高嶋屋
日本橋架橋百周年記念コース

せいぜいがB級グルメの私だが、
それでも、たまには贅沢をする。
高価であっても財布の紐が緩むのは
何といってもうなぎ。
いくら高いといっても、
たとえそこが高級店であったとしても
ふぐや牛肉を食べるのとは違う。
それに、ふらりと、ひとりで入っても気兼ねなしに食べられる。
実のところ、私はうなぎが好物なのだ。

昨年他界した父も、うなぎが好物だった。
もっとも父と一緒に、うなぎを食べに行ったことはほとんどない。

日本橋地区のうなぎ屋の数は多く、
けっこう制覇しているつもりだった。
新興の比較的安くてうまい、うなぎ屋も増えてきている。

そんな中、ついうっかりしていたのだが
小舟町の[高嶋屋]のことを
私はつい最近まで知らなかった。
老舗中の老舗であることを知らされ、
「えっ、どこどこ」と調べてみると
よく自転車で通るところ。
うなぎ屋なんて、あったっけと
自転車で通る時に注意して通ったら
あった、あった!
注意していないと、自転車だと通り過ぎてしまう。

老舗といわれているところは、
けっこう外観にインパクトがあるところが多いが
[高嶋屋]はひっそりと建っていた。

土用丑が近いある日、
今年の土用のうなぎは、ここにしようと出かけた。

普通に、うな重にしようかと思ったが
うなぎは出てくるまで時間がかかる。
ツマミをとって飲みながら時間を潰そうかとメニューを見ると
日本橋架橋百周年記念コース 5000円
というのがある。
それ以外は8000円以上とか一万円以上のコースになってしまう。
店の人に訊いてみると、
今年いっぱいの限定コースとのこと。
これがいいではないか。


先付け。
あさりの煮物に、ハモ蒲鉾。
薄味に煮たあさり、歯ごたえのある蒲鉾。
酒のツマミには、うってつけ。



焼鳥。
もも、ネギ間、レバー。
ここは、きじ丼もおいしいらしい。
今度、ランチで来よう。



たまご豆腐
じゅんさいと、ソーメン、エビが乗っている。
うなぎの前に口の中がサッパリ。



うな重。
肝吸いか赤だしが選べる。
赤だしを選択。
うなぎのタレは、薄味。
うなぎ本来の味が引き立つ。
これは、うなぎに自信がある表れだろう。
さすがに、おいしい。
幸せな気分になる。



デザート。
タピオカ入りの杏仁豆腐。
デザートが付くといので
フルーツだろうと思っていたので意外だった。
うなぎを食べたあとに、これはさっぱりする。
ミントの葉が入っているのもいい。

老舗とはいえ、こういうデザートの心配りが斬新。

年内に、またこのコースを一度食べに来たいなあ。
土曜のランチが始まったといので、そちらにも是非。



壁にかかっていた森繁久彌の色紙。
この人の色紙はたまに目にするが
うまいことを書いていることが多い。


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