風雲電影院

エイリアン・ネイション(Alian Nation)

2012年11月5日
三日月座BaseKOMシネマ倶楽部にて。

 これは見落としていた映画。1988年作品。

 主演がジェームズ・カーン。『ミザリー』の二年前に撮っている。

 序盤でエイリアンが地球にやってくる映像が流れるが、かなりちゃちだし、不鮮明。ようするに宇宙人がやってきて、この連中はいわば難民みたいなもので、アメリカの生活に溶け込んだということを説明するだけのことのようだ。

 アメリカ自体が移民で成立してきた国だし、今でも様々な人種が住んでいるわけで、そこに宇宙人まで加わったところで、それほどおかしくないような気がするのだから不思議だ。宇宙人まで受け入れちゃうなんてのはアメリカ以外考えられない。

 この宇宙人、地球人類よりはるかに頭がよくて、言葉なんてすぐ話せるようになってしまう。もっともそうでなければ映画として話が進んで行き難いわけだが。

 宇宙人の姿も、よく考えるのが面倒だったのか、タコに近い。なんか典型的なイメージをそのまま持ってきている気がする。やれやれ。

 もちろん頭がいいからといって善良なやつばかりとは限らない。犯罪者もいる。また警察官になるやつもいる。というわけで、ジェームズ・カーンの相棒になった宇宙人刑事が、いわゆるバディを組むことになる。

 この宇宙人刑事の家族が出てくるシーンもある。なんだか典型的なアメリカのファミリーという感じて社会に溶け込んでいるっていうのが妙に可笑しい。アメリカ人だったら、この辺は爆笑なのかな?

 しかしとにかくヘンな映画で、それじゃあ宇宙人が出てきたからいって、特別どうこうという大きなアイデアがあるわけではなく。骨格としては、普通の刑事もの。宇宙人の犯罪者が扱うのも麻薬。それが地球上にある麻薬より、はるかにぶっ飛んでいるというだけのこと。

 また、この宇宙人のアイデアとして腐った牛乳を飲むと酔っぱらってしまうとか、なんだか冗談で作っているとしか思えないところがあったりするが、それでいて、結構普通なストーリー展開。

 宇宙人の弱点として、海水に浸かると溶けてしまうというのもあるが、別にそんなことしなくても死ぬみたいだしなあ。

 低予算映画でなんとか新味を出したかったのだろうが、もう少しいいアイデアがストーリーに盛り込まれていれば、もっと面白くなったろうに。

 途中、Sympathy For The Devil が流れたりするが、オリジナルではない。知らない歌手が歌っているヴァージョン。やっぱり予算無かったんだなあ。予算さえあれば、もっと思い切った話にしたかったのかも知れないし。

11月7日記

静かなお喋り 11月5日

静かなお喋り

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