ブルー・スチール(Blue Steel) 2015年11月9日 三日月座BaseKOMシネマ倶楽部 1990年作品。未見。 監督は、のちに『ハートロッカー』でアカデミー監督賞を取ることになる女流監督キャスリン・ビグロー。私はこの『ハート・ロッカー』はともかく、同じく戦争を描いた『ゼロ・ダーク・ソーティ』あたりになると、そのタカ派ぶりにゲンナリしてしまったのだが、キャスリン・ビグロー、このころから実に男っぽい映画を撮っていたものだ。 主人公は女性警察官。日本の場合、婦人警察官というと交通課だったり、道案内専門の交番勤務だったりするが、欧米では男女の区別なく働いているようだ。ここでテレビシリーズ『Person of Interest 犯罪予知ユニット』のカーター刑事のことを思い出してしまった。 配属されたばかりの婦人警官メーガン・ターナーは偶然、スーパーの強盗現場に遭遇する。銃を持ちレジの店員を脅す強盗にメーガンはそっと近寄って銃を向けるが、強盗はメーガンを撃とうとする。咄嗟に引き金を引くメーガン。強盗は銃を取り落とす。強盗の様子を確認しに近寄るメーガンだが、そのときこういった状況に不慣れな新米警官のメーガンは犯人の持っていた銃から目を離してしまった。床に伏せていた客の一人ユージーン・ハント(ロン・シルヴァー)は、その銃をこっそりと持ち帰ってしまう。現場検証で犯人の持っていたという銃が見つからなかったため、実は犯人は銃を持っておらずメーガンの過剰防衛だったんじゃないかと容疑がかかってしまう。 銃を手に入れたユージーンは、銃の魅力に取りつかれてしまう。ちょうど『タクシー・ドライバー』で銃を手に入れて鏡の前でポーズをとるトラヴィスみたいなシーンもある。そしてついにユージーンは、その銃で無差別殺人に走るようになる。 失くした銃を探す警察官の話というのはいくつかあるが、主人公が女性というのは珍しい。そしてこの犯人ユージーンはメーガンに接触し始めるというのも面白い展開。メーガン役のジェイミー・リー・カーティスといえば、デビューが『ハロウィン』。続編の『ブギーマン』にも出ていたし、やはり殺人鬼の怪物に襲われる『プロムナイト』、あるいは『ザ・フォッグ』に『テラー・トレイン』。ホラー映画で逃げ回りながら、最後は相手を倒すという役柄が多かった人。それがこの『ブルー・スチール』でも同じような役柄だというのも面白い。 11月13日記 静かなお喋り 11月9日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |