May.26,2000 明治座のお弁当
明治座に久しぶりに芝居を見に行った。食事は食堂などもあるのだが、私のお気に入りは、この1500円の幕の内弁当。明治座の経営母体には食堂部があり、居酒屋チェーンの経営の他、ケイタリングの営業までやっている。そのケイタリングのノウハウもあってか、ここの弁当は旨い! という訳で恒例の弁当内容チェック。ここの弁当、内容がときどき変わるようだが、今回のはこんなぐあい。
左上 煮物(こんにゃく、蓮根、ふき、椎茸、筍、里芋、人参、ごぼう、もみじ麩)
右上 おかず類(まぐろ照り焼き、焼イカ、海老天ぷら、鳥塩焼き、帆立煮物、蒲鉾、卵焼き、酢漬け蓮根)
右中央 煮豆3種
右下 揚げ物、ブロッコリーのバター炒め
左下 ご飯、漬物
さすがに旨い。特に私は揚げ物が気に入った。これ何で出来ているのだろうか? こりこり、さくさくとして美味しかった。ごちそうさまでした。
May.21,2000 ポテトチップス新製品
まったく日本人の味覚に対する革新性というのは、どうなっているのだろうか? なんでも取りいれてしまうものなあ。伝統的な日本料理以外に、中華料理だろうが、韓国料理だろうが、フレンチだろうがイタリアンだろうが、何でもござれ。街には各国の料理屋が溢れている。
家庭でだって、刺身を食べ、餃子を食べ、焼肉を食べ、カレーライスを食べ、ハンバーグを食べ、スパゲッティを食べる。こんなことが、ごくごく当然のようにして行われている。こんな食生活をしている国が他にあるのだろうか? 例えば、コンビニに行って見ると、ポテトチップスの棚ひとつとっても、頭がクラクラしてくるくらい、いろいろな種類の味つけのものが存在する。
外国のものだと、塩味以外には、コンソメ味、ピザ味、サワークリーム味あたりがせいぜい。ところが日本製ときたら、カレー味だろうが、キムチ味だろうが、わさび味だろうが、エビチリ味だろうが、もう思いつくものは何でもポテトチップにしてしまう。新しいのが出ると必ず買ってしまうんですがね。今一番新しいのがこれ。
明治製菓で出した、[ハーブ&ソルト味]と[ゆずしお味]。これは明治お得意の平たいスティック状のポテトチップスのシリーズ。以前出ていた、ほたてバター味が私は好きだった。今回の2種類のうち[ハーブ&ソルト]は、ハーブの香りがちょっと弱くて、ポテトに負けちゃったなという印象。[ゆずしお]の方が旨い。あっ、「ポテトチップスにゆずなんて」と思っているあなた、保守的だなあ。
May.16,2000 寿司と醤油の微妙な関係V
先月の続き。前回の提案を憶えていらっしゃるだろうか? どうやったら、適量といえる醤油を寿司のネタ部分だけにつけて食べられるか。私は割り箸の先に醤油をつけ、ネタ部分にペタペタとつけたらどうかという結論に達した。ところが、テレビを見ていたら目から鱗、画期的とも言える方法を発見できた。
京都の寿司屋[がくや寿司]という店である。名前からも象徴しているように、ここは京都[南座]の楽屋にも出前しているそうなのである。楽屋で寿司が食べたい。しかし、衣装に醤油をたらしてしまってはいけない。どうするか? 何と寿司と一緒に、小さな刷毛が付いてくるのだ。この刷毛に醤油をつけ、寿司のネタ部分に塗る。そうすれば、醤油をつけすぎることがなく、衣装にたれることも避けられる。出前だけではなく、店でも刷毛が出てくるのだそうだ。
これだ、これだ。なぜこれに思い及ばなかったんだろう。煮切りなどをつけて出してくれるときも、寿司屋の板さんは、小さな刷毛を使っているじゃないか! あれを是非、寿司と一緒に出してくれるといいのだが。だめなら、マイ刷毛を料理道具屋で買って、持ち歩くしかないなあ。しかし、これもまた板さんに「何やっているんですか?」と笑われそうだ。
May.12,2000 クリソー
長年疑問に思っていたことが、「なあんだあ、そんなことなのか」と知って、拍子抜けすることがある。喫茶店とか甘いもの屋で、ソーダ水って売ってるじゃないですか。緑色したやつ。あれって、そういうところでしか飲めなくて、一般に瓶入りで売っているのを見たことがない。黄色っぽい瓶入りのやつは昔あったのだが・・・。
学生時代は、実に様々なアルバイトをしたものだ。ひと夏、プールの監視員をしたときだった。山ちゃんと呼ばれていた先輩が、私のことを気に入ってくれて、キャバレーに連れていってくれたことがある。ああ、そういえば、この山ちゃんという人は、私が会った人の中でも、かなりユニークな人だった。昼間の仕事以外にも、深夜はタクシー・ドライバーをやっていた上、キック・ボクサーでもあった。この人のことは、そのうちに書きたいのだが、今は山ちゃんとキャバレーに行った話。
もちろん、キャバレーなんて生まれて初めての経験だった。国道沿いの、場末のキャバレー。そこで山ちゃんに奢ってもらった。ビール党の山ちゃんと私は、もっぱらビール。ホステスさんたちにもすすめると、どのホステスさんもマッチを擦って、ウエイターに合図を送ると、ソーダ水を注文していた。そのソーダ水が、ピンク色をしていたのだ。それまでソーダ水といえば、緑色と信じていた私はビックリした。ええっ! ピンク色のソーダ水なんてあるの?
