December.5,2001 もう少し一般的な作品を選んで欲しかった覆面作品上映

        今年の東京フィルメックスにはフィルム・サプライズというプログラムがあった。直前まで上映作品名を公表しないでおくといった企画で、何が上映されるかは行ってみないとわからない。こういった上映方法って期待するじゃないですか。きっと超話題作をいち早くこっそりと上映してくれるのではないかと思ってしまうじゃないですか。それでウキウキと前売りを買ってしまったというわけなのだけれど・・・。

        それで当日行ってみて、このフィルム・サプライズでの上映作品が韓国映画の『ブルース・リーを探して』なる映画だと知ったわけです。これはどういう映画だかわからないが、ブルース・リーが絡んでくるともなると期待は増すばかり。ところが・・・、まあ勝手に期待するほうが間違いというのではあるのだけれど・・・。


        ソウルでウィルスが発生して死人が出る。その死体のそばには必ずブルース・リーの写真やビデオが置いてあるので、これが[ブルース・リー・ウィルス]と名付けられて社会問題となっていく。このウィルスの謎を実在のパンク・バンド[クライング・ナッツ]のベーシストが追うといのがストーリーらしいといえばいえるのだが、ほとんどストーリーはないといっていい。すっげえアバンギャルドな映画。なんだか最後までわけがわからなかった。

        ストーリーを追うことは放棄してボンヤリと映像を眺めていたが、ほとんど私には苦痛に近かった。全編にクライング・ナッツのパンク・ロックがフューチャーされているのだが、これも苦痛。別にパンクが嫌いというわけではない。パンクが出てきた初期には積極的に聴いていたクチだし、今でもCDこそ買わないものの、いいパンクは気持ちがいい。しかしこの韓国のクライング・ナッツの音楽は私には面白いとは思えなかった。ドラムがいいリズムを叩いているなあと思った程度。

        こういう映画を上映してもらってもかまわないが、こういう映画は見る人を選ぶタイプのものだと思う。覆面作品として上映するのに、はたして相応しかったかどうか。途中で何回席を立とうと思ったかわからない。隣に座っていた男性は、映画が半分くらいいったところで帰ってしまった。ブルース・リー・ウィルスの謎は主人公に関係なくあっけなく判明し、いったい何をいいたいのだかわからないまま終わってしまった。我ながら何を見ていたんだか・・・。


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