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コールドプレイ /
Fritt vilt /
Cold Prey /
Escalofrío /
Cold Prey - Eiskalter Tod /
Kallt byte

Roar Uthaug

2006 Norwegen 97 Min. 劇映画

出演者

Ingrid Bolsø Berdal
(Jannicke - スノーボード・ホリデーに来た若者、エリックと仲がいい)

Tomas Alf Larsen
(Eirik - スノーボード・ホリデーに来た若者、メカに強い、ヤニケと仲がいい)

Endre Martin Midtstigen
(Mikal - スノーボード・ホリデーに来た若者、イングンと仲がいい)

Viktoria Winge
(Ingunn - スノーボード・ホリデーに来た若者、ミカルと仲がいい)

Rolf Kristian Larsen
(Morten Tobias - スノーボード・ホリデーに来た若者、足を負傷)

Erik Skjeggedal
(Geir Olav Brath - ホテルの持ち主の息子、子供時代に行方不明になる)

Rune Melby
(Geir Olav Brath、大人)

Hallvard Holmen
(Bjørn Brath - ホテルの持ち主、ゲイアの父親)

Tonie Lunde
(Magny Brath - ホテルの持ち主、ゲイアの母親)

見た時期:2011年7月


ザ・コールデスト / Fritt vilt II / Cold Prey 2 / Cold Prey 2 Resurrection - Kälter als der Tod / Frit vildt II / Kallt byte II

Mats Stenberg

2008 Norwegen 86 Min. 劇映画

出演者

Ingrid Bolsø Berdal
(Jannicke - 殺人事件を生き延びた女性)

Marthe Snorresdotter Rovik
(Camilla - ヤニケが収容された病院の医師)

Kim Wifladt
(Ole - 警官、カミラの恋人)

Johanna Mørck
(Audhild - カミラの同僚)

Fridtjov Saåheim
(Herman - ヤニケが収容された病院の医師)

Per Schaaning
(Einar - 年配の警官)

Andreas Cappelen
(Kim - 警官)

Mats Eldøen
(Sverre - 警官)

Vetle Qvenild Werring
(Daniel - 病院にいる少年)

Charlotte Grundt
(ダニエルの母親)

Mads Sjøgaård Pettersen
(Johan)

Robert Follin
(Geir Olav Brath)

Bernhard Ramstad
(Haldor Mæland- 昔の事件を分析した学者)

Inger Johanne Ravn
(Marie - 年取った入院患者)

Viktoria Winge
(Ingunn - 収容された死体、殺人事件の犠牲者)

Tomas Alf Larsen
(Eirik - 収容された死体、殺人事件の犠牲者)

Endre Martin Midtstigen
(Mikal - 収容された死体、殺人事件の犠牲者)

Rolf Kristian Larsen
(Morten Tobias - 収容された死体、殺人事件の犠牲者)

Hallvard Holmen
(Bjørn Brath - ホテルの持ち主、ゲイアの父親、ビデオ)

Tonie Lunde
(Magny Brath - ホテルの持ち主、ゲイアの母親、ビデオ)

見た時期:2011年7月

★ 3作目を見る前にお勉強

今度のファンタにプリクウェルが来るというのでお勉強。2007年のファンタに最初の作品が出ていますが見ませんでした。5人の若者がスノーボードのホリデーで殺人鬼に遭遇するという話で、説明を聞くと他の有名な作品の亜流に思えて外しました。

2009年のファンタには続編が来ましたが、最初の作品を見なかったのでパスしました。

今年のファンタに3作目、プリクウェルが来るというのでちょっと調べてみたらおもしろそうなので、では見る前に前の作品に目を通しておこうということになりました。普通ファンタの前に作品の情報には目を通しますが、パンフレットや記事ばかりで、前作を見ておこうというのは初めてのことです。見てみると、1作目はそれほどおもしろくなかったのですが、2作目が1作目終了直後から始まり、3作作ることを最初から企画していたのかなと思いました。監督は変更になっています。両作を比べると継ぎ目に違和感はありませんが、2作目の方がおもしろいです。ただ2作目をおもしろく感じるには1作目が前提になります。まず殺人事件が起き、それが2作目まで尾を引くという構造になっています。

2作目から見る人のために冒頭に一応話しについていける程度のフラッシュ・バックと事件の経過を示す新聞記事が出るので、1作目を見逃した人にもストーリーは理解できます。

★ 事件の経過

男3人、女2人が車でオスロから少し離れた山にスノーボード・ホリデーに出かけます。車を道に停めて、そこから小高い丘に登り始めます。上からスノーボードで一気に下りますが、1人が足に怪我をします。携帯は圏外で通じないのですが、近くで廃墟になったホテルを発見し、とりあえずそこに避難します。部屋の1つで火災があった様子ですが、ホテルには缶詰などもあり、電気も僅かに残った石油でつけることができ、部屋はたくさんあるので、怪我をしたトゥビアスの世話もでき、とりあえずほっとします。エリックが携帯の通じる所まで行くか、車に戻り、応援を頼むという話になります。

カップルになりそうな2人、イングンとミカルが1部屋、怪我をしたトゥビアスともう1組のカップルになりそうな2人、ヤニケとエリックが、2人と3人に別れて部屋を取ったのですが、イングンがまだセックスには早いと考え軽い喧嘩になり、ミカルは部屋から出ます。イングンは間もなくその部屋でホテルを徘徊していた見知らぬ男に殺されてしまいます。他の4人は気づきません。

翌日まだ何も気づいていないエリックが応援を頼みにホテルを出て間もなく雪の上に放り出されたイングンの死体を発見。とたんに同じ男に襲われてしまいます。男が使う武器はピッケルや斧といった飛び道具ではない物。

まだ何も起きていない時、ヤニケはホテルの客が記念に書き残したメッセージと1枚の写真を発見します。ホテルの持ち主ブラート家の両親と子供のようです。最後の泊まり客は1975年で、その後ホテルは営業していないようでした。最後のメッセージは「息子さんが見つかるといいですね」という内容。

エリックの出発後ホテルに残った3人のうちヤニケが間もなくイングンの部屋で大きな血痕を発見。また、地下の発電機の横の部屋で恐ろしい数の指輪を始めとしてサングラスやスキー、ホリデー客の持ち物と思われる物を発見。近くにあったブラート家の息子失踪事件を記した新聞記事を見て、ホテルの客のメッセージの意味も理解。何がどうなっているかはっきり理解しないままぞっとします。

客室の1つに隠れた3人のうちミカルは2人が止めるのを聞かず窓から脱出。しかし間もなく殺人鬼に発見され、殺されてしまいます。それを窓から見てしまった2人。2人は食料を貯蔵してある倉庫に隠れます。トゥビアスは足を骨折してまともに歩けないので、ヤニケがスキーで助けを呼びに行こうとします。しかし納屋でショットガンを発見。ホテルにショットガンの弾があったのを思い出してホテルに戻って来ます。犯人と対決する気になったのです。

地下室に戻ったヤニケはエリックに再会。死んだと思ったエリックは重症ですが生きていました。しかし行き違いが生じて、ヤニケが犯人を追い詰めたつもりの同じ部屋にエリックが取り残されてしまいます。ショットガンの1発で犯人を仕留める作戦は失敗し、エリックが目の前で殺されてしまいます。トゥビアスもやられてしまい、彼女自身も襲われて意識不明に。

まだ生きていたヤニケは他の4人の死体と一緒にそりに乗せられてどこかへ運ばれて行く途中でした。犯人は死体をクレバスに捨て始めます。最後になったヤニケは犯人と対決し、かろうじて生き残ります。犯人はクレバスに落下。

★ 事件後

オスロから1時間ほどの小さな町の病院。そこで勤務するカミラは警官のオレと恋人ですが、彼女はオスロの病院に転職の予定。オレは署からの連絡で、停めたままになっている車を見に行きます。

前作で大活躍し、くたくたになったヤニケは薄着でピッケルにもたれてかろうじて立っているところを発見され、病院に収容されます。病室で行われた事情聴取の通り警官隊はクレバスで5人の死体を発見し、ヤニケが収容された病院で検死。若い警官に混ざっていた年配の主任警官が1975年の事件を思い出し、2人の若い警官がホテルの廃墟に派遣されます。

