February.25,2000 伊古奈の朝食

        おはようございます。よく寝た。

        いただきまーす。

        刺身こんにゃく(酢味噌でね)、菜の花のお浸し煮物(がんもどき、椎茸、サヤインゲン、里芋)、味付け海苔あじ干物卵焼き、ひじき煮つけ、梅干蒲鉾わさび漬け辛子明太子湯豆腐漬物(野沢菜、沢庵)、味噌汁オレンジジュースコーヒー

        あじの干物は、最近よくあるように、ちいさな網焼器で焼いて食べる。これだと熱々のが食べられるのでうれしい。冷めちゃった干物って、硬くなっちゃうしね。湯豆腐は、竹の容器にすっぽりと入った豆腐を洒落た湯豆腐鍋に、しゃくって入れる。なかなかオツな演出。味噌汁は、昨夜の伊勢海老の頭を割って入れてくれている。おいしかった。

        食後にコーヒーを持ってきてくれるのもうれしい。私コーヒー党でして、いつもは旅館に泊まると、食後にラウンジに行ってコーヒーを頼む。コーヒーがないと朝が始まらないのだ。

        ごちそうさまでした。


February.23,2000 伊古奈の夕食

        いただきまーす。

        先付  胡麻豆腐 山葵 友庵
        前八寸  おかめ麩 車海老 目ざし 白倍貝 黒豆 丸十
          どびん蒸し 舞茸 蟹真丈 蛤 銀杏 木の芽 スダチ
        お造り  本鮪 鯛 伊勢海老 鮑 烏賊 山葵
        焼物  鮑おどり焼
        強肴  伊勢海老具足煮 ブロッコリー 大根
        蒸し物  フカヒレ茶碗蒸し ゆり根 銀杏
        油物  伊古奈名物 天天揚げ
        お食事  若布飯
          なめ子 豆腐
        香の物  白菜 野沢菜 桜漬
        水菓子  伊豆の香り

        刺身は上の写真にあるように、大きな氷を皿にみたてて、盛ってある。全てプリプリとして、旨い。伊勢海老の甘いこと。絶品。本鮪のトロなんて、久しぶりのご対面。うっ、旨い。

        名物だという天天揚げは、座敷まで天ぷらの道具を持ってきて、その場で揚げてくれるから、熱々のが食べられる。衣に何か粒状のものをまぶして揚げるのだが、これが何だか分からない。仲居さんに訊いてみたのだが「ふふふふふ。それは、企・業・秘・密」だって。

        ごちそうさまでした。


February.20,2000 メロン最中

        旅館で部屋に通されると、お茶とお茶請けの菓子が待っている。伊古奈では、ちゃんと仲居さんが御薄をたててくれた。茶道の心得はないけれど、見よう見真似でいただく。

        菓子は大抵、その宿で売っている菓子。気に入ったらお土産に買っていってくださいとの宣伝を兼ねてある。伊古奈のは、メロン最中

        メロンあんという、かなり意表をついた最中(モナカだからね)。夕食が食べられなくなるので、お茶菓子は、いつもお持ち帰り。今、この項を書くのに食べてる最中(こちらは、サイチュウだからね)。メロンの風味がよくて、結構なお味でした。お土産にひと箱買ってくれば良かったかな。


February.17,2000 TOPPING HOMMES

        新幹線グルメっていう駅弁、ご存知でしょう。新幹線のホームでしか買えない。ひとつ千円だが、内容が充実しているので、絶対にお得。売っている駅と売ってない駅がある。東京も売っていない駅のひとつ。しかし、八重洲北口入ってすぐのところに、東海道新幹線の各駅の新幹線グルメを売っている売店がある。先週、正午発の踊り子号で下田へ向かう列車に乗り込むときも、この売店に寄った。お目当ては、トッピング・オムズ。名古屋の新幹線グルメ。いろいろ迷うが、トッピング・オムズがあると、大抵これにしてしまう。

        列車が動きだした途端に、缶ビールのプルトップを開ける。プシュッ、ングングング、プッハーッ!この瞬間が旅の醍醐味。さあ、トッピング・オムズいただきまーす。

        これを食べるときは、いつも決まった手順がある。上段に並んでいる串に刺さったオカズを、まずビールを飲みながらいただく。ビールを飲み終わったところで、下段のオムスビ。内容は時々変わるようで、買うたびに微妙に違っている。今回のは次のとおり。

        串に刺さったオカズ
        キューリ、ミニちくわ
        肉だんご
        がんもどき、こんにゃく
        イカのさつまあげ、うずらの卵
        ウインナーソーセージ、緑の銀杏

        オムスビ
        カレー味。上に蒲鉾とピクルス。まわりをカレー味の湯葉で巻いてある
        濃い醤油味。上にチーズとハム、なたまめの花
        薄い醤油味。上に油揚と山椒の芽。まわりを湯葉で巻いてある
        シソ味。上に大葉
        塩味。上にエビの天ぷらとブロッコリー。まわりにオカカが散りばめてある

        右下は漬物で、守口漬けとさくら漬け
        左上はフルーツで、オレンジとプチトマト

        ビールを飲みながら、弁当を食べたい人には夢のような駅弁だ。ビールと一緒にオカズを食べ終わって、さて食事にするかとなった時でも、ちゃんとオカズ付きのごはんが残っている。また、弁当箱にごはん粒がへばり付いてしまうこともない。

