ちはやふる 上の句・下の句 上の句 2016年5月14日 109シネマズ木塲 下の句 2016年5月15日 TOHOシネマズ日本橋 高校生が一生懸命頑張ってクラブ活動で練習して、大会に進出するっていうような青春映画って、今の私にはまぶしすぎてしまって、どうも苦手。もちろん矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』といった、スポ根ものとは一線を画す、どこかほのぼのとしたものは大好きなのだけれど。 『ちはやふる』の場合は、競技かるたがテーマで、予告を観た限りではガチで戦う話っぽくて、どうも勝ち負けにこだわるような話は嫌だなと思っていたのと、男女の恋愛話も絡んでいそうで、そういうティーンエイジャーの恋物語っていうのも、ちょっともう勘弁。そんなわけでまったく行く気にならなかった。 それに拍車をかけたのが、上の句、下の句の前後編の形での公開。これがまた苦手で、二回足を運ばなくてはならないというのが面倒だった。 それがどうやらこの映画、評判がいいらしい。それで急遽観に行くことにしたのだが、上の句は近所の映画館ではすでに上映終了。そこで少し離れたシネコンの一日一回、夜の上映というのを観に行き、翌日今度は近くの映画館で下の句を観た。この二日間連続で集中的に観たというのも良かったのかもしれない。私もなかなか気に入ってしまった 主人公は一応、綾瀬千春(広瀬すず)という、競技かるた大好きな元気な女の子。高校にかるた部を作り、大会で優勝を狙っている。疲れそうなキャラだが、どこか天然なところがあって憎めない。上の句ではサディステッィクな強敵と戦い、下の句ではクイーンと呼ばれる最強の女性プレイヤーと対戦することになる。 これがこの映画の見せ場なのだが、それと同時に、かるた部のメンバーとの物語が進行していき、こちらは団結というテーマが描かれる。このあたりはいかにもマンガが原作という感じがする。 さらには、綾瀬千早をめぐり、幼馴染の真島太一(野村周平)と、綿谷新(真剣佑)との三角関係の恋愛話が絡む。 なんかねぇ、このトシになると、もう勝ったの負けたのとか、恋愛がどうのなんていうのは面倒になってしまって、そんなことどうでもいいじゃんという心境。団結だの恋愛だのにはあまり乗れないと思っていたのだが、それでも我を忘れて面白く観てしまっているんですね。 でもこの映画で一番好きなところは、綿谷新が競技かるたに興味をなくしてしまっているという設定。真島がスランブに陥っていたとき、綿谷に、「そんなときどうしたらいいか」と尋ねると、「かるたが一番楽しかった時をイメージしろ」と答える。それはとりもなおさず綿谷にも返ってくる答だったという部分。 それと下の句で、ブラスバンドが稽古場を探していて、かるた部の部室の上を使わせてくれという話になるところ。かるた部としては大迷惑なのだが、相手の身になって考えて、こころよく場所を提供してあげる。みんな自分のことしか考えなくなってしまっているこの世の中。ほかの人のことも考えてあげようよというメッセージは、とても気持ちがよく感じた。 5月16日記 静かなお喋り 5月15日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |