く追求しない。
映画の方では、その大変な出来事に関連する日蝕が迫り、ララは48時間以内に謎を解いて世界を救わなければなりません。なぜララ1人の肩にこういう負担がかかるのか。それは父親の宿敵がこのチャンスを狙っているからです。その辺のご都合主義のストーリーには目をつぶりましょう。
第1作はめでたしめでたしで幕を閉じます。この作品はコンエアーと将軍の娘 エリザベス・キャンベルを撮った監督が担当。なるほどアクションはコンエアーの監督といった感じですが、将軍の娘 エリザベス・キャンベルのような頭脳はあまり感じられませんでした。しかし、コンピューター・ゲームのファンを前に、難しい映画化をとにかくこなしました。
第2作はその第1作を踏まえてさらに前進という感じです。改めて言わなければなりませんが、私はコンピューター・ゲームの方はデパートを通りがかった時にチラッと見ただけ。アンジェリーナ・ジョリーとは顔の感じが違う女性の絵を見ました。顔だけ見るとこの女性の方がジョリーよりおとなしそうなイメージです。以下の私の感想は映画の第1作とだけの比較で、コンピューター・ゲームの知識はゼロです。
なかなか上手いことをしたと思います。ジョリーはこの2作の間に私生活で家庭問題が報道され、どうにかそれを落ち着かせたところ。そのせいなのか、脚本のせいなのか、一段大人になった感じがします。ポスターに写っている顔や水着姿の宣伝写真などの印象です。そしてこの水着姿がなかなか良いです。ヒントにしたのは恐らくショーン・コネリー時代の007シリーズ。特にサンダーボール作戦をかなり意識して作ったのではないかと思います。ちょっと前に本家本元の007に出演したハル・ベリーのみっともない水着姿に比べ、ジョリーの黒いビキニは魅力的です。
そして TR2 全体を見ると007を意識したようなアクション・シーンが何箇所かに出て来ます。ストーリーは漫画的なので、マジに取らない方が良いですが、コネリー時代の良い部分はかなり参考にしているようです。素敵だなあと思ったシーンは彼女の水着姿、高い所から相棒と飛び降りるシーン、そして大事件が起きる前に家で馬に乗りながら射撃の練習をしているシーン。ジョリーが十分トレーニングをしつつも、ガリガリに痩せ細っていないところも感じが良いです。ジョリーがスクリーンにどのように映るかを良く配慮しています。
男性の目を楽しませる映画でもありますが、女性の目から見てもかっこいい、女性もこのぐらいやれるのかと認識させてくれる作品と言えるでしょう。肩の凝らないエンターテイメント作品です。
と、せっかくジョリーのほどほどの太さ、あるいは細さを誉めたところですが、テイキング・ライブスの頃からの彼女は見ていられないほど細くなっています。いったい誰があそこまで痩せろと命令を出すのでしょう。多少ふっくらしていてもいいじゃないですか。
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