        ごちそうさまでした。


February.13,2000 バレンタイン・チョコレート

        もうすっかり、ギリといえどもバレンタイン・ディにチョコレートを貰えることがなくなってしまった。この日は肩身が狭い。チョコレートが食べたくなっても、恥ずかしくて買いに行かれない。「あの人、チョコレート貰えなかったのね」と店員に思われるのが悔しい。

        4年前だったと思う。新潟からの帰りの新幹線で、浅田次郎のエッセイを読んでいた。その中にに、ユーハイムの[フランクフルターズ・クランツ]なるケーキの話が出てきた。このケーキのことを初めて知った私は猛烈にこれが食べたくなった。湯沢のスキー場の雪山がフランクフルターズ・クランツに見えてくる。東京に着き、私は大丸の地下にある、ユーハイムの売場にズンズンと向かった。

        お菓子売場は何故かピンク色のデコレーションでいっぱいだった。しかも女性客がいっぱいで、前に進むのもやっと。そうか、数日後はバレンタインディだ。ユーハイム売場も、女性客でごったがえしている。やっと私の番になり、店員さんが応対してくれる。「あのう、フランクフルターズ・クランツというケーキが欲しいんですが」「ああ、あれは今ありません」「えっ! 売り切れですか?」「いや、この時期はチョコレートしか作ってないんですよ」。クラッときた。そんなバカな。バレンタイン・ディのばかやろーっ!

        フランクフルターズ・クランツの話は、また別の機会にするとして、もうひとつ、バレンタイン・チョコの話。これまた何年か前のバレンタイン・ディの夜、コンビニで目撃した光景。50代と思しき男性が、コンビニのプラスチックの籠を持ち、チョコレートの棚の前で屈みこんでいる。籠の中は、板チョコでいっぱい。これって、チョコを貰えなかったお父さんが、家に帰って、「ほら、お父さん、こんなにチョコレートを貰ったんだぞ」と自慢したいんだろうなあ。でも、ごく普通の安い板チョコ。包装紙に包まれているわけでもなし、なんだか見え見えという気がしないでもないが、可愛いじゃないですか。こういう人、好きだな。


February.7,2000 キャラメル味

        今出ている『ダカーポ』(No.439)の52ページによると、今、キャラメル・テイスト・ブームなのだそうである。知らなかった。スターバックスの『キャラメルマキアート』を女性客の70%以上が頼むそうなのである。へえー、ほんとかなあ。何でも去年はプリン・ブームだったそうで、その流れだって。プリンにトッピングされたキャラメル(カラメル)がお菓子ファンに再認識されたなんて知ってた? プリン・ブームだったことも知らなかった。そうなの?

        で、キャラメル味について、書いてみたくなった。なるほど、ハーゲンダッツにもキャラメル味がある。今、コンビニ行って確かめて来たところだ。私にとってキャラメル味のアイスクリームといったら、ルービック・アイスとかいう、コンビニでよく買ったやつ。ルービック・キューブのブームは、とっくに終わったころ売っていた小さなサイコロ型のキャラメル味のアイスで、大好きでよく買って食べていた。しばらくして、同じキュービック・アイスで抹茶味が発売されて、それも大好きだったのだけれど、その直後に製造中止。売れなかったのかなあ。おいしかったのに。

        キャラメルとかカラメルっていうもの、ようするに、砂糖を焼いたものでしょう? 最近はあまり見かけないけれど、縁日の屋台でカルメ焼きって、売ってたでしょ。砂糖を型の中で火にあぶって、重曹を入れると、膨らんでカルメ焼きになる。あれ、あまり好きではなかったなあ。

        小さい頃、母が台所でビーフシチューを作っているのを見ていたら、カラメルを作って中に入れていた。「どうして、そんなものを入れるの?」と訊いたら、「カラメルを入れた方が、味が濃厚になるの」と言っていた。そんなテクニックどこで仕入れたんだ?


February.3,2000 ぎんだら大根

        ぶりあら大根が無性に食べたくてたまらなくなり、スーパー・マーケットへ行ったら、アラは売り切れていた。最近、私の行くマーケットは、魚のオチをあまり出してくれない。出ても、あっという間に売れてしまう。仕方なく切り身を買って帰って大根と一緒に煮てみたのだが、やっぱりおいしくない。アラじゃないと、あの濃密な味が出ない。しかも、ぶり自体の脂の乗りもイマイチだった。

        もう15年くらい前だが、人に連れられて五反田の小さな居酒屋に入ったことがある。連れの人が「おまかせでお願い」と言ったときに出てきたのが、ぎんだら大根だった。それまで、ぎんだらといったら粕漬けでしか食べた事がなかった。脂の乗ったぎんだらの旨味が大根にしみ込んで、おいしいったらない。ついつい酒がすすんでしまった。それ以来我が家では、ぎんだら大根は定番メニュー。ただ、煮くずれやすいのが難点。きれいに煮るのはけっこう難しい。一緒にねぎを入れて、クタクタになったやつを食べるのも好き。

        以前、オートバイで銚子までツーリングに行った時、魚市場の向かいの食堂で食べた煮魚定食が、ぎんだらだった。これがまた、感動的に旨かった。私、東京の定食屋さんで煮魚定食を頼んで、ぎんだらが出てきたことは一度もない。おいしいんだけれどなあ。どうして?

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