July.19,2004 津多屋ののり便

        マニアックな落語ファンにとっては、大銀座落語祭2004最大の人気は2日目ガスホールで行われた『夢の親子会5連発!!』という催しだろう。昼の1時から夜の8時30分まで、権太楼、扇橋、さん喬、円歌、円丈という人気、実力のある大看板、中堅の実力派と、その弟子である若手の人気者、三太楼、扇遊、喬太郎、歌司、歌武蔵、白鳥が出るというだけでも2500円という入場料は格安なだけでなく、なんと弁当まで付くという。ガスホールは席数326席。これが争奪戦にならないわけがない。チケットは、あっという間に完売。私は何とか自分の分は確保できた。

        お弁当は夕方に配られた。どう考えても会場費を払って、もろもろの経費を差し引いて、出演者にはボランティア料金で出てもらったとしても、弁当代にはそれほどお金はかけられないはず。どんな弁当なのだろうと思っていた。引換券を渡して弁当を受け取ってみて驚いた。なんと[津多屋]ののり弁ではないか。



        仕出し弁当の津多屋といえば、テレビ局などのロケ弁として有名。その名前のみは記憶していたが実際に食べられるとは思ってもみなかった。これに紙パックのお茶が付く。いったい弁当代、ひとり当たりいくらだったんだろう?



        いただきまーす!

        こののり弁、なんか昔懐かしい感じなんですよ。容器の約半分を占めるご飯地帯の上には海苔が敷かれ、これを食べてみるとなんと二段構造になっている。つまりご飯を半分までよそったところで海苔を敷き、その上にまたご飯をよそい、オカカをかけた上でさらに海苔が敷いてあるのだ。なんともうれしいではないか。

        おかずは、エビフライ、鮭のゴマ揚げ、豚の角煮、肉巻きゴボウ、肉団子、卵焼き、炒め物(イカ、ピーマン、パプリカ、ギンナン、カシューナッツなど)、煮物(シイタケ、筍)、煮玉子。

        ボリュームもあって、たいへんおいしゅうございました。そしてなにより何だか芸能人と同じお弁当が食べられたかと思うと、ちょっといい気分。


July.7,2004 フレーツフレーバーかき氷への疑問

        かき氷の記憶を辿ると、銭湯を思い出す。子供のころは家に風呂が無かったから、銭湯に行った。いつもは店の仕事が終わってからだったから夜だったのだが、土曜に限っては昼で仕事を終えたから午後3時ごろが銭湯へ行く時間になった。夏の銭湯は暑い。風呂で汗を流して脱衣所へ行くと、また汗が噴き出した。クーラーなんて無い時代だから、扇風機の前で汗を引っ込ませながら衣服を着た。それでも外に出るとまた汗が噴き出す。そんなとき父は銭湯の近くの甘いもの屋へ連れて行ってくれて、かき氷を食べさせてくれた。

        当時は、かき氷といったら、イチゴ、メロン、レモンの三種類と決まっていて、宇治だのあずきなんていうものは大人の食べ物という感じで手が出なかった。それにあの三種類のフルーツ・フレイバーの方が子供心には旨そうに思えたものだった。男の子だったから一番よく食べたのは緑色の氷メロンだったと思う。

        やがて、家庭でも作れる氷かき器が発売されて、我家でもこの機械を購入。夏になると冷蔵庫で氷を作って、ガリガリとハンドルを回してかき氷を作った。市販されているシロップを上からたっぷりかけて食べていた。

        代表的な三種類のフルーツフレイバー以外では、あんずが好きで、これがある店ではかならず氷あんずを食べていた。あと、氷ミルクも好きだったし、さっぱりとガムシロップだけかかった、氷水というのもたまには食べた。やがて街でブルーハワイというものも見かけるようになってきた。

        私の疑問が生じたのはそのときからだったのではないだろうか? ブルーハワイなるフレイバーに興味を持って、注文してみた。真っ青なその色はまさにオーシャン・ブルーなのだが、私はイチゴ、メロン、レモンの流れで、何か青いフルーツを想像していたらしい。食べてみたら美味しかったのだが、何か想像できるフルーツの味がない。「何なのだろう、この食べ物は」と思った瞬間から、今までの私の中のかき氷伝説はガラガラと崩壊してしまったのだ。

        はたして、あの氷イチゴはイチゴの味がしただろうか? ただ赤いだけでイチゴという感じではなかったのではないか? レモンだってそうだ。本来レモンという果物は酸っぱいものではないか。それがなんであんなにベタベタと甘いのだ。氷メロンに至っては、悔しいけれどメロンなんていう高級果物は食べたことすらなかったから、あの緑色の液体こそがメロンという果物の味だと思っていた。

        はっきり言わせてもらう! 氷イチゴ、氷レモン、氷メロンは、元の果物の味がしていない!! 果物の名前を付けるんじゃない! あれはブルーハワイと同じに色で表せ! 氷レッド、氷イエロー、氷グリーンで十分だ! ついでに氷ブラウンも作ってゴレンジャー氷にしてしまえ!!

        って、興奮して書いているうちに、食べたくない色もあるのに気がついた。氷グレー。氷ねずみ・・・・・嫌だあ〜!!


このコーナーの表紙に戻る

ふりだしに戻る