そんな疑問は、先日、以前喫茶店でアルバイトをしていた経験のある妹と話していて、あっという間に解決してしまった。なんと喫茶店のソーダ水は、かき氷のメロン・シロップに炭酸水を入れて作るのだそうだ。なあんだ、そんなことかあ。ということは、あのキャバレーのソーダ水って、いちごシロップに炭酸水を入れたものだったんだ。
ところで、最近のマイ・ブームは、クリーム・ソーダ。喫茶店の符丁でいうクリソー。しばらく、こんなもの飲まなかったのだが、喫茶店で何を飲もうかメニューを見ていて迷ってクリーム・ソーダの文字を見て、なんだか懐かしくなり注文してしまった。以来これに妙にはまってしまって、よく飲んでいる。
緑色のソーダ水の上に白いバニラ・アイス。さらにその上に赤いサクランボがが乗っている姿が、デザイン的にいい。最初のうちは、ストローでソーダ水を飲んだり、枝のながーいスプーンでアイスクリームを食べたりしているうちに、だんだんにアイスがソーダ水に溶けだし、透明に近かったソーダ水が、少しずつ濁っていくところが、またいい。最後にサクランボを食べて、種を吐き出して、ごちそうさま。ところで、よその国にもクリーム・ソーダってあるのかなあ。
May.7,2000 タコ足ウインナーパン
これ、妹が上板橋のパン屋[サンメリー]で見つけて買ってきてくれた、タコ足ウインナーパン。正しい商品名は忘れたそうだが、ようするに、ウインナー・ソーセージをタコ足型に切って、パン生地に入れて焼き上げたもの。目は小さく切ったチーズ。まあ、ようするに、それだけのものなんですが・・・。味は、まあ、想像できるでしょ。それだけのものです。でも面白いでしょ。なんとなく、『風の谷のナウシカ』に出てきた、大きな虫にも似ていませんか?
May.3,2000 老舗の納豆だそうですが
テレビを見ていたら、納豆の特集をやっていた。特に納豆が大好きというわけでもないのだが、健康にいいという理由から、朝食に納豆を食べることが多い。それで思わず、ついつい夢中になって見てしまった。
以前、納豆の達人なる人が、「納豆はよく掻き回さなければいけない。ざっと200回くらい掻き回せ」と言うので、毎朝のように納豆を夢中で掻き回していたことがある。これは実は間違いで、あまり掻き回しすぎると美味しくなくなるのだそうだ。ざっと30回くらいがちょうどいいと言う。どっちが正しいのだろう。まあ、好き好きと言われればそれまでなのだが。
この番組に出ていた別の納豆の達人に言わせると、よく納豆に付いてくる[納豆のたれ]は邪道だそうで、醤油をかけたほうがいいと言う。納豆も大豆、醤油も大豆。大豆以外のものはいらないということだそうだが、そうだろうか? やっぱり私は、少々ダシがついたほうが好きだ。[納豆のたれ]を全部かけると美味しくなくなるので、そうですねえ、袋の中の3分の1くらいをかける。[納豆のたれ]が付いていないときは、蕎麦つゆを少々かける。生醤油は少々味がきつ過ぎる。
番組の中で、古くから東京で納豆を作っている店を紹介していた。この店の納豆が、美味しいというのである。神田明神の参道入口で売っている天野屋の[芝崎納豆]なるもの。そんなに遠くでもなく、秋葉原に行ったついでに足を伸ばして、買ってきた。ところがですね、まあ味なんて人の好き好きなんだろうけれども、私には美味しくなかった。
納豆は、現在主流なのが、水戸納豆などの小粒派。ところが、世の中には大粒の納豆も存在する。なんと納豆の品評会なるものがあるそうで、年々ずーっと水戸の小粒派のものが優勝していたのだが、2〜3年前に埼玉の小さな店の作ったものが優勝してしまったことがある。この納豆は大粒派。水戸の生産業者はそろって大粒は邪道だと言ったと、これはラジオで聞いた話。当時、私は小粒しか食べなかった。
それで、人形町の有名な豆腐屋[双葉]で売っている大粒納豆を買ってきて食べてみた。これは美味しかった。納豆の味以前に大豆の香ばしさが口一杯に広がって、豆系の食品に目の無い私は、すっかり気に入ってしまって、毎朝こればかり食べていた時期があった。しかしですね、大粒のは食べにくいのだ。口の中でモソモソしてしまって、どうも具合が悪い。それで、また小粒派に戻ってしまったのだが,けっして大粒が嫌いなわけではない。
話は戻って[柴崎納豆]なのだが、大粒なんですよ。ところがですね、これ、あんまり大豆の香ばしさも感じられない。かといって納豆独特の匂いもあまりない。私に言わせると面白くない納豆なのだ。包み紙の裏には、包丁で細かく刻んで食べると美味しいなんて書いてあるが、納豆を包丁で切るのは大仕事だ。第一、包丁とまな板がベトベトになってしまって、始末に悪い。今は、ひきわり納豆といって、最初から細かく刻んで売っているものもあるんだから、それなら最初っから切って売ってくれればいいのに。