December.11,2005 なぜドミノなのかというと・・・

        WOWOWで『ドミノ』(Office有鬼 Haunted Office)という香港映画を観た。最近、同じく『ドミノ』という実話に基づいた女性バウンティー・ハンターの映画が公開されたから、ややこしい。原題からなぜ『ドミノ』という日本版タイトルになったのかは知らないが、クライマックスでドミノ倒しのような展開になっていくので、この付けかたも理解できないではない。

        あるオフィス・ビルで起こる、3話のオムニバスという形式で、監督名が3人列記されているから、別々に撮って、繋げたものらしい。パートごとの主役はカレン・モク、ジョーダン・チャン(陳小春)、スー・チー。設定にかなり無理があると思うのが、この様々な会社が入っているビルというのが、毎年旧暦の7月になるとオフィスの人間が9人ずつ死んでいくという噂。そんなビルに好き好んで入居する会社があるのかどうか。しかも全身真っ白な女性の幽霊が出る・・・・・って、そりゃあ、どんな会社でも出ていってしまうでしょうが(笑)。

        1話目のカレン・モクの話は、パット(カレン・モク)の会社が入っている階のトイレに幽霊が出るというもの。香港ではそうなっているのかもしれないが、このビルのトイレには鍵がかけられていて、鍵を使わないとトイレに入れないシステムになっている。トイレの一番奥の個室トイレから出てきた女性が首吊り自殺をとげるという事件にパットは遭遇することになる。どうもこの階のトイレに入るのが怖いパットは下の階の会社の女性と知り合い、下の階のトイレの鍵のコピーを貰うのだが・・・。なんだか日本の『トイレの花子さん』や『学校の怪談』からいただいてきたような気がする(笑)。

        2話目のジョーダン・チャンの話は、ワンマンで非情な会社の社長リチャード(ジョーダン・チャン)がタイへ遊びに行って帰ってみると、社員の様子が変わっている。実は5人の社員が交通事故で死んでいて幽霊となっているのだ。おいおいと突っ込みを入れたくなるのは、当初の設定では、毎年旧暦の7月に9人の人間が、ひとりずつ死ぬということだったのに、5人いっぺんに死んでしまうということ(笑)。90分のうちにひとりずつ殺していてはたいへんだと思ったのだろうか(笑)。実は5人の社員が幽霊となっていると知ったあたりからのグロテスクながら笑ってしまう展開は、いかにも香港の人が好みそうなところ。

        3話目は、映画の始まりからチョコチョコ出てきている話の完結編。パソコン・ゲーム・ソフトの開発会社に就職したケン(スティーヴン・フォン)が、同じ会社の同僚シャン(スー・チー)と知り合い、上司のイジメにあっているという彼女に同情するが・・・・といった話。結構感のいい人なら、観始めてすぐに、この話のウラがわかってしまうだろう。それがドミノ倒しのような展開を生むのだが、それはまあ、お楽しみということで。それにしても、オフィスに真っ赤なドレスを着てくる社員がいるか?(笑)


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