風雲電影院

クリーピー 偽りの隣人

2016年6月21日
ユニイテッドシネマ豊洲

 おそらく以前だったら、「そんなバカな」と思えてしまっただろうが、これだけマインドコントロールを使った犯罪が現実に起こると、こんな人物がいてもおかしくないと思えてしまうから、これはアリな6映画。

 いろいろツッコミどころはあるけれど、久しぶりに怖い映画を観たという気持ち。『ヒメアノ〜ル』の森田剛も怖かったが、ラストでアリャになっちゃった。そこへいくとこの映画の香川照之は最後まで異様なまんま。すごい怖い。なにしろ芝居が上手い人だから、こういう役を本気でやらせると、とことん怖くなる。

 香川照之と西島秀俊のコンビって何かで観たなぁと思ったら、そうだ去年のテレビドラマ『流星ワゴン』だ。あのとき香川照之は幽霊の役。妙な歩き方が特徴だったが、それはこの『クリーピー 偽りの隣人』でも同じ。しかも衣装がポロシャツという所まで似ている。もっとも顔つきが全然違うのだが。

 ポロシャツ姿といえば、この映画の季節は夏だろう。『流星ワゴン』では真冬というのに半そでシャツ姿で可哀想になったが、この映画は夏でしょ。扇風機置いてあるし。引っ越してきた竹内結子が、引っ越しの挨拶に香川照之の家を訪れるシーン、香川がなかなか出てこないので、玄関に挨拶の菓子を置いて去って行こうとする。このお菓子がチョコレートだということがこのあと語られるが、夏にチョコレートを外に置きっぱなしにするか? 溶けちゃうでしょうが。

 あと不自然なのが、日本の警察って、こんなにバカなの?ってこと。『ヒメアノ〜ル』でも警察バカじゃんと思ったけれど、『クリーピー 偽りの隣人』はもっとバカ。イライラしてきちゃう。もっともそれがこの映画の狙いなのかもしれないけれど。

 上映時間は130分。最初の方はややダレた感じで、もう少しコンパクトになった方がよかったんじゃないかと個人的には思いましたけど、でもまあ、最近の日本映画にしては面白かったんじゃないかと。変なJホラーより、よっぱど怖いし。

6月22日記

静かなお喋り 6月21日

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