007は二度死ぬ(You Only Live Twice) 2012年12月3日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1967年作品。 日本が舞台になっているが、とにかく当時の評論家受けの悪かった事といったらなかった。これ、褒めていた評論家なんていなかったんじゃないかというくらい評判が悪かった。 実際、私も三本立てになってから観に行って、「なるほどひどい」と思って、それ以来観ていなかった。今回シネマ倶楽部で観なかったら、二度と観ていないと思う。 今観ても、日本に対してヘンテコな解釈しかしていないのがわかるが、それよりも映画としてのできが、『危機一髪』『ゴールドフィンガー』『サンダーボール作戦』ときて、ここで急につまんなくなっていると思う。 悪の組織スペクターとの対決がだんだん荒唐無稽になってきていて、このあとショーン・コネリーが降りて、ジョージ・レイゼンビーのあとに続くロジャー・ムーア版のバカバカしさに繋がっていく兆しが感じられなくもない。 ただ、ロジャー・ムーアの妙に陽気なアクションに比べて、暗いんだなあ、これ。今から観るとショーン・コネリーのジェームス・ボンドはあまりにも古いタイプのヒーロー。女たらしなのはいいとしても、マッチョといっても、ダニエル・クレイグみたいなキレが無い。タバコは吸うし、酒ばかり飲んでいる感じ。健康とは程遠い。こんなヒーロー、今じゃ女は惚れないと思うよ。 荒唐無稽といえば、姫路城で忍者部隊の訓練シーンがあって、こんなのがアメリカ人に間違った忍者のイメージを持たれちゃった原因のような気もするけど、案外、こういうシーンが『燃えよ! ドラゴン』に繋がっていくのかも知れない。 ジェームス・ボンド・シリーズは原作もほとんど読んでいた。あのころは中学生だったというのに夢中でしたね。ませてるわけではなくて、あのころ本好きの連中はみんな読んでいた。お金なかったからモデルガンなんかは買えなかったけど、出てくる武器や秘密兵器には目を輝かせていたし、成人したら、タバコやカクテルに一過言のあるダンディな大人になってやると思ってた。 もちろんボンドガールと言われたセクシーな女優さんのグラビア写真が載っている映画雑誌を食い入るように見ていたっけ。『007は二度死ぬ』出てくる日本の女優さんは、なーんか見劣りがしたりして・・・。思春期でしたね。アハハ。 まあ、この映画今から観ても、ツッコミどころいっぱいなんで、いちいち書かないけど、笑えますわ。 日本の半世紀近く前の風景が観られただけでも、もう一度観た価値はありましたけど。 おまけ。スペクターの首領として白い猫を抱いている手だけで出ていたブロフェルド役として、ドナルド・プレザンスが顔を明かす。でも大人しかったあの猫、抱かれていて明らかに嫌がっているシーンあったよ。アハハ。最後は猫放り出して逃げちゃう。ウハハハハ。 12月5日記 静かなお喋り 12月3日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |