December.5,2004 美しくもグロい映画

        オムニバス映画『Three/臨死』(三更)のパート2になる、『美しい夜、残酷な朝』(三更2)からの香港パート『餃子』のロングバージョン。


        高額な餃子を食べさせるというバイ・リンのところへ、ミリアム・ヨンがやってくる。バイ・リンによると美貌というものは、いくらエステをしようが化粧をしようが変えられない。内側から変えるしかないというのである。それにはバイ・リンの作った餃子を食べるのが一番だと言うのである。小麦粉を伸ばして餃子の皮を作り、野菜を刻み、肉を入れ、皮に包み、お湯の中に入れて茹でる。いわゆる水餃子だ。耐熱ガラスの鍋の中で茹ってゆく餃子は見るからに美味しそう。ただ、普通に美味しそうに見えたのは最初のうちだけ。この餃子の正体が分かってからは、ちょっと水餃子を食べるのに勇気がいりそう。

        一人っ子政策の中国では、妊娠を中絶することが多い。そこで取り出された胎児をこっそりとバイ・リンは密輸していたのだ。この肉を食べれば若返るというのである。本当にそうなるのかは、はなはだ疑問なのだが、どう見ても30代のバイ・リンは実は60代なのだと告げる。餃子を作るシーンで、真っ赤な木耳のようなものを切るシーンがあって、どうもこれが胎児の一部という設定らしいのだが、これが原因で、しばらく私は木耳が食べられなくなった。あのコリコリした感触がたまらなく神経を逆撫でされる。

        ミリアム・ヨンは元はアイドル・スターという設定。それが若くして大金持ちのウォン・カーファイに見初められ、結婚。それから20年の月日が経ち、亭主は若い女の子と公然と浮気を始める。それに対して何も言えないミリアム・ヨン。金はあっても40歳のミリアム・ヨンの美貌は衰えるばかりだという焦りから、バイ・リンの餃子を食べる事にしたというわけ。バイ・リンにこんな台詞がある。「男ってしょーがないわよね。自分が30代になろうが、40代になろうが、50代になろうが、いくつになっても男は20代の女性が好きなの」 これ、耳が痛いですね。

        ある日、バイ・リンのところに妊娠した女の子を連れた母親がやってくる。中絶して欲しいというのだが、もう胎児は成長しすぎていて、中絶はできない。それを無理にでも中絶させてくれと頼む母親。娘の腹の中の子は、父親との間で近親相姦の果てに出来た子供であり、どうしても産ませる訳にはいかないと言うのだ。苦心の末に堕胎に成功するが、「もっと餃子を」と望むミリアム・ヨンに、この胎児で作った餃子を食べさせたところ、ある変化が起こってしまう・・・・・。

        とてもよく出来ている映画なのだが、観終わると、結構グロいという印象が残ってしまい、生理的に辛くなってしまった。女性はこの映画を観て、どう思うのだろうか?


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