Decenber.8,2002 カルボナーラ
カルボナーラというスパゲッティのことを知ったのは、伊丹十三のエッセイだった。ナポリタンなんて料理はイタリアにはないと書き、イタリアで一般的だというカルボナーラの作り方を書いていた。割と簡単そうだったので私もよく作ったものだった。ニンニクとタマネギとベーコンを炒め、茹であがったスパゲティを加え、黒胡椒を振る。そこに溶いた生卵を落として、卵が固まりすぎないくらいに火を通して出来あがり。パルメザンチーズをたっぷりかけて食べる。
その後、正しいレシピは生クリームを使うのだとか、ホワイトソースを使うのだとか、諸説聞えてきたが、やっぱり一番好きなのは伊丹十三の書いていたやり方。この味に慣れちゃっているせいか、これが旨いと思い込んでいる。
私はめったに外食でスパゲティを食べることがないのだが、先日、街の小さなスパゲティ屋さんに入った。カウンターだけで十人も入ればいっぱいというところである。メニューも一応の代表的なものは並んでいる。私はカルボナーラを注文してみた。で、出てきたものはというと、タマネギとベーコンとスパゲティを炒めて皿に乗せ、上からホワイトソースをかけ、さらにその上に生の卵黄を乗せたもの。うーん、これもカルボナーラというのだろうか? まあ、不味くはありませんでしたけどね。当然(?)スパゲティはあげ置きで、のびちゃっている。
まあ、それでも私は許しちゃうのだけど、麺がくっついちゃっているのだ。フォークでクルクルと巻こうとすると、雪だるま式に巨大な塊になってしまう。一口で口に入る大きさではないのだ。仕方なくフォークの先にスパゲティを引っ掛け、口を皿に近づけてモソモソと食す。およそ上品とは言い難い食べ方になってしまった。それでもいいんだけどね、こんな食べ物は。あげ置きでのびちゃったスパゲティは炒めるときにコンソメスープを加えて炒めるとくっつかない。せめて、そういう手間くらいはかけて欲しかった。
隣に座ったニイチャンが注文したのが[焼スパゲティ大盛り]。「何? 焼きスパゲティ?」と一瞬思いましたけど、すぐに見当がついた。出てきたものは、ソースヤキソバをスパゲティで作ったもの(笑)。今度、食べてみようかなあ。