風雲電影院

アーマード 武装地帯(Armored)

2013年2月24日
DVD

 ガードマンといえば、私らの世代は日本のテレビシリーズ『東京警備指令 ザ・ガードマン』を思い浮かべる。長寿ドラマで、毎週金曜日の夜の楽しみだった。特に現金輸送車襲撃から守る話の回が大好きだった。日本のガードマンたちは銃器などで防衛しない。せいぜいが警棒くらい。それでも拳銃を持った犯人たちから現金を守るために闘っていた。

 『アーマード 武装地帯』は、現金輸送車のガードマンの話なのだが、なんともまあ、そのガードマンが最新鋭の現金輸送車を襲われたことにして、現金を頂いてしまおうという計画を考えたというストーリー。実行犯は六人。全員がこの現金輸送車の運転手やガードマン。誰も見ていないから、口裏を合わせれば大丈夫だという、なんとも安易な計画。

 出演者がマット・デュロン、ジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーンって、そこそこの役者を集めてきているのに、主人公はコロンバス・ショート。どんな役者かと思ったら『キャデラック・レコード』にリトル・ウォルターの役で出ていたって、ははぁ、あの役者かぁ。そういえばリトル・ウォルターに似ているといえば似ていた。

 コロンビア・ショート扮するイラクからの帰還兵は、警備会社でようやく見習い期間を終えた新米ガードマン。一緒に現金輸送を担当するチーム五人から誘われて計画に乗ってしまう。

 ほかの五人から誘われて「いやだ」と言えば命は無んじゃないかというくらい恐ろしげな連中ばかり。よくこんなのばかり社員にしたもんだと思うが、コロンビア・ショートは金に困っているという設定で、この話に乗ってしまう。って、おいおい。

 計画通り現金を積んだ輸送車を運転して、かねてからの計画通り、廃工場に乗りつけて現金を隠す。と、その場所にはホームレスが寝泊まりしていて、顔を見られたということで仲間のひとりがこのホームレスを撃ってしまう事から仲間割れしてしまう。さらには見回りに来た警官まで撃ってしまい、もう泥沼。コロンビア・ショートひとりが正義感に目覚め現金輸送車に立てこもる。

 元はと言えばコロンビア・ショートも計画に乗ってしまった事が原因なのだが。ここからは往年の『ザ・ガードマン』の、強盗犯v.s.ガードマンのパターンで見せていくが、なにしろ低予算映画。俳優に金を使いすぎてしまったのか? 良くも悪くもテレビ映画『ザ・ガードマン』程度のものにしかならない。

 観終って、案外あの武器を持たない『東京警備指令 ザ・ガードマン』の設定って面白いかもと思えてきた。武器を持たないけれど武術の達人が武装した敵に立つ向う話。身体能力のある役者さえいれば、面白い映画が作れそうな気がするのだが。

2月25日記

静かなお喋り 2月24日

静かなお喋り

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