ヤニケは心理的に追い詰められた状態で、彼女を助けようと思ったカミラが死体の身元確認をさせます。仲間の死体を見ている時は悲しみながらも落ち着いていたヤニケは犯人の死体を見ると怒り出し、胸の所を殴りつけます。これがきっかけになり、犯人は目を覚まします。寒さで心肺停止状態だったため検死に慣れていない病院のスタッフは死亡と判断していたようです。心臓が動き始めたため、医療関係者としては救わざるを得ず、できれば殺してしまいたいと思って暴れるヤニケには鎮静剤を注射してしまうため、犯人がどれほど危険かは病院のスタッフには理解できていません。それでも犯人に手錠をかける程度の常識はありました。

しかし監視をしていた警官は簡単にやられてしまい、犯人は病院を徘徊し始めます。ここから先は殆どコールドプレイと同じ展開になります。犯人は病院の電源を切り、停電状態にしてしまいます。ホテルの客室の代わりになるのが病室。スノーボードの友達の代わりに病院のスタッフが殺人鬼に襲われ始めます。戦う気のあるヤニケと、しっかり者のカミラはそれぞれ冷静に行動し、抵抗しますが、若い警官、医師、看護婦の1人はやられてしまいます。病院は閉鎖寸前なため患者数が少ないのが幸運と言えるでしょうか。

若い人たちが殺人鬼と戦い、命を落としている間、年配の警官は事務所で古い資料をチェック。両親がインタビューに答えているビデオを見て不審に思ったこともあり、当時の関係者と会って話をします。2人の話と新聞記事を合わせると、ホテル経営者の息子がある日突然行方不明になり、見つからないままホテルは閉鎖。夫婦は暫くして事故死。しかしプレスに出ていない事実もありました。少年は死産のはずがかろうじて助かり、少年が育つにつれホテルの経営が難しくなります。周囲の家畜や犬が残酷な方法で殺されたため悪い噂が立っていました。当時この事件に関わっていた学者は、少年は元々正常でなかったが、それは新聞には載っていないと証言。

この話を聞いた警官は改めてクレバスを捜査。恐ろしい数の凍った死体を発見します。これがタイトルになったようです。

一方病院では第1作のホテルと同じ事が起きており、次々と人が殺され、残っているのは少年、老女、カミラとヤニケだけ。第1作と同じく死んだと思われた警官が1人重症で生き残り、ヤニケとカミラが襲われそうになるところ、文字通り命をかけて救ってくれます。しかしその後にもう1度2人は男と対決しなければなりません。ダイ・ハードな男なので、今度ばかりは念には念を入れて2度殺します。

第3作はこの殺人鬼の子供時代の話のようです。

★ 三部作か

監督は1作目の後交代しているのですが、両作品は調和が取れています。おもしろさは上にも書いたように2作目の方が上ですが、構成上仕方の無い展開かも知れません。まずは元になる事件の作品を作ってあったため2作目のヤニケが取る行動に納得が行く仕掛けです。3本目が殺人鬼の過去になって、話に厚みができます。なので3作目を見てみようかという気になったわけです。私がまだ見ていなかった2作をわざわざお勉強して、3作目を見ようと思ったのは、解説の筆の力かも知れません。2作を見る限り、取ってつけたような感じがしないので、元から3作作る予定だったのかも知れません。

難を言えば、クレバスのシーンでいかにもセットという感じがした点です。雪原や小高い丘のシーンはロケだったようで、一応それらしく見えます。カメラはそれほど良くなく、ミレニアムシリーズ他の北欧の作品にはもっとすばらしい撮影の作品があります。俳優もそれほど演技が上手ではありません。ただ1作目を生き延びたヤニケと2作目に登場したカミラはこの女性なら大丈夫だろうと思える強さが感じられます。

3作目は1975年に遡るので、2作から誰かが出るとすれば年配の警官の若い頃でしょう。問題の少年の両親は既にビデオのインタビューという形で登場しています。少年がどういう子供だったかは一部語られています。それ以上のサプライズがあるのかが楽しみです。

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