風雲電影院

ある会社員(A Company Man)

2013年11月6日
キネカ大森

 これはびっくりした。なんとも穏やかなタイトルだが、とんでもない内容の映画だった。

 会社員とはいっても、この会社員が務めている会社がどういう会社かというと、表向きは金属加工会社。しかし実態は殺しを請け負う殺し屋カンパニー。もうこの設定だけで、唖然。ひょっとしてコメディかと思われるかもしれないが、いたってマジ。殺しの手口も、事故に見せかけるなんていうこともやっているようだが、ほとんどは絞殺なんて手口どころか銃の乱射なんて当たり前。これ、警察はどうなってるんだ? 気が付かないわけないでしょ。しかもここではかなりの人間が働いている。もちろん女性もいる。足が付かないの?

 勤務10年のベテラン社員が、若いのと組んで仕事をする。会社命令で、この若いのを仕事の後に消せと言われているが、命を助けて匿ってしまう。もうこの時点で殺し屋社員失格でしょ。しかも、この殺さなきゃいけない男が家族に金を届けてくれと言うものだから、ノコノコと家族のところへ行ってしまう。これもダメでしょ。さらに悪いことに、そのおかあさんという人が、昔好きだった歌手だと知ると心が揺れてしまう。

 それで、なんと、この映画、主人公が最後は自分の会社への殴り込む。重火器を持って正面から会社へ入って行く。オフィスの社員も全員武器を持って、スーツ姿での銃撃戦・・・って凄い映像だね、これ。
 自分も会社員経験があるが、なんとなくこれって、欲望としてあるかも知れない。こいつだけは許せないという上司を殺せたら、どんなに胸がすくことか。
 現実には出来ないだけに、これは会社員が観たらスカッとするかもなぁ。

11月7日記

静かなお喋り 11月6日

静かなお喋り

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