March.8,2008 海鮮キムチ鍋(魔界転生篇)

        しばらくやっていなかった男だけの鍋料理研究会。いいかげんに再開しようじゃないかとの機運が高まり、2月のとある日曜日の午後に開催された。鍋奉行Sが予告したのは海鮮キムチ鍋。しかも魔界転生篇というサブタイトルがつく。別に山田風太郎がこよなく愛した鍋というわけではないと言う。

        さっそく買いだし。まずは今回の主役キムチ。別に本格的なやつじゃくてもいいらしくて、普通にスーパーで売っているやつ。今回は割と甘口なものを選んだ。つぎに海鮮。なんでもいいのだが魚のアラがいいダシになるのでアラを調達。それに牡蠣、ホタテ、海老など。野菜、豆腐類といった鍋の定番も忘れずに。このへんの適当さが鍋ってもんでしょ。

        さて、調理開始。ニンニクをスライスして油で炒める。そこに魚介類を入れて軽く炒める。韓国風鍋と見せかけて、実はイタリアンの手法。さあて、出し汁を入れて、そこにキムチを投入。さらにコチジャン、唐辛子で味を調えます。これであとは野菜類を加えて煮えてくるまで待つだけ。



        どうです。おいしそうでしょ。このスープは、クラッとするくらい旨い。なんなんでしょうね、辛いと思っていたら辛さはそれほどでもなくて濃厚なイタリアの煮込み料理の味わい。

        いったい何が魔界転生なのかというと、それは仕上げの雑炊にある。ご飯を入れて卵を溶き入れ、さあこれが肝心、とろけるチーズを入れるのだ! イタリアン・リゾットにへーんしーん!



        って、こら! 写真を撮っているところに指を出すんじゃない!



        だから、指を出すんじゃないって!

        この時点で出席者全員、ワインを飲みすぎていて単なる酔っ払い集団と化しておりました。

        それでどこが魔界転生なのかという話なのだが、これを食べてみると、あらあら不思議、トマト味のリゾットになっている・・・というわけだったのだが、あれえ? トマト味に魔界転生していない。

        どうやら今回の失敗の原因はキムチの量が少なすぎたのと、ワリシタが少なくなってきたところで日本酒を大量に投入してしまったのが敗因らしい。

        というわけで、今回は海鮮キムチ鍋魔界転生せず篇でございました。柳生十兵衛、無念。今回の魔界転生はおぼろでござった。(『魔界転生』は発表当時『おぼろ忍法帖』というタイトルだったのはご存知ですね?